浮泛不時着フリュイディティ


わたしはわたしをどこへ飛ばしてしまったの?
ロケットには想いを積めるだけ詰めて

遠ざかるふるい明かりたち
いまだ虚空を見つめている
つぎの光へはまだまだ遠い
このジェットが止まっても
あの場所へ戻れるわけではない
てばなしに放り投げられて
空気が薄れてなにもわからなくなって
なにかがたくさんあって、でもなにもなくて
ただただその場所に彷徨うだけ

もう時間が過ぎて、意味のなくなった感情
傷に合わせたうたよりも飲み込みやすくて
傷ふさぐような心ふさぐような、音色を
口笛吹いてても陽気なわけではなかった
重たい吐息を漏らさないように、と

わたしはただ願った
今よりももうすこし前向きなことに、悩んでみたいというだけなのに

ひとが求めるつづけているのは
明日でも今日でもなくて、昨日なのだと思う
それを知ってもまたもう一度、行くべきところに、見えぬ光に、目を凝らす

2016/11/20 03:38

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