【12/9-10開催】 #漫画家ミライ会議 2021 の各セッションに込めた想い
こんにちは。ナンバーナイン、取締役CXOの小禄です。
早いもので今年も残すところ後一月と半分。気がつけば2022年の背中が見えてきましたが、皆さんにとって2021年はどんな一年でしたでしょうか?
ナンバーナインの2021年は、おかげさまでデジタル配信サービスの利用者様が1300名を超え、サービス開始から3年で漫画家さんへの印税還元総額も3億円を突破することができました(2021年10月末時点)。
そんなナンバーナインの年末といえば、昨年はじめて開催した無料オンライントークイベント「漫画家ミライ会議」ですね。ということで…
「漫画家ミライ会議2021」開催します
ナンバーナインの成長があるのは、漫画家さんのおかげ。そして漫画業界の成長を牽引するのは、漫画家さんが生み出す作品たち。
そう考えた時に、
「漫画業界関係者向けのトレンドやニュースを発信するイベントは多くあるけど、漫画家のための情報が集まる場所ってそんなに多くない?」
そんな素朴な疑問から生まれたのが漫画家ミライ会議を、今年も開催いたします。
赤松健さんや末次由紀さん、畑健二郎さんといった商業誌の一線で活躍されている方々をはじめ、かっぴーさんや根田啓史さん、地球のお魚ぽんちゃんさんなど、ボーダーレスに活躍されている漫画家さんたちの登壇で、昨年大盛況のうちに終わった本イベント。
今年は漫画家だけでなく、TikTokerやデザイナー、編集者など、少し裾野を広げる形で登壇いただく方やセッションを構成いたしました。
そこでこのnoteでは、今回のセッションをなぜ作ったのか、どんなセッションにしたいのかについて、一つ一つを解説していきたいと思います。
DAY1-1: 【小林琢磨×中村公彦】 コロナとコミティア
今年のオープニングを飾るのは、オリジナルオンリーの自主制作漫画誌展示即売会・コミティアを運営するコミティア実行委員の代表・中村公彦さんと弊社代表・小林のセッション「コロナとコミティア」です。
巣ごもり需要で電子書籍市場の急進に一役を買ったといわれる新型コロナウイルスですが、一方でコミティアを始めとするリアルイベントには多大なダメージを与えました。しかしながら、「この未曾有の事態を受けて、改めてコミティアや同人即売会の良さに気づけた」と中村さんは言います。
本セッションでは、そんなコロナがコミティアに与えた影響について触れつつ、同人誌とデジタルの関係性や、未曾有の事態を通して改めて感じたコミティア、ひいては同人即売会というコミュニティの本質的な価値について考えられればと思っています。
DAY1-2: 【もつもつ×ヒロユキ】 TikTok売れと漫画
2セッション目のテーマは、ズバリ「TikTok売れ」。先日、日経トレンディさんが発表した「2021年ヒット商品ベスト30」において堂々の1位を獲得した「TikTok売れ」。商品ではないというツッコミはさておいて、このTikTok売れ、漫画業界でも大きく注目を集めています。
そこで、漫画紹介TikTokerとして19万人以上のフォロワーを抱えるもつもつさんと、累計100万部超えのラブコメ漫画『カノジョも彼女』(講談社)作者のヒロユキさんに登壇いただきお話ししていただきます。TikTokに興味を持つ漫画家さんだけでなく、TikTokプロモーションに興味のある業界関係者の方々にもぜひ視聴ください。どんなお話が飛び出すのか私も楽しみです。
DAY1-3: 【八木戸マト×かめみずとら】 Twitter漫画のヒットは作れるのか?〜アクセルナイン中間報告会〜
3つ目のセッションは、弊社が取り組む漫画家養成プログラム「アクセルナイン」で目標にしている「Twitterで売れる漫画をつくる」というMISSIONの途中経過報告を行います。
登壇いただくのは、プログラムを共同開発してくださっている漫画家で、『
300年封印されし邪龍ちゃんと友達になりました』(講談社)がマガポケで絶賛連載中の八木戸マトさんと、プログラム参加者(プレーヤー)である漫画家のかめみずとらさん。今年の8月にプログラム開始してから4ヶ月が経ち、開始時のTwitterフォロワーが600人ほどだったかめみずさんは、現在2万7000人以上まで成長した、期待の漫画家さんです。
はたしてTwitter漫画で稼げる人は育てられるのか!そんな実験的プログラムの状況が気になる方は、ぜひチェックしてみてください。
DAY1-4: 【魚豊×千代田修平】 漫画家と編集者の幸せな関係
一日目のラストを飾るのは、週刊ビッグコミックスピリッツ(小学館)にて大人気連載中の、地動説をテーマにした漫画『チ。ー地球の運動についてー』を生み出す漫画家・魚豊さんと、担当編集である千代田修平さんにご登壇いただきます。
本セッションでは、ヒット漫画をつくるお二人がどんな風に出会い、打ち合わせを行い、物語を生み出し、ヒットさせているのかを伺いながら、漫画家と編集者のいい関係性とは何かについて考えたいと思っています。
漫画家と編集者の関係は一期一会。いい出会いもあれば、そうでない出会いもあります。しかし、ネガティブな情報は注目を集めやすく、漫画家と編集者のトラブルはTwitter上で目にする機会は少なくありません。漫画家さんや編集者さんとのコンビに悩んでいる方に、ぜひ見ていただきたいです。
DAY2-1: がんばりすぎない漫画家のあり方
二日目のトップバッターは、『マジで付き合う15分前』(KADOKAWA)のPericoさんと、『幸せカナコの殺し屋生活』(星海社)の若林稔弥さんのお二人に登壇いただきます。若林さんは昨年も登壇いただき、唯一の2年連続ご出演です。いつも本当にありがとうございます。
なかなかテーマが決まらずチャットグループでお二人とやり取りしていた時に出たのが、「若い頃は漫画に人生を賭けるって考えていたけど最近は人生の中に漫画があるって考えている」というお話でした。
要するに、100万部のヒットや1000万部の大ヒットを目指すだけでなく、無理して上を目指さなくても生活に困らないレベルで稼げるような漫画家でありたいと思う人が増えてきているのではないか、と。時代が平成から令和へ移行し、あらゆる価値観がアップデートされようとする中で、とても良いテーマだなと。お二人がどんなお話をするのか、これからもう楽しみです。
DAY2-2: 漫画家の知らない表紙デザインの世界
漫画家さんが生み出した作品の世界観や表紙で表現したいコンセプトなどを吸い上げ、咀嚼し、アウトプットする。紙の本の場合、表表紙だけでなく背表紙や裏表紙、さらにはカバー裏の表紙などを含めて作品の魅力が伝わるように綿密に設計されます。
そんな表紙デザイン(装丁デザイン)を担当するデザイナーさんたちの頭の中はどうなっているのでしょうか。このセッションでは、漫画家さんもあまり触れる機会のないであろう表紙デザインの考え方について、アートディレクターでデザイナーの白川(円と球)さんにお話を伺います。
今回はそれだけでなく、彼女が表紙デザインを担当する漫画『海が走るエンドロール』(秋田書店)の作者・たらちねジョンさんと担当編集の山本さんにも登壇いただき、『海が走るエンドロール』の表紙デザインプロセスについてもお話を伺えることになりました。
皆さんで一緒に、奥深い表紙デザインの世界に誘われましょう。
DAY2-3: 韓国WEBTOONの制作現場最前線
漫画業界のミライを考えるにあたって避けて通れないのが、WEBTOONです。日本でも、いくつかの企業がWEBTOONプラットフォームの立ち上げを予定していたり、WEBTOON制作スタジオが各所で立ち上がったり、いよいよ2022年は国産WEBTOON作品が多数登場することでしょう。
そこで漫画家ミライ会議では、WEBTOONの本場である韓国と中継をつなぎ、韓国のWEBTOONスタジオ・COPIN COMUNICATIONSに所属し、ピッコマのSMARTOON総合ランキングTOP30にランクインする人気作品『皇女、反逆者に刻印する』を制作するプロデューサーと原画家のお二人に、韓国WEBTOONの制作現場についてお話を伺います。
また、COPIN COMUNICATIONSの日本法人代表であり、漫画編集者としてcomico時代よりWEBTOON制作に関わる花宮麻衣さんにも登壇いただくため、韓国だけでなく日本の制作現場のいまにも触れてみたいと思います。
韓国WEBTOONの最前線を知る貴重な機会を、お見逃しなく。
DAY2-4: 超創作論
漫画家ミライ会議のトリを飾るのは、累計発行部数2400万部(既刊23巻)の『ワンパンマン』(集英社)の作画を担当する村田雄介さんと、同9600万部(既刊132巻)の『はじめの一歩』(講談社)作者の森川ジョージさんによるトークセッションです。
これはもう、何と言いますか、何も言う必要がないくらいにすごいセッションです。すごいとしか言いようがありません。これからお打ち合わせを行いますが、超一流の漫画家さんの言葉に触れることで、新人の漫画家さんたちに大いなる刺激を与えられるようなセッションにしたいと思います。皆さんで一緒に、漫画、そして漫画家さんの素晴らしさを一緒に感じましょう。
大漫画時代を生き抜くヒントは、ここにある
以上が、今回お届けする漫画家ミライ会議2021の全セッション解説です。今年の司会進行も、ナンバーナインのメンバーで担当します。
聞いてみたいセッションはありましたか?もし少しでも興味をお持ちいただけたら、ぜひ以下ボタンを押してZoomウェビナー上で事前登録をお願いいたします。
昨年はじめて開催した時も書いたのですが、漫画家ミライ会議は、決まった正解を提示するようなトークイベントではありません。
今回ご登壇頂く方々がお話される内容は、あくまでそれぞれの経験からたどり着いた境地であり、全員に当てはまる内容ではないということはご理解ください。
それでも、激動の漫画業界の最前線で活躍されている方々の経験に基づく言葉には、漫画家として生き抜くヒントがあるはずです。本イベントを通して、少しでも多くの漫画家さん、そして漫画に関わる方々のミライが良い方向へ向かうお手伝いができることを期待しています。
執筆: タクヤコロク(ナンバーナインCXO)
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