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お盆には食べ物が似合う

お盆。

飲食店のアルバイトをしていた自分だが、食べ物を運ぶ道具よりも、亡くなった人達の霊を祀る行事の方が印象が深い。

とはいえ、自分は身近に亡くなった人がいない。

いや、正確には母方の祖父が亡くなっている。それに、直属の上司が亡くなったことがある。しかし祖父は、自分が産まれる前には既に亡くなっているので会ったことは無い。また上司は直属とはいえ、自分含めた派遣を纏める仕事をしていたため、数ヶ月に1度しか会わない存在だった。「最近どう?」とタバコを2本も3本も消費する上司相手に、「大丈夫ですよ~」なんて、受付嬢も真っ青な笑顔を浮かべて対応したのだ。恙無く面接は終わり、私的な投資の話もしたりした。やっぱり家族に遺産を残したいよね、どこの国に投資してんの、最近だとこんな儲け話があって、エトセトラ。投資の話の方が長かったのだが、だからといって上司が友達になることも無く、そして居なくなってしまった。あまりに会わない人だったから、天国の転勤からひょっこり帰ってきそうな気がしている。ハードワーカーだったのでちゃんと休んでください。
そのため、お盆は夏季休暇ないし帰省をする時期というイメージを強く持っている。

さて、お盆。

初めて1人で暮らしてから久しぶりの実家だ。と言っても2週間ぶり。実家ではお風呂に足を伸ばして入れるから、帰るのは真昼間だと言うのに真っ先にお風呂に入るかもしれない。また、父も母も美味しいものをよく知っているから、冷凍肉ではなく魚や煮込み料理以外が食べられるかと思うと心が踊る。もう脳内はお寿司がステーキと一緒に踊っている。

そういえば、お盆といえば親戚とお墓参り後に「いつもの場所で」と合言葉をひとつ。互いの車でバイキングに行くのが通例だった。
焼肉、お寿司、サラダ、ジュース、ケーキ、綿菓子とそれは天国のような場所で、お肉は柔らかくて美味しかったし、大食漢な叔父さんの食べっぷりを見るのも楽しかった。そういえば自分がパクチーが好きだと公表したら、味方は誰も居らず「パクチーは美味しくない」とフルボッコにされたんだっけ。なんでや!栄養価も高いんやぞ!

結局、お盆。

行事の印象が強いと語り出したはずなのに、結局食事の話に回帰している。祖父も上司も呆れてるかもしれないが、許して欲しい。

「生きること」は「死に行くこと」と同義だと思う。自分は今隕石が落ちて死ぬかもしれないし、明日交通事故で死ぬかもしれない。出来れば生きることに喜びを見出してたいと思うけど、例えば「この漫画の連載が終わるまで死ねない」とかね。自分ではどうにも出来ない物を手段に生に執着するのもいいが、食ぐらいは後悔のないように、しかし出来るだけ健康的に、長生きできるように、誰かと共に、を考えて食べたい。

あー、早く人と会って美味い飯が食いてぇなぁ。

熱量高めのエッセイを続々更新予定です。お仕事の依頼はなんでも受けます。なんでも書きます。ただただ誠実に書く、それだけをモットーに筆を執ります。それはそれとしてパソコンが壊れかけなので新しいパソコンが欲しい。