虚無感の夜這いワルツ


ふとんのなかにはなんにもない暗闇
なんてことはない空虚な思考と踊る

過去と未来はどっちが、先なのだろう
シリウスAとシリウスBの距離を思う
北だけが上になった世界
どこかの車のブレーキや、風が鳴り止んだ音と、残響、
寂寞、寂寞、寂寞……
明日のことを考えながら、眠りかたを思い出す

手が冷たい人は心が温かい なんて言ったのはだれ?
どこを触ってもひんやりしていて、脈を打つむねの中はこんなにも冷たくいたんでいる
まるで、雪降る日の夕暮れ

求めていたはずのものごとを見失う日々
欲しいものがなくなってしまったのは
いつだろう、
明日が思い出になるのはいつだろう

きっとなにを忘れたか思い出せないままに全てのチャプターは終わる
まっさらになる夜を接眼レンズの奥から望んでいる

2016/10/26 00:50

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