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生成AI読書術

はじめに

現代は情報が溢れていて、限られた時間の中で効率よく読書をするのが難しい時代です。特に、忙しい毎日の中で、どの本が自分にとって価値があるのかを事前に見極めるのは、意外と難しいものです。何冊も本を手に取ってみても、自分の知識レベルや興味に合った本を探し当てるのは一苦労。途中で放り出したり、思ったほど新しい発見が得られなかったりといった経験は、ボクに限らず多くの人が抱えている悩みではないでしょうか。
 
書評動画やAmazonのレビューを見て「この本は面白そうだ」と思っても、実際に読んでみると「期待とは違った」と感じることがよくあります。何冊もそんな本を手に取っては、「最初から自分に合った本が分かればどんなにいいか」と思ったことが何度もありました。
 
そんな中、ボクは生成AI、特にChatGPTの力に気づきました。生成AIにはいくつかの便利な機能があり、それをうまく読書に応用できるのではないかと考えたのです。
 
「要約機能」で本の要点を短時間で把握し、「問題応答機能」で興味のある部分について質問する。さらには、「検証機能」でボクとのやりとりを通じて、ボクの知識レベルを理解。その上でその本が本当に読む価値があるかを判断してくれる「評価分析機能」もあります。これらを使えば、「本当に読むべき本かどうか」を事前にチェックでき、無駄な時間を削減できるのではないかと思ったのです。
 
ボクが気づいたのは、この方法を使えば、「宣伝のみに力を入れた内容の薄い本」や、「口コミが良くても新しい知見を得られない本」を事前に排除できるということです。これによって、自分にとって本当に読む価値のある本だけに集中できるようになりました。
 
この「事前に生成AIを使って本のエッセンスを理解し、読む価値があるかを判断でき、読後には疑問点まで解消できる読書方法」を『生成AI読書術』と名付けました。読前/読後のための本の読み方、というよりアプローチではありますが、”読書術”と名付けました。実際の読書を含め、新しい読み方のスタイルを提唱できると考えたからです。
 
ボクのように多くの本に挑戦したいけれど時間がない人にとって、大きな助けになるはずです。この手法を使えば、事前に読むべきかを判断、あるいは、振り返りを通してより深い理解を得ることができます。現代の多忙な生活の中で、効率的かつ効果的な読書を実現するための新しい方法として、この読書術を皆さんにぜひお勧めしたいと思います。


生成AIの機能とその応用

生成AI読書術を発案するにあたり、ボクが注目したのは生成AIの強力な機能です。従来の読書では、一冊の本を最初から最後まで通読するのが一般的でしたが、忙しい現代ではそれが難しくなっています。
 
そこで、まず生成AIの要約機能を使い、本のエッセンスを短時間で把握し、読む価値があるかどうかを効率的に判断するようにしました。気になる部分については、質問応答機能を使ってさらに深掘りし、具体的な疑問を解消します。検証機能では、筆者の主張と自分の意見を比較し、第三者視点で評価します。最後に、評価分析機能を通じてボクの知識レベルや興味に合わせ、本の価値を総合的に評価することで、新たな知見が得られるかどうかを確認します。
 
読後においても、要約機能で全体を振り返り、質問応答機能検証機能を使って疑問点や意見の相違点を解決することで、まるで筆者と対話するような体験ができ、より深い理解を得ることができます。


要約機能

まず、生成AIの要約機能です。生成AIは膨大なテキストから主要なポイントを抽出し、わかりやすくまとめてくれます。これが非常に便利です。本を最初に要約してもらうことで、全体像を把握し、読むべきかどうかを判断する助けになります。
 
例えば、ビジネス書や自己啓発書など、重要なメッセージが章ごとに散りばめられている本では、生成AIに要約を依頼することで、重要な部分だけをピックアップできます。従来なら、最初から最後まで一字一句読んでいたところを、この機能を使えば、エッセンスだけを短時間で取り出すことができ、忙しい中でも効率よく本の内容を把握することができます。これにより、読書の時間を大幅に節約できます。 

質問応答機能

次に、生成AIの持つ質問応答機能です。これは要約を見て興味を持った部分や疑問に対して、さらに深掘りして情報を引き出すのに役立ちます。要約で「この部分が気になるな」と思った箇所があれば、AIに質問を投げかけて、「この主張はどういう意味?」や「この主張の裏付けは何?」などといった疑問に答えてもらうことができます。
 
例えば、ある本で「新しいマーケティング手法」が紹介されていたとして、その詳細が曖昧な場合、AIに「具体的にどう実践するのか?」と尋ねることで、さらに詳しい情報を引き出すことができます。事前に気になる点を解決してから読むかどうかを判断できるため、単なる要約にとどまらず、本当に読むべきかを決める際に非常に役立ちます。 

検証機能

生成AIの検証機能は、筆者の主張がどれほど論理的で具体的かを評価するために使います。読書を進める中で、「この主張、ボクの考えと違うな」と感じた場合、その違いをAIに伝えることで、AIが筆者の主張を第三者的な視点で評価してくれます。例えば、「この主張は本当に根拠があるのか?」や「筆者が示している具体例は信頼できるのか?」といった疑問にAIが答えることで、主張の信頼性や具体性を客観的に判断できます。
 
また、ボクの意見や視点に基づいてAIがコメントを返してくれるため、自分と筆者との間で生じた意見の相違点を明確にしながら、どの部分が重要かを冷静に見極めることが可能です。これにより、ただの読書ではなく、批判的かつ深い理解を促すサポートを得ることができます。

評価分析機能

最後に、生成AIの評価分析機能です。これは、ボクの知識レベルや興味に基づいて、その本が読む価値があるかどうかを判断するための機能です。ボクの質問や意見を通じて、AIはボクの知識や興味を把握し、その本がボクにとって簡単すぎるのか、難しすぎるのか、あるいは新しい知見を得られるのかを評価し、アドバイスしてくれます。
 
ボクの知識レベルや興味を理解してから、「ボクにとってこの本は読む価値がある」「ボクにとって新しい情報は得られない」と判断できるのは、生成AIならではの機能だと思います。


読後においても、同様に、要約機能で全体の振り返りを行い、質問応答機能では、よくわからなかった点や疑問に思った点について、検証機能では筆者とボクの意見の相違について、生成AIに筆者に成り代わって解説してもらうことができます。
 
このように、生成AIを活用することで、読書前の価値判断から読後の振り返りまで、効率的かつ充実した読書体験を提供する強力なツールが実現します。

従来の読書術との違い

生成AI読書術は、従来の読書術とは大きく異なり、本を読む前にその価値をAIを使って効率的に判断し、必要な情報を得られるかを把握する手法です。
 
従来の読書では、本を最初から最後まで通読し、後になって重要なポイントや全体像を理解することが多く、どうしても時間がかかります。この方法は多くの本を効率よく読むのには適していません。
 
一方で、生成AI読書術では、まずAIに要約を依頼し、本全体の概要を素早く把握します。そして、その内容が自分にとって価値があるかどうかを最初に判断します。さらに、興味がある部分や疑問点については質問応答や検証機能を使って本の深さ、充実度、密度、専門性を事前に確認できるのが大きなポイントです。
 
これにより、読むべきか、読むべきでないか、あるいは全体を読むべきか、部分的に読むべきかが事前にわかるため、時間を効率的に使えるのです。これによって、読後に残念に思う本を読んでしまうリスクが大幅に減らせることができるのが特徴です。

従来の読書術 vs. 生成AI読書術

従来の読書では、本を最初から最後まで読み進める中で、次第に重要な部分が見えてきますが、最後まで読まないと全体像や本当に必要な情報がわからないこともあります。そのため、読んだ後に「この本は本当に自分に必要だったのか?」と感じたり、時間を無駄にしたと感じることも少なくありません。特に、つまらない本や内容が薄い本を読んでしまったときの失望感は大きいものです。
 
一方、生成AI読書術では、最初にAIに要約を依頼し、全体像を把握した上で興味のある部分や疑問を深掘りして読むべきかどうかを事前に判断します。たとえば、ビジネス書で「マーケティング戦略」について知りたい場合、AIにその部分を要約させ、具体的な実践方法を質問することで、その情報が自分にとって有益かどうかを確認できます。
 
さらに、生成AIは筆者の主張がどれほど具体的か、また実際に根拠に基づいているかを検証し、単に情報を得るだけでなく、その信頼性や実用性も判断できます。これにより、本の専門性や情報の濃さ、斬新さ等を事前に把握し、読むべきか、読まないべきか、全体を読むべきか、部分だけ読むべきかを効率的に判断できます。

書評やYouTube書評との違い

生成AI読書術は、書評やYouTubeの書評動画とも大きく異なります。書評やレビューは他者の解釈やフィルターを通じた情報であり、その評価が自分にとって有益かどうかは必ずしも保証されていません。書評者が重要だと感じたポイントが自分にとっても重要とは限らず、逆に書評で触れられていない部分が、自分にとって価値ある情報である場合もあります。つまり、書評やレビューでは自分が本当に知りたい情報にたどり着くのが難しい場合があるのです。
 
生成AI読書術では、AIが自分の興味や疑問に基づいて事前に情報をチェックしてくれるため、他者のフィルターに左右されることなく、純粋に自分に必要な情報が得られるかどうかを判断できます。
 
たとえば、「この本に具体例が含まれているのか?」や「理論の実践的な応用方法はどうか?」といった疑問を事前にAIに質問し、その内容を確認できます。これにより、本当に読むべきかどうかを効率的に判断できます。

従来の読後まとめ vs. 生成AI読書術

従来の読後のまとめ方は、読書体験の重要な一部ですが、非常に時間がかかります。多くの場合、筆者の言葉や重要なポイントを自分で書き写しながら、ノートに整理していくことが主な方法です。特に、マーカーでハイライトした箇所を振り返りながら再確認し、それらを自分の考えと照らし合わせてまとめるのには時間と労力がかかります。
 
この作業自体には、確かに自分の思考を整理し、深く理解するためのメリットがありますが、実際には「書き写し」の作業に多くの時間を費やすことが多いのです。音声入力やデジタルツールを活用しても、要点を抽出し、重要なポイントを体系的にまとめる作業は手間がかかります。まとめ作業に集中しすぎて、肝心の思考の整理や自分の疑問点を探求する時間が短くなりがちです。
 
20代、30代のとき、読後まとめは、ボクもやっていました。この知識蓄積と思考の整理により今があるとは思います。でも、とてもとても時間がかかりました。今、生成AIが登場した現代であれば、もっとこの本質に注力すべきです。
 
一方、生成AI読書術では、AIが要約を担当し、自分で手作業でまとめる手間が大幅に軽減されます。生成AIがまず本の要点を自動で整理してくれるため、自分が手を加えるのは、その要約で足りない部分や追加の考えだけですみます。
 
たとえば、AIが80%ほどの内容を要約してくれれば、残り20%は自分で気づいたことや、深掘りしたい部分を付け加えるだけで済みます。このため、従来よりも圧倒的に効率よく、短時間で読後のまとめを完了させることができます。
 
また、疑問点についても生成AIが強力にサポートします。従来の方法では、疑問点や筆者との意見の違いについて自分なりに考えてノートに書き込みますが、生成AIを活用すれば、疑問点をAIに投げかけ、筆者に代わって回答を得ることができます。
 
たとえば、「筆者はAという主張をしているが、私はBの方が合理的だと思う」という場合、その根拠をAIに質問し、対話を進めることでより深い洞察を得ることができます。AIを活用することで、批判や建設的な思考を深め、筆者の視点と自分の視点を比較しながら、より明確な結論にたどり着くことができるのです。
 
さらに、生成AIは対話形式での「疑問解消」だけでなく、従来の方法では難しかった「第三者的な視点での評価」も提供してくれます。これにより、筆者と自分の意見の相違を冷静に分析し、どの点で意見が食い違うのか、あるいは筆者の主張に対してどの程度信頼を置けるのかを判断することができます。
 
このように、従来であれば自分で書き写すだけだった要点整理を、生成AIに任せて、自分が気づいた点や追加の疑問点をAIと対話しながら確認することで、より充実した読後のまとめができるでしょう。また、筆者になりかわったAIとの対話を通じて「本の意図をより深く理解する」という新たな読書スタイルが実現します。これは生成AI読書術にしかできない大きな強みになります。

生成AI読書術のメリットとデメリット

生成AI読書術は、従来の読書と比べて効率的に本の内容を把握し、事前に読むべきかどうかを判断するための革新的なアプローチ手法です。この読書術は、多くのメリットを提供する一方で、いくつかのデメリットも存在します。ここでは、この手法が持つ具体的な利点と課題について詳しく説明します。

メリット

時間の節約と効率的な読書

生成AI読書術の最大のメリットは、短時間で本の全体像を把握し、読むべき本かどうかを効率的に判断できる点です。従来の読書では、本を一冊通読するのにかなりの時間がかかったにもかかわらず、「期待とは違った」ということもある頻繁ではないかもしれませんが、それなりにあります。
 
しかし、生成AIを活用すれば、まず要約を通じて全体像を素早く掴み、読むかどうかを決めることができます。また、興味がある部分に焦点を当てて深掘りすることで、読むべき部分を厳選することができ、時間の浪費を防ぐことが可能です。

自分に合わせたカスタマイズされた読書

従来の書評やレビューは他人の視点を基にしており、自分の興味や知識に合わない可能性もあります。一方で、生成AI読書術のアプローチを行えば、自分の興味や疑問に基づき、個別にカスタマイズされた情報を提供してくれます。
 
例えば、ビジネス書で特定の理論や方法について詳しく知りたい場合、その部分に関する追加の質問をAIに投げかけることで、自分にとって有益な内容かどうかを事前に確認できます。これにより、他人の解釈に依存せず、純粋に自分のニーズに応じた読書体験が可能かを判断できます。

深い理解を得るためのサポート

生成AI読書術では、単なる要約だけでなく、筆者の主張や事例を深掘りして確認することも可能です。AIに質問を投げかけることで、「この章の主張はどんな根拠に基づいているのか?」といった具体的な疑問を解消し、筆者の意図をより深く理解することができます。さらに、読後に気になる部分についてもAIに質問することで、筆者の考えと自分の意見を比較し、批判的な視点からも深い洞察を得ることが可能です。

デメリット

小説やフィクション作品には不向き

生成AI読書術は主にビジネス書や実用書に適しています。小説などのフィクション作品には向いていません。AIが物語の要点や結末を先に要約してしまうため、物語の展開や予想外の結末を楽しむという小説の醍醐味を失う可能性があります。特に、ミステリーやサスペンスのような展開が鍵となるジャンルでは、この読書術は不向きです。ただし、読後にキャラクターの動機やストーリーの理解を深める目的で生成AI読書術を行うことは有効かもしれません。

読書の代替手段ではない

生成AI読書術は、読書の補助的なツールであり、読書自体を代替するものではありません。AIは本の要点を要約し、読むべきかどうかを判断する手助けをしますが、最終的に深い理解を得るには自分で本を読むことが有効です。特に、細かなニュアンスや筆者の意図を正確に理解するためには、通読が不可欠な場合もあります。AIはそのプロセスを効率化する手段であり、読書そのものの楽しさや深みを置き換えるものではありません。

バイアスリスク

生成AI読書術は効率的な読書を可能にする一方、AIの要約や評価を事前に確認することで、純粋な読書体験にバイアスがかかるリスクがあります。つまり、AIが提供する要約や分析に影響を受けてしまうことで、自分本来の視点が歪められてしまう可能性があります。AIの情報を過信すると、自分自身の判断力や独自の洞察力も損なわれるリスクあります。そのため、最終的な結論や深い理解を得るためには、自分自身の視点で本を評価し、判断することが重要です。
 
このように、生成AI読書術のメリットを活かす一方で、そのデメリットも理解し、自分の読書スタイルや目的に応じて使い分けることが、効果的な読書体験を得るための鍵となります。

生成AI読書術の具体的なプロセス

生成AI読書術を実践するためには、いくつかのステップを踏む必要があります。このプロセスでは、前述したAIの機能を効果的に活用し、時間を大幅に節約しながら本の価値を事前に評価し、読後に深い理解を得ることができます。以下に、生成AIを使った具体的な手順を説明します。

ステップ1:本を選び、テキスト化する

最初に、読みたい本を選びます。紙の本の場合はスキャンして**OCR(光学文字認識)**技術を使ってテキスト化する必要があります。電子書籍は直接AIに読み込ませることができる場合もありますが、著作権の制約から画面キャプチャを撮り、それをOCRで処理してテキスト化する必要があるでしょう。こうしてAIが本の内容を解析できる形式にします
 
本をテキスト化した後は、AIにこの本のテキストファイルを添付し、「この本の概要を教えて」と指示し、要約を依頼します。生成AIは本全体を分析し、重要なポイントを抽出して要約を作成します。この要約を基に本の概要を把握することで、全ページを最初から読む必要がなくなり、その本が自分にとって価値があるかどうかを効率的に判断できます。

ステップ2:要約を確認し、興味のある部分を抽出する

生成AIが作成した要約を確認し、興味のある部分や重要と思われる部分を特定します。この段階では、要約を読むだけでなく、具体的なテーマや理論、実例についてさらに深掘りし確認したい点をAIに質問して情報を引き出します。
 
たとえば、ビジネス書で「マーケティング戦略」に興味がある場合、「この部分をもっと詳しく教えて」や「具体的な実践例を挙げて」とAIに質問し、関連する情報を深く理解することができます。これにより、自分の関心や知識ニーズに合致した内容かどうかを確認し、本が自分にとって読む価値があるかを判断します。

ステップ3:主張の検証と具体性の確認

生成AI読書術の最大の強みは、筆者の主張や理論の具体性を検証できる点です。要約や詳細な情報を基に、内容の信頼性や具体性をAIに確認します。「この理論の具体的な根拠は何か?」「成功事例はあるか?」といった質問をAIに投げかけ、曖昧な箇所や論理的な弱点を洗い出し、筆者の主張を客観的に評価できます。
 
特に、ビジネス書や自己啓発書では、理論の再現性や実行可能性が重要です。AIを使って具体例があるか、再現性のある実例が含まれているかを確認し、その本が実用的な価値を持つかどうかを見極めることができます。もし筆者の主張が自分の考えと異なる場合、その論拠をAIに確認することで、論理性や専門性を冷静に判断することができます。

ステップ4:読むべきかどうかを判断

AIとのやり取りを通じて、要約と主張の具体性を確認した後、その本を読むべきかどうかを判断します。この段階では、AIが自分の知識レベルや興味に基づき、本が新しい視点を提供してくれるか、簡単すぎるのか、難しすぎるのかを評価してくれます。その結果、読むべき本かどうかを冷静に判断できます。
 
場合によっては、特定の章やテーマのみ有益で、それ以外は読まなくても良いと判断することもあります。AIは、このような判断に基づいて、読むべき部分を的確に提案してくれるため、読書時間を効率的に使うことができます。

ステップ5:読後の振り返りと疑問点の解消

本を読んだ後も、生成AIを活用して読後の振り返りを行います。AIが再度要点を整理し、読書中に残った疑問や曖昧な部分を再確認することができます。「筆者の主張と自分の意見の相違は何か?」や「他に具体的な実例はないか?」といった質問をAIに投げかけ、筆者の視点と自分の考えを比較し、より深い理解を得ることが可能です。

生成AI読書術は、単なる読書の効率化ツールとしてだけでなく、読書の前後をサポートし、深い洞察や新しい発見をもたらす強力な手法です。時間を無駄にせず、重要な情報にフォーカスしながら、最も効果的な読書が可能になります。また、AIを活用することで、筆者の主張を検証し、具体的な事例や根拠を確認することができ、従来の読書術では得られなかった新たな理解が得られます。
 
ただし、これは読書そのものを代替するものではなく、あくまで補助的なツールです。自分自身の視点や批判的な思考力を持ちながら、この手法を適切に活用することで、より充実した読書体験を得ることができるでしょう。

実際の「生成AI読書術」例

ここでは、実際にボクが行った「生成AI読書術」の具体例をお見せします。ボクはこの読書術を効率的に進めるために、ChatGPTを活用したGPTs「あなたの書籍アドバイザー」を作成し、このツールを使用しています。この記事を読んでいる皆さんも、このツールを試せるように設定してあるので、ぜひ活用してみてください。

今回使用した書籍については、あえて書籍名を伏字にします。というのも、この読書術はあくまでボクにとって有効な本かどうかを判断するための手法であり、他の方にとって同じ価値を持つとは限らないからです。また、この書籍に対して特定の評価を行うことが目的ではないため、書籍タイトルは伏せて進めていきます。

言語化に関する本

本書の主要部分を要約してくれています。「1. 言語化の重要性」「3. 言語化がもたらす効果」「4. 言語化の不足による問題」は当たり前のことで、本を読む価値を感じません。しかし、「2. 言語化の技術」の「P-IDAの4法則」は初めて見る内容なので興味があります。そこでChatGPTに「詳しく教えて」と聞いてみます。

「P-IDAの4法則」のフレームワーク自体は理解できましたが、言語化する際にいちいちこのことを意識するのはかなりハードルが高いと感じます。この後、筆者の実践的なアドバイスを聞きました。(中略)

ChatGPTの回答は、おおまかに言うと、”抽象から具体の練習”だったので、「言語化の前に論理的思考能力を鍛える必要があるんじゃない?」とボクの素直な感想を伝えます。

(中略)
この後、この本の具体的アプローチ法が示されたのですが、具体性に欠けるのかな、と思ったのでChatGPT(筆者の代理)とやりとりしてます。そして最後に「この本をボクが読む価値ありますか?」と質問してます。

このように本を読む前に筆者のなり代わりであるChatGPTと議論を戦わせ、一連のやり取りを通して読むべき価値があるかを判断してもらえます。

ちなみにボクはこの本は読む必要ないかな、と思っています。論理的思考能力を付けたいと思っている人が、多く読む中の一冊なのかなと思います。

タイパに関する本

抽象的すぎてわからないので、この後、具体的にどのようなことに注意して実施すればいいと言っているか聞いてみました。

すると、ChatGPT(筆者の代理)は、当たり前の回答をしてきたので、「当たり前すぎる回答ですね」とボクはコメントしました。すると、「重要なのは、それらをどれだけ一貫して実践できるかという点」だとの回答。。堂々巡りなので、筆者ならではの目新しい方法が紹介されていなか確認。すると、

と、回答。思わず、「当たり前」とまたもやコメントしてしまいます。この後も少々やり取りをしたのですが、目新しいフィードバックがないので、オススメ度を聞いてみました。

「結論として、既に高いタイムマネジメントスキルをお持ちのあなたにとっては、必ずしも読む価値が高いとは言えないかもしれません。」
まーそうなりますねw

行動科学に関する本


この本は「ダメな習慣を環境を変えることで改善」するという行動科学について書かれているようです。行動科学については、10年以上前にフォレスト出版で書かれた本で読んだ記憶、もっというと、ノートにまとめまくった記憶があります。確か、○○✕✕という著者の方だったような。

自分の本棚ならぬ、書籍フォルダで”○○✕✕”で検索すると、一件PDFファイルがヒットしました。よく覚えてましたね!

だいぶ前に読んだ本ですが、いいことにOCR処理がなされています。本文をコピペして、テキストファイルにします。そして、それをChatGPTに添付、「この本と同じような内容でしょうか?」と質問します。すると、

赤スミが新たに添付した本

読むかどうか確認した本と前に読んだ本の比較まで行ってくれます。前に読んだ本も含め、行動科学について知りたくなったら、読もうと思えました。

競争戦略に関する本

この本に関しては半分ぐらい3倍速で聴く読書をしていたのですが、内容についてちょっとモヤモヤしていました。いろいろな競争戦略アプローチを説明しているのですが、それらが独立されて語られているように感じていたからです。また、ある競争戦略アプローチはこのケースで当てはまったと、さもそのアプローチのみが個別ケースで有効であるように語られているのに違和感を覚えました。

そこで、読後(読中?)の生成AI読書術です。AI(ChatGPT)に内容要約してもらいました。が、やはりよくわかりません。そして禁断の質問「結局、この筆者は何がいいと言っているの?」と直球の質問です。筆者に質問するのは失礼ですが、筆者の成り代わりのChatGPTに対してはズバズバと聞けます。

回答を得ても、モヤモヤが収まりません。ChatGPTに第三者的に評価してもらうために、ボクが行っている競争戦略アプローチを音声で入力していきます。音声で入力することで、思考の断絶なく、思っていることを入力できます。

何度もチャットを繰り返しているうちに、ボクの知識レベルも理解してくれます。そうなると、こういった質問をしてみたくなります。

「ボクはこのような方法を実践していて、ある程度の知識を持っていると思いますが、この本は新たな発見を与えてくれるでしょうか?『絶対に読むべき』、『読んだ方がいい』、『時間があれば読むといい』、『読む必要はない』のどれかでアドバイスをお願いします。

すると、こんな答えが返ってきました。

はい、もうこれ以上読みませんw

まとめ

いかがだったでしょうか。このように「生成AI読書術」は、効率的かつ効果的に読書を行うための新しい手法です。従来の読書では、本を最初から最後まで通読して内容を理解するのに多くの時間を要し、その結果「読む価値はなかった」と感じることあったと思います。

しかし、生成AI読書術を活用すれば、要約、質問応答、検証機能を通じて、本を読む前にその価値を判断でき、既知の知識だらけの本や、新たな知見が得られそうにない本を無駄に読むことがなくなります。新たな知見を得られる本のみを読むことができるようになります。

さらに、生成AI読書術は読後の振り返りにも役立ちます。疑問点をAIに問いかけることで、筆者の意図をより深く理解したり、自分の意見と比較しながら批判的に考えることができるため、単なる情報の取得を超えた「対話型の読書体験」を実現します。

身近になった生成AIを是非読書習慣にも取り入れてみて下さい!

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