シェア
岬との事を過去にするには、まだまだ時間がかかるみたいだ。 だって、まだ一年前の事なのだか…
「もう、出逢う事もないだろうけど……幸せそうで良かった。これで最後、かな……」 「せやな…
それから……。 一哉と岬は、一緒に仕事をする事がどんどん増えていった。 あたしは、そんな…
岬と過ごした日々。 岬と一緒に観た映画。 岬と行ったドライブ。 岬と一緒に行った遊園地。…
「岬さん、グランプリおめでとうございまあす♪」 安奈がクネクネと腰をいやらしく振りながら…
壇上で、トロフィーを一哉が岬に手渡す。 とてもではないけれども、受け入れがたい現実だ。 …
吐き気がして、止まらなかった。 トイレの個室で、思わず吐いてしまう。 吐こうとすると、涙が出る。 涙があふれてくる。 一哉が、変に思うかもしれない。 必死で、アイライナーやファンデーションが落ちないように気をつけながら涙を拭く。 冷静に、冷静に。 そして、会場へと戻った。 「梨紗、どした?大丈夫?」 「うん、大丈夫……トイレ、さっきから我慢してて」 一哉はあたしの顔を覗き込むようにしてみせたが、特に何を言うでもなかった。 岬……。 どうか、あたしを見つ