一度デザインに挫折して辞めようと決意した私が、1年後にデザインコンテストを開催したワケ。
昨年の話。
昨年、駆け出しデザイナーを対象に仲間内で福島のApple Store(リンゴ農家)ことヒロアさんが自身の自社ECにのせるサムネイルのコンテストを実施しました。
ヒロアさん自身は本当に自社ECに掲載するサムネイルを「コンテスト形式で優勝者決めたら楽しいんじゃね?!」って思ったのだと思います。
実際、昨年のサムネイルコンテストは盛り上がっていました。
私はその頃、デザイナーになる事に自分自身絶望していたという経緯があるので、このコンテストには応募しませんでした。
しかしながら投票には参加させて頂き、一票を投じた経緯があります。
そして傍から見ていて、凄く楽しそうだったのを覚えています。
私も参加したら良かったな、そう思いました。
そこから1年後の今年の9月。
ヒロアさんから相談を受けました。
「今年もサムネイルのコンテストをしたいと思っているのですが、Twitterのアカウントを消してしまいました。そこで人を巻き込む能力が高いくろせ様に、代わりに開いていただくことをお願いしたいと考えております。」
コンテストの概要としては優勝者にはリンゴ5キロと金一封。そして自社ECのサムネイルに起用するというもの。
2−3位の人には商品としてリンゴ2キロを用意するとの事でした。
なんともツッコミどころの多い連絡を頂いたものの、ふたつ返事で了承しました。
なぜなら、このコンテストは絶対にやった方がいいと思ったからです。
コンテストを開催を引き受けた訳。
少し私の話をします。
私は本当に昨年の今頃、地を這うように生きていまして、周りは案件取ったとか就職しただとか本当に羨ましかったのを覚えています。
それと同時に自分の適応能力というか、デザインに対する順応性の低さに吐き気すらしていました。
そんな私が再始動できたきっかけが、デイトラ内で開催されていたウェビナーで、プロの方にバナーを添削していただくという機会でした。
私の他にも数々のいい作品が並んでいた中で「凄くいいね」「CV高そう」と評価を頂いたという経緯があります。(↓当時褒めて頂いたバナー)
これは私が数日かけて作ったバナーでした。
この当時私以外にバナーを出していた人は、デイトラ内でコンテストに入賞していた人であったり、デザインの仕事を既に開始している人もいらっしゃいました。
そんな人達を差し置いて、その日に提出したバナーで一番良かったとお褒めの言葉をかけて頂いたのは、当時の私にはかなりの自信になりました。
勉強をし始めて数ヶ月の人でも、時間をかければ1-2年デザインを勉強したくらいの人には勝てるんじゃないのかとその時の経験から個人的に思っています。
もちろん1−2年の濃さにもよるのでしょうが、それでも時間をかければ一発逆転があると思っているのが「バナー」だと個人的に感じています。
また私自身、デザインを勉強してから初受注をするまでに約1年程の時間を要しました。
そして私の周りにもデザインは勉強したけれど案件に結びつかず、結果迷走を続けている人が凄く多かったという印象がありました。
そして最後にはデザインの仕事を受ける事が出来ずに消耗してしまい、デザイン自体を辞めてしまうという人がいました。
なので、コンテストの「やる目的」として以下を掲げました。
①デザインを始めたての人の0→1(仕事)になるキッカケを作る。
②たくさんの人に制作物を見てもらう。
③自分の制作物の他に、同じ題で制作している制作物を見てもらい、それをアウトプットして貰う。
④友人(デザイン勉強し始めて1年以上の人)にも企画に加わってもらい、あわよくば下剋上してもらいたい。
⑤企画に参加してよかった。今後もデザインを続けていこうと前向きにデザインと向き合ってもらいたい。
以上の事をコンテストをする目的として掲げました。
また個人目標として
●昨年以上にコンテストを盛り上げる。
を掲げました。
途中主催者が「やっぱ辞めようかな」と言い出し、説き伏せるという場面もありましたが、なんとか開催に漕ぎ着けました。
コンテスト、準備編。
コンテストに参加したことはあるものの、企画を運営するというのは初めてだった私は、まずNotionで情報をまとめて箇条書きに書き出していきました。
https://www.notion.so/10523f57eb674aaab92f0c4445185e22
デザインの参加資格と投票の参加資格。
またこの時に「投票した人にもプレゼントがあるってなったらみんな投票してくれるかな?」というヒロアさんの遊び心が炸裂しました。
①デザインの修正は受け付けない。
②応募は黒瀬のDMから。
③投票はGoogle Formで匿名で作品だけ並べる。
「何かあれば規約は状況によってルールが変更されるって事にしよ。俺の事知ってたらみんな納得するやろ。俺がルールや…!」
という謎ルールも発動しながらコンテストはついに始動しました。
コンテスト、開始。
正直初動の反応は薄かったです。
そこで友達にサムネを出して貰えるようにお願いをして回りました。
1年くらいデザインを勉強している友人たちが言語化をし始めてくれたおかげで、ポツポツと参加者が増えてきました。
私の本来のフォロワーさん以外の所で物事が回り始めた瞬間に、なんとも言えない高揚感があったのを感じました。
参加者も比較的少なかったことから、つぶやいてくださる方にリプをしたりイイネをしたりと期間中精力的に対応しました。
その結果、昨年は応募総数14作品だったのに対し、今年は31作品のエントリーがあり、この中からみんなで大賞を決めるという当初の想定よりも大きな自主イベントになりました。
投票。
投票は平日2日間という知る人ぞ知るシークレットイベント感もありながら、一人3票をもち31作品の中から選ぶとうのは面白がられ、結果70名を越える方から投票を頂きました。
備考欄を途中で設けたのですが、ポジティブなご意見を多数いただきました。
リンゴが貰えるという事でたくさんの投票が頂けたと思うのですが、制作物をたくさんの人に見て貰うのもはじめて!という方もたくさんいらっしゃいました。
参加者の声もポジティブなものが多く、本当に実施して良かったなと感じました。
投票結果。
投票の結果は以下のようになりました。
1位と4位になんとデザインを学習をはじめて2ヶ月の方がランクインしました。当初は1−3位までの受賞の予定だったのですが、コンテストの目的の「デザインを勉強をはじめたばかりの人が自信を持てるように」を考えた際にこの受賞で何かのキッカケを掴んで頂けたら嬉しいなと思い、主催者と相談をして特別賞を急遽つくり表彰させて頂きました。
受賞した方はもちろんなのですが、参加頂いた方の何かの追い風になれれば幸いだなと思いました。
次回への課題。
今回主催者の自社ECに優勝作品を掲載するというのは募集要項に記載をしたのですが、別段自社ECの雰囲気を守って欲しいというのは記載しませんでした。その為、目新しいものに票が寄ってしまうという傾向が強く出ました。これは次回以降のに活かせる点とし、もし今後実施する機会があれば次回以降に繋げる課題としていきたいと思っています。
今回この運営に関わって学んだこと。
デザインを勉強しても仕事に結び付けられていない人が、実際にはたくさん居るという事。
比較的ポジティブに企画が進んだという成功体験。
このようなコンテスト形式だと、デザインをやっていたり勉強している人以外にもイベントが目に触れる事があるので、消費者目線に限りなく近いものがいい制作物として選出できるという事。
また結果としてCVが高いものが上位に食い込みやすくなるという事。
なにより優勝=仕事になるという事が応募者の行動意欲にこんなにも繋がるのかと感じました。
デザインを勉強できたその先の、何かの小さなキッカケが一番求められているんだなと感じました。
今後、また機会があれば、学習のその先に関われるようなそんなイベントを企画したいなと思いました。
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