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恋愛モノ

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#恋愛小説が好き

イケメンで遊び回る20代を過ごしてみたかった

山本文緒 著『きっと君は泣く』の小説を読んで。 ※内容はグダグダです 僕は 20代の頃全くと言っていいほど遊んでこなかった。 20代の前半には iPhoneが普及していて、ゲイ系の出会い系マッチングアプリも出始めていたので、そのうちの一つに登録して出会いを求めたりしていた。 実家は田舎の方だったので人が少ないということもあってか、いつフィードを見ても同じような顔が並ぶばかりで代わり映えがしなかった。 たまにはメッセージのやり取りをしてリアルすることもあったけれど、イケメンで

一緒に過ごした時間が長いほど、思い出は大切に残したい

市川拓司 著『恋愛寫眞 もうひとつの物語』を読んで。 人は恋を知ってから大人になっていく。 なんて素敵なテーマだろうと思った。 だからこそ、最後の意外な展開には切なさが募る。 「またすぐに会えおうね」、それが永遠の別れになるなんて誰が思うだろう。 つい先程まで会っていたのに、つい先程まで甘い時間を過ごして幸せを感じていたのに、この幸せがこれからもずっと続くと思っていたのに、それが唐突に終わるなんて思うだろうか? いつまでも連絡がつかずにずっと待ち続ける。 あなたが帰ってくる

叶わない片思いは幻想だからこそ美しい

ロマンシエ / 原田マハ を読んで。 淡い片思いというのは本当に辛い。 恋をしている自分は好きだし楽しいけれど、絶対にこの一線を越えられないという現実が目の前にあると、どうしても嫌になってしまう。 ゲイがゲイを好きになれば、あとはお互いがタイプかどうかによって付き合うか付き合えないかの判断になる。 もし付き合えなかったとしても、自分はあなたのことが好きなんです、と気持ちを伝えられるということは素晴らしいことだと思う。 だけど、ゲイがノンケ (ストレートの男) を好きになって

愛する人との思い出は、忘れずに記憶しておきたい

いま、会いにゆきます / 市川拓司 を読んで。 愛した人との思い出はずっと忘れていたくない。 何をした、どこに行った、こんなことを話した。 どれ一つかけがえのない思い出だし、いつまでもずっと覚えておきたい。 特に、恋人やパートナーと死別してしまったとなれば、これからの思い出が増えない分、今までの出来事を大切に覚えておきたい。 新しい彼氏と付き合ってからまだ 1ヶ月も経ってないし、予定も埋まっていたこともあって全然会えていない。 小説のように長い年月を過ごしたわけでもなく、一

いつまでも恋人気分でいられるような関係が理想的

さしすせその女たち / 椰月美智子 を読んで。 育児と仕事を両立している女性は死ぬほどクソ忙しいということがひしひしと伝わってくる小説だった。 しかも夫は仕事で帰りが遅くなるやら、家事の手伝いはせずに全部妻に任せきりで、ちょっとした手伝いも面倒臭がるような男。 まあ世の中の男はそんな感じかもなと思いつつ、しかし典型的なダメ夫の代表のようでもあった。 とはいえ今の世代の男性たちはもっと育児に協力的な人も多いかもしれない。 なぜなら仕事に精を出すのではなく、ワークライフバランス

好きになった人を振り向かせるための努力は楽しい

その手をにぎりたい / 柚木麻子 を読んで。 この著者の『バター』という小説を前に読んだことがあるのだけど、その小説と同じく、この小説も喉を唸らせるような、唾液が口いっぱいに広がるようような、ご飯を美味しそうに頬張りながら食していく情景が何度も繰り返されるので、ご飯欲が刺激されて良い意味で悪い小説だ。 『バター』のときは文字通りバターをこれでもかとふんだんに使った濃厚でコクの深い味わいの料理を表現し、今回の小説では「高級鮨」のとろけるようなネタが描写され、手に届かないような

駆け落ちするほどの恋って若いときだけのものじゃないかな

夜の果てまで / 盛田隆二 を読んで。 学生の頃は片思いしかしていなかったし、恋という恋はしたことがないのだけど、若い頃の恋というのは衝動的になりやすいし、はまり込みやすいし、依存的になりやすいんじゃないかなあ、なんて数少ない自分の経験を思い出しながら読んだ。 若いときは性欲も強いし、体を許す関係って普段自分が隠している部分をさらけ出すことになるし、隠していた自分を受け入れてもらったら自分の全部が認められたような気になって、 自分を受け入れてくれた人が裏切るようなことはない

相手のことを考えて恋をしているときが一番楽しい

試着室で思い出したら、本気の恋だと思う。/ 尾形真理子 を読んで。 そういえば最近全然服を買ってないなあ、と思い出した。 去年留学に行こう! と衝動的に決めてから、ついでに家も解約して身軽なろう! と思ってから、溜め込んでいた服を選別し、最低限 (冬服) の物だけを残してあとは捨ててしまった。 中には好きな服もあったけれど、スーツケースに入らないということもあって泣く泣く捨てた。 その最低限の数着を持って留学に行き、日本に帰ってきて新しい家に住んで 2ヶ月経ったのだけど、あ