見出し画像

凍った雲の上に立ちすくんでいる


それでもぼくには今日しかないので

いつでも振りまけるだろうか
言葉にしないものだけを信じ
たどたどしく伝え合うよりも
一度でいいから優遇してくれ

研鑚と称賛は
あくまでも反比例

蓋のない許容も
底のない涙も
髪質も
生まれつきなので
諦められるのは一度きり

誰でもないぼく自身は
どこかの誰かのために
ひた走るようなそぶり
許される方向を目指し

右へ行ったら、
大嵐の海岸
左へ行ったら、
濃霧の山岳
真っ直ぐ進めば、
酸素がないと案内板が立つ
振り返れば近くまで、
愛に似た影が追ってきている

誰にでも会いたい
寂しそうな顔をした
雨が強くなってきたよ
お昼ごはんを食べてから
どれだけ夜を迎えただろう

それでもぼくには今日しかないので
割れた指先で砂漠の道すじをたどる

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?