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【女子高生に迫られる恐怖漫画】娘の友達/萩原あさ美



"女子高生"

この4文字の持つ圧倒的なオーラ、風情は何なのだろうか。
書いても良し、声に出すも良し。
名詞番付があったら永久横綱クラス。

我々(自分を含めたある一定数の男共)はなぜここまで女子高生を神格化してしまうのだろうか?
答えは一つ、最も「遠い存在」だからである。
その距離は決して縮まる事はなく、どころか歳を重ねるごとに増幅していく一方だ。

そんな遠い存在と、もし関わり合う事があれば、更にはもし自分に好意を寄せてきたら?
今回はそんな男の潜在的願望を、恐ろしくも描いた作品を紹介する。

娘の友達/萩原あさ美 全7巻

はい、もうタイトルからして怪しい。
FANZAでしか見ない文字列。
そして、タイトルの期待を裏切らないあらすじがこちら。

家庭では父親として、会社では係長として、“理想的な自分”を演じるように生きてきた主人公・晃介。だが、娘の友達である少女・古都との出会いにより、人生は180度変化する。 彼女の前では、本物の自分でいられた。すり減った心が、癒されていった。それが、“決して抱いてはいけない感情”だと知りながら――。 社会の中で自己を抑圧する現代人へ贈る、“ミドルエイジ・ミーツ・ガール”ストーリーが幕を開ける。
                               (コミックDAYS より引用)

所謂、おっさんがJKに好かれる系のファンタジー漫画である。
近い題材の漫画で「恋は雨上がりのように」があるが、全く性質が異なる。
あっちがシティポップだとしたらこちらはハードコアパンクくらいの別ジャンルだと思っておいた方がいい。(もちろんシティポップも好き)

好意が恐怖に変わる時


↑コミックス2巻より。(理性に)勝てる気がしない


「おっさんが女子高生(娘の友達)を好きになってはいけない」
当たり前のことだが主人公はこの事について終始葛藤する。
そりゃそうだ。
魅力的で若い女の子に優しくされたら好きになってしまうのが本音だろう。
しかし、この作品は、というか現実世界も同じだが、決してこの本音を良しとはしない。

女子高生と二人で会っている姿を会社の同僚に見られたらどうしよう。
娘に知られたらどうしよう。
女子高生の親にバレたらどうしよう。
主人公には作中、常に不安が付き纏う。
そのため、読んでいる側もキリキリと苦しい思いを強いられる。

そういった当たり前の不安を持って、作中での女子高生・古都の行動を見てみると、なんと恐ろしいことか…
その一手一手が確実に"詰み"へと導いているような、最早主人公を"社会的に抹殺する"という確固たる意思があるのではと思えてくる。

そんな、最後まで気の抜けない本作だが、是非この異常で正常な二人の結末を見届けてほしい。

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