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葵さんのチャリ #捨てられないモノ語り vol.3

今回の語り手は、自転車を処分したいという葵さん。一人では億劫でなかなか捨てられなかったのだとか。入手してから一度も乗っていないというが、その訳とは。
聞き手:コムロマホ 撮影:ミネオハルキ

コムロ(以下コ):いつから持ってたんですか?
葵さん(以下葵):今の家に引っ越した時だから…3年くらい前です!遠藤さんっていう、バイト時代からお世話になってる大工さんに引っ越し手伝ってもらって。チャリ欲しいって話をしたら、娘さんが使わなくなったのがあるって言われて、3000円で売ってもらったの。

YAMAHAの電動自転車。小柄な葵さんには少し大きめ?

:譲ってもらったんじゃなくて、買ったんだ!
:引っ越したし、いろんな場所にチャリで行くと思ってたから。でも実際チャリで行くような場所もなくて、全部歩いて行けるから…
:一度も乗らず?
:うん。ていうのも、カギが刺さらなくて(笑) クレ556買って滑りよくしてみたんだけど(※本来カギ穴にクレ556はNG。油とホコリが混ざって故障の原因に)それでもできなくて。で、遠藤さん呼んだの。
:それだけのために新居まで(笑) 結構遠いですよね。
:そう、わざわざ来てくれた。そしたら「これ違うカギだよ。そもそもこのチャリのカギじゃない」って言われて、え!?って。じゃあどこ行ったんだろうね~ってそれきりで。
カギさえあれば乗ってたから、こんなに汚くなってなかった。だから捨てることもなかったよ。

駐輪場の屋根では雨風が防ぎ切れず、後輪側がボロボロに

:カギ交換しないんですか?
:もう…もういい(笑) すごく汚くなってるから捨てたい。もらった時はこんなんじゃなかったんだよ。雨ざらしだったからほんとにサビだらけ。知らないうちに反射材無くなってるし… これ遠藤さんには見せないでください…。

ハルキ:他の自転車はバッテリー外してるね、盗まれるから。葵ちゃんつけっぱなしじゃん!
:え、盗まれてない!ボロボロすぎて。
:盗む人の目にも入ってないんだ。

捨て方がよく分からないのと、カギがないこともあり、一人では処分するに至らなかったという。今回コムロとハルキも手伝って、自転車屋さんに持ち込んでみることにした。

:こんなボロイやつ…引き取ってもらえるかな~。
処分するならマンションのシールはがしとこう。防犯登録のシールってどうしたらいいのかな。もらった時に名義変えてなくてさ。
:でもシールはがすのも不自然ですよね。
:無いと、これホントにあなたのですか?ってなるもんね。
:10年たつと防犯登録が抹消されるらしいですよ(※東京都の場合)。とりあえずそのまま持って行ってみましょう。

後輪を持ち上げて運ぶ。これが意外と重い

:ボロボロだし、鍵ないし…(笑) めちゃくちゃ人に見られてますね。
:3人で運んでるなんて不審すぎる。みんな見ないでください~!!

3人でポジションを交代しながら運び、自転車屋さんに到着。葵さんが店員さんに声をかけると、スムーズに奥へ通され、4~5分で戻って来た。結果は…!?

:1500円で引き取ってもらえた!
:よかったですね! 防犯登録の件は…?
:人からもらったって言ったら、なんか大丈夫だった。
:心配して損した(笑) カギがないとかボロボロとか…
:言ってない。店員さんも全然チャリの状態見てないよ。書類書いただけでOKだった。こんなあっさり……なんかさみしい~~


あんなにデカい自転車が、3年間の悩み事が、こんなにあっけなく片付いてしまうとは予想外。カギの無い自転車を、あの後店員さんがどう運んだのかは考えないでおくことにした。

身バレ防止のため、地名が書かれた看板を隠す葵さん

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