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「しょうもない」と父が言った。

1月の週末の昼下がり、太陽は顔を出しているも。外は風が強く、窓から見える植木の葉が波打っている。

今日はずっと楽しみにしていた、美容院の日。
子供達に部屋中の床をカラフルなブロックで彩られても、気に止めずコーヒーを飲んだり、ストレッチをしたりして、パタパタと動く。

出発まで時間はたっぷりあるのに、じっと座っていられず時計を何度も確認する。

この日をずっと待っていた。

オーダーはすでに決めている。

私が今まで、「何となく」やってこなかった
スモーキーな濃いめのグレーだ。
頭頂部の一部の髪を残して、あとはぐるっと
刈り上げてもらう。

そうなった自分の姿をイメージするだけで、
口角が上がって顔が緩む。

明日が楽しみじゃなかった

今でこそ、こうして自分の
「こうしたい!」をイメージして、実行できるようになったけど、
これまでの私は、何かと理由をつけて地毛を貫いてきた。

例えば、
地毛でも清潔感があればいいから、染める必要はない。
染めたら染めたで、メンテナンスが必要になるからめんどう。
髪をくくったり、乾かしたりする手間がかからるから、ショート一択。
美容室に行くと1〜2時間かかる。
そのためにパートナーに子守りをお願いしたり、準備を整えることが負担に感じる。
果ては、美容室で切るのは、コスパが悪いからセルフカットにする。

息を吸って吐くように「行かない」理由を並べまくっていた。

「やりたい」は、体が教えてくれる

だけど、なんとなく見ていた動画の中に現れた男性の髪型を見た瞬間に目を奪われ、
「やってみたい」と思った。
次の瞬間にはその髪型になるための技法の名前や、工程を調べるために指が動いていた。

あんなに「やらない理由」を、並べていた自分からすると、矛盾している。
でも、「やりたい」と思った瞬間をキャッチさえできれば、体は勝手に動くのだな、と
「カラー 毛束 帽子」などと検索窓に打ち込みながら、自分で感心していた。

そして、さも納得したかのように話していたけれど、
私は自分にそう言い聞かせていただけだったと気づいた。

自分を深く掘ってみる

どうして今まで「やらない理由」を並べていたのだろう。

自分に「今まで髪型に無頓着だったのには、どんな理由がありそう?」と深掘ってみた。

一通り思案したあと、自分でも「まさか〜」と思ったのだけど、
1番に出てきたのは、幼少期に見聞きした父の言葉だった。そして、それが1番しっくりきた。

「なんじゃありゃ、やっちもない」

やっちもないとは、岡山弁で、
「しょうもない」「つまらない」といった意味。

この言葉は私に直接かけられた記憶はない。
父が目にした誰かに対して言ったり、
兄や姉が個性的な用紙にしたり、服をを着たときに、
父の口からポロッとこぼれ、いつも私の耳にはっきりと届いていた。

その記憶に触れた時、すべてが腹落ちした。

「誰かに何か言われるかも」の始まりは、
父の「やっちもない」だったのか、と。


私って愛おしい

ここまで腹落ちすると、ちょっと笑ってしまう。
37歳でいい歳して、子供の頃に言われたことを
(しかも自分に対してじゃない言葉)
大事に、大事に守ってきたんだな、と
急に自分がいじらしくて、愛おしくなった。

コーチングや傾聴、メンタルモデル、
セルフコンパッションなどを学びを深めていくなかで、
全ての選択には本人が感じて、意図し、言葉にして、選んでいと知ったから、
「あの時の父の言葉のせいだ」と怒りや恨みを再生産せず、
ただただ、自分を愛おしいと思える。


そんな事を美容室で髪を整えてもらいながら、
考えていたら、あっという間に2時間がたった。

模造紙ほどありそうな磨かれた鏡の中に座る私は、
理想通りの色に染め上がった髪を揺らす自分を眺めて
「いいじゃん、私」と顔がまたしても緩んだ。

外に出ると、強く吹く風で刈り上げた部分がスースーするし、毛先が地肌に触れてサラサラとくすぐったい。
誰も恨まず、やりたいを、やってみるって幸せだ。
私の声を聞くことを続けて、本当に良かった。


私はどうだろう?
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お読みいただき、ありがとうございました。私が学んだことや失敗、気づきなどについて綴っています。等身大の様子をお届けしていていくことで、誰かの「私もやってみようかな」のサポートになれたら幸いです。こーみぃ、がんばれ!のサポートもとても嬉しいです。