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【LGBT】LGBTとキャリアの形成(1)
LGBTにとってのキャリアとは?
一般的に家庭、学校、職場と居場所を移していく(広げていく)なかで、10代までの大事な時期にかかわる家庭や学校での問題が取り立たされがちではあるが、実は仕事にまつわる部分のほうが人生において圧倒的に長い。
たとえば家庭環境に問題があった場合はコミュニケーションや人間関係において成人してからも苦労する可能性があるし、学校に対してネガティヴな認識であるなら人生に絶望してしまうかもしれない。
それらの問題は別で考えるとして、まずマイノリティ全体に共通して言えるのは、仕事がうまくいっていればある程度の悩みは二の次になるという現実だ。
キャリアがうまくいかないケース:その1
一例として、自分のケースを挙げてみる。
高校を中退し、バイト生活からフリーランスを経て、良くて派遣社員か契約社員を転々としていた。
途中で通信制高校を卒業したが、一般的な正社員などの就職は、40代になってもできなかった。
もしLGBTにかんすることが原因で、不登校や高校・大学などを中退した場合、高卒でもできる仕事に就く可能性が高い。
キャリアがうまくいかないケース:その2
特に男性の場合30代あたりからは印象が大事になる。説得力や貫禄が必要で、トランスジェンダーの中でも元が女性的であるほど童顔で子供っぽく見られる。
見た目が幼いことや、独身を貫いていることや、身長が低いことなどから、職種によっては周りの人よりも簡単な仕事を任される可能性がある。または管理職になりにくい可能性がある。
キャリアがうまくいかないケース:その3
女子校や男子校に通っていたトランスジェンダーの場合は、履歴書に嘘を書くか、最初から全てを公開する必要があり、これまでで言うなら履歴書の要らない日雇いや水商売を選ぶ人が多く、或いは性別をオープンにしていない場合は私服か作業着の仕事を選ぶ傾向が強い。
安定しない仕事や体力を必要とする仕事に就くとしたら、35歳くらいを境に、転職か独立かがうまくいかなかった場合はなかなか生活が厳しくなっていく。
ただ仮名が使えることや、更衣室や健康診断がないことは、かえって都合がいいとも言える。
キャリアがうまくいかないケース:その4
複合的な問題がある場合、その原因の一つになるかもしれない。
たとえばLGBTであることが原因で、環境に馴染めないなどの理由から、うつやパニック障害、双極性障害などの精神・神経疾患を患った場合など。
逆に問題が複合的でないとしたら、キャリア形成を考えるうえでLGBTが障害となるケースは、ある程度限定された職種ではないだろうか。
キャリアがうまくいかないケース:その5
宗教や思想に反する、または上司や会社がLGBTを嫌悪し、解雇されるなどのケースは、一般的には最も想像しやすいと思う。
しかし現代においてLGBTがキャリアで悩むとしたら、おそらくこの理由ではないだろう。
最後に
もし恵まれた就職ができ、収入にも満足し、周囲からも評価されている場合、とりあえずは何とかなる。どこかで理解されない気持ちや自分のなかで納得できないモヤモヤはきっとあるはずだが。
自分の場合、運動神経が良く勉強もできた子ども時代は、わりと人気者で発言力もあったし、友達や味方も多く、何か問題があったとしても個人的なことだからいろいろ後回しでよかった。
仕事が軌道に乗ってきた20代も、目の前のことに熱中していて、LGBTにまつわる活動も多少していたが、たぶん充実していたのだろう。
社会に出てしまえば家庭や学校のしがらみから解放されるわけじゃない。
20代で手にした自由をいつまで持ち続けられるのか、10年後も今のように生きていけるのか。
今あることのもう一歩先を考えたい。
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