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『サンデー毎日』 表紙デザイン考察 〈中編〉

中編は高度成長真っ只中、60年代、70年代のサンデー毎日表紙デザインの変遷を見ていきます。
表紙のモデル、デザイナー、アートディレクター(AD)、撮影者に関してはわかる限り記載してあります。

前編
https://note.mu/no4ko4/n/nd8142dfad5bf

サンデー毎日(サンデーまいにち)は、毎日新聞出版発行の週刊誌。1922年(大正11年)に週刊朝日と並んで最も早く創刊され、日本の週刊誌の老舗となっている。発行部数11万部はSPA!に次いで業界第11位※。

※ 発行部数については、年月によって変わるので最新のものはこちら
https://www.j-magazine.or.jp/magdata.html

1966年

昭和41年10月16日発行

写真:東 康生
前編の最後、1964年号とあまり変わりませんが、斜めに帯が入るようになりました。余談ですが、この表紙を見てローリングストーンズの「Black & Blue」もしくはユニコーンの「パニックアタック」(もしくは「服部」)を思い出してしまったのでとてもロックな表紙だと思います。

1968年

昭和43年11月24日発行

リチャード・ニクソン(第37代米国大統領)、写真:青野義一
赤い枠がつきました。日付箇所、黒い面も現れて海外の雑誌のような濃厚な存在感になりました。

1970年

昭和45年11月29日発行

写真:「米空母に突入する特攻機」米国務省所蔵写真
さらっと一つ前の印象に近いデザインに。

1972年

昭和47年1月23日発行

写真:大須賀興喜屹、構成:牧とらを
画像下部、顔の鼻周りが汚くてごめんなさい。
ここ前回、前々回、前前々回のデザインをブラッシュアップして到達したデザインに。写真もサングラスに写真を合成して凝っていますね。

1978年

昭和53年1月29日発行

モデル:あべ静江、写真:吉川秀子、構成:牧とらお(「を」→「お」に改名?)
突然変異、とてもカラフルで大衆的なデザインに。写真もなんだか生々しい艶やかな感じが・・・内容的にも方向転換したんでしょうか。ゴシップ誌のような印象です。印刷技術、写植技術が進んで書体などの選択肢も増えたのでしょうか。・・・でもすごく違和感があります。
特筆すべきは題字(雑誌タイトル)上に見出しコピーが入ったことでしょう(語呂あわせ おなかもよじれる「英語川柳」)。
価格も1972年から6年で2倍(90円から180円)になっています。

1979年

昭和54年10月28日発行

モデル:ジュリー・シィリマン、写真:浅井慎平、AD/デザイン:渡辺かをる
さらに突然変異、モダンでスタイリッシュにイメチェン。
ゴシップ誌からファッション誌に変わってしまったかのような印象。
文字が一文字ずつ斜体になってたりしてセンスはとても好きなんですが・・・こちらはこちらでイメージと違うような・・・
ビジュアル&インタビュー中心のカルチャー誌とかだったらいいと思うのですが、うーんどうでしょうぅ。
ポップ・ミュージックの世界だとニューウェーブが盛り上がっていた頃なので、アーティスティックでアバンギャルドものが求められていたのでしょうか。

1979年

昭和54年11月25日発行

モデル:高橋明美 写真:浅井慎平
おそらく一つ前のスタイリッシュなデザイン期はすぐに終わってしまったようで(おそらく1、2ヶ月)、比較的硬派な表紙デザインに。
コピーが横で目次のように並んでいるのが印象的ですね。

まとめ

印刷技術の向上、書体の自由度が上がり取り上げた15年間でデザインの質感が大きく変わった様子が見れたのではないでしょうか。1979年とても短い間に大きくデザイン変更が繰り返されたのはとても興味深いですね。


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