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第九章 再修羅場⑫

あたしが一哉と離れるべき、なの?

「安奈……お前の気持ちは分かってるから。でも、梨紗はオレのせいで傷ついたんだ。オレが責任を取る。だから、梨紗に土下座しろ。オレは、安奈を許す事はできない。もう二度とオレ達に近付かないで欲しい」

一哉。

何もそこまで言わなくても……。

「じゃあ!あたしも顔に傷ついたら、一哉はあたしの傍にいてくれるの?!」

「安奈……お前、自分がどれだけ大変な事をしたのか、大人ならしっかり考えろ」

一哉は冷たく、安奈に言葉を浴びせる。


そして……。

安奈は、泣きながらあたしに土下座をしたのだった。


あたしは……。

見ていられなかった。

思わず、眼を反らしてしまった。

安奈の事は、すごくすごくむかつくけれども。

それでも、この土下座を見届ける事ができずにいた。


そして、安奈達は帰っていった。

これで、本当に良かったのだろうか。

あの安奈が。

土下座までして……。

このまま引き下がるとは、やはり思えないのだった。

「梨紗、今日は最後までいて。一緒に帰ろう」

「……うん」


あたし達は、店の奥の一番隅っこの席で修羅場を繰り広げていたわけだけれども。

当然、店には他の客もいて。

きっと、相当目立っていたはずだ。


サイトを見るのが怖かった。

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