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QC検定1級の講師がばらつきを50%低減する「動特性のパラメータ設計」の簡単な実践方法を解説【初心者向け】

「繰り返す品質不具合から開放されたい」

「トライ&エラーの開発から脱却したい」

「外乱(ノイズ)の影響が強すぎる」

そんな悩みを抱えていませんか? 安心してください。QC検定1級で統計的品質管理の講師をしている私、平本がその悩みを解決します。

✓本書の内容
ばらつき低減に直結する「実用性の高い統計手法(動特性のパラメータ設計)」の”簡単な実践方法”を解説します。

おそらくこの記事を読んでくれているあなたは、多少なりとも統計手法によるばらつき低減に興味を持っているかと思います。

私が15年以上、製造業で勤務してきた経験からすると
実務で統計手法の活用を検討できる人は、思考停止でムダな実験・開発を繰り返す人より、ずっと向上心や業務効率化への意識が高い方です。

「動特性のパラメータ設計」はタグチメソッドとも呼ばれる手法。例えば気温・湿度の変化や材料成分の変化、ユーザーの使い方など、制御できない「外乱(ノイズ)によるばらつき」に強いパラメータ設定を実現できる所が最大の魅力です。
(※パラメータとは製品諸元や生産条件、設備条件などエンジニアが自由に設定できる項目のこと)

「動特性のパラメータ設計」を手計算やエクセルで実施していた時代はとても困難でしたが、今は無料の統計解析ソフトを使うことで、”どなたでも簡単に”実践することができます。

また、名前に”設計”と入っていますが、製品設計だけでなく、生産技術、品質管理など”ばらつき”が問題となる幅広い場面で活用できる手法です。

本書は「完全なる初心者」さん向けに無料の統計解析ソフトを使った実践手順を27枚の画像で1ステップごとに丁寧に解説しました。ばらつきにお悩みの方は、3,500文字以上の無料部分を読んで頂くだけでも役に立つはず。

あらためて自己紹介をさせていただくと、本書を書いている私は、国内メーカー(東証プライム)で勤務するエンジニアで、QC検定対策や統計的品質管理の講師を本業としています。

元々は工場に生産設備を導入するエンジニアでしたが、品質向上に役立つ統計手法の素晴らしさに惚れて、先生に学びながら実践を進め、現在は統計手法の講師を業務としています。

なお、保有しているQC検定1級は年間の受験者が約2,000人、合格率は約5%(100人)という非常に厳しい検定。
1級合格者の中で業務での実践方法を発信している人はほとんどいませんが、私の場合はブログで全て公開しています。これが本書の信頼性です。


✓金額:980円
一般的な専門書に比べて格安の値段設定にしています。

なお980円という費用は「本書のノウハウ利用で”余裕で回収できる”」と思っています。この点ついて詳しくは、次の項目(想定読者)の部分をご覧ください。

✓想定読者
・4因子以上の組み合わせ実験で”パラメータ設定”を行う予定の製造業エンジニア

基本的には「直近で実験を行う予定がある人」を対象としています。
なお、「統計学を勉強中の学生・3因子以下の実験を計画中の人」は想定読者ではありません。

製造業に勤めるエンジニア(具体的には開発者・設計者・生産技術者・品質管理者など)で、品質向上やパラメータ最適化を目的とした”4因子以上の組み合わせ実験”を計画中の人が想定読者です。

その理由としては、「企業に勤めている方なら、本書を買ったとしても、ノウハウを利用する事で、本書の代金を”ばらつき低減による品質向上効果”で回収できるから」です。

要するに、「経費を使って実験をする予定がある→本書を買う→ノウハウを利用する→ばらつきが低減される→品質不具合によって失われるお金・時間が削減される→書籍代金が回収できる」という図式です。

仮に製品原価が100円として、本書のノウハウで10個の廃却不具合を防ぐことができれば、それで元は取れます。もしそれ以上の効果が出れば、どんどん費用対効果は高くなります。

また、品質不具合によって削られるあなたの時間と心を考えれば、むしろお金以上の価値があると考えています。

✓購入前の注意点:ちゃんと動ける人限定
ぶっちゃけ、本書の通りに作業すれば、ほぼ確実にばらつきは低減できます。

私自身は「統計手法でばらつきが減らせると聞く→参考書を買うがやり方がわからず挫折→しばらく放置→先生から解析ソフトと実践方法を学ぶ→業務で実践成功」という感じでして、ぶっちゃけ不足していたのは「実践方法」でした。

QCを学ぶ以前の私は正にこちらの「悪魔のサイクル」にハマった状態。

なので、現状を変えるにはまず第一に「実践」が必須なのですが、その過程で学んだ「実務に適用するための知識」を詰め込んでいます。

一般的な専門書は手法の解説はあっても、解析ソフトの紹介や、使い方、実務への適用方法までは書かれていません。

動けば”ばらつき”は減らせます。
なのでちゃんと実践できる人だけの購入でお願いします!ばらつきが減らせると、仕事の難易度が下がるので、個人的にはオススメですね(^-^)

✓もくじ
1.ばらつきを約2分の1に減らした事例の紹介
2.実務に適した統計手法「動特性のパラメータ設計」
3.「動特性のパラメータ設計」の具体的なやり方。
4.結果の解析方法。解析結果の見方。
5.Q&A:いただいた質問に答えます

■1.ばらつきを2分の1に減らした事例の紹介

まずは動特性のパラメータ設計とはどんな手法なのかを知っていただきたいので、一般公開されている論文を使って解説します。

ばらつきを約2分の1に低減しているのが下記リンク先の論文でして、実験手法はもちろん「動特性のパラメータ設計」です。

≫紙で簡単に実験した冷却システムのパラメータ設計   (草野秀昭 他4名)

「論文なんて読みたくない!」っていう99.9%の人のために簡単に解説すると、本事例ではレーザープリンターのランプにおける冷却システムの設計に”動特性のパラメータ設計”を活用しています。

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この冷却システムの機能として”冷却ファンを回すモーターの電圧”と”ランプを通過する風速”が比例関係であることが理想です。

このように理想機能が動的(入力に対して出力が変化する)な特性を”動特性”と呼びます。(入力に対し出力が常に一定が理想のものは静特性と呼ぶ)

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システムのインプットとなる因子を”信号因子”と呼びます。この事例では”モーター電圧”の事です。

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システムのアウトプットになる因子を”特性値”と呼びます。この事例では”ランプを通過する風速”です。

特性値の主な”ばらつき”の原因はダクト内の障害物です。障害物の有無のように、製品として出荷された後に設計者が制御できない因子のことを”誤差因子”と呼び、誤差因子の影響を受けにくいロバスト設計を目指しています。

製品として出荷されたら制御できないけど、”実験段階ではわざと誤差因子を含めた実験をして、その影響を受けにくいパラメータ設計をしている”というのが非常に重要なポイントです。

そもそも品質のばらつきが大きいのは、製品開発や、量産前の実験段階で誤差因子(外乱)を考慮していないのが大きな原因。
実験段階で外乱を考慮していなければ、市場や量産で外乱に弱いのは当たり前です。
これまで安定した環境だけで実験を行ってきた人も多いのでは?
本書では誤差因子の影響をうけにくいパラメータ設定を実現します。

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少し脱線してしまったので話を戻すと
設計者が設定可能な因子(パラメータ)を”制御因子”と呼びます。
この実験の制御因子と水準は以下の通りです。

スクリーンショット 2021-05-02 23.14.26

以上の因子を組み合わせて”動特性のパラメータ設計”による実験を行った結果

論文を見ると最適条件ではSN比が5.83dB向上しています。
これはばらつきが√10^(5.83/10)=1.957倍 改善した(ばらつきが約2分の1になった)という事を示しています。これが本書のタイトルの由縁でもあります。

また、最適条件では現行条件に対し”モーター電圧”に対する”風速の傾き”も大きく改善されており、少ない電圧で大きな風速を起こせる理想的な条件設定ができています。

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SN比の考え方や利得の計算など、”動特性のパラメータ設計”に関する詳細は以下のリンク先でわかりやすく説明されていますので、必要に応じてご覧下さい。

タグチメソッド  実験方法、解析方法、統計との接点
富士ゼロックス株式会社 立林 和夫

上記のリンク先にも書かれているように、既に多くの企業が品質工学(主に動特性のパラメータ設計)を推進しています。

逆に言うと品質工学を活用できていない会社・人材は、ばらつきへの対処ができず大きく出遅れているとも言えます。


本書では先ほどの論文やリンク先の記事よりもさらに1歩踏み込んで、無料の解析ソフトを使った動特性のパラメータ設計の”具体的な実践方法”を初心者でもわかるように、27枚の画像で1ステップ毎に丁寧に解説します。

ちなみに「無料の統計解析ソフト」というのはJUSE-StatWorks/V5というソフトの”体験版”でして、広告や勧誘メールもなく、試用期限が切れても再インストールすれば半永久的に使える素晴らしいソフトです。

詳細はこちらの記事で解説していますので
気になる方はチェックしてみてくださいね。


図1,図3,図7,表1,表2,表3
出典:紙で簡単に実験した冷却システムのパラメータ設計   (草野秀昭 他4名)


■2.実務に適した統計手法「動特性のパラメータ設計」

「そもそもなんで”動特性のパラメータ設計”なんて面倒くさそうなの使わないといけないの?実験計画法で最適条件を見つけたらいいのでは?」
という人もいるかと思います。

実験計画法で改善できるのは”平均値”だけでばらつきは減らせません。

イメージはこんな感じ

実験計画法による改善

どれだけ平均値を改善しても、ばらつきが大きければ不良品が発生してしまいます。

一方で動特性のパラメータ設計では、ばらつきを減らした上で平均値を狙いに合わせます。(二段階設計と呼ばれる考え方)

イメージはこんな感じ

動特性のパラメータ設計による改善

「え?動特性のパラメータ設計って最強?なんでもっと早く教えてくれないの!」って思っている人。慌てないで下さい。

手法にはメリットとデメリットが存在します。

✓動特性のパラメータ設計のメリット
・外乱(ノイズ)に強いパラメータ設計ができる
・特性値を目標に合わせられる

✓動特性のパラメータ設計のデメリット
・実験計画法に比べて実験回数が多い

実験回数が多いというデメリットはありますが、それよりも”外乱(ノイズ)に強い”というメリットが”非常に強力”なので、ばらつきに悩んでいる人、安定した品質を実現したい人は実践をおすすめします。

とはいえデメリットがあると「本当に実践できるのか?」と不安ですよね。
本書を買って後悔はしてほしくないので、もう少し具体的に説明します。
実験回数の目安としては、実験で扱う制御因子(3水準)が4個以下であれば54回、5個以上〜7個以下であれば108回です。
(それ以上の場合は予備実験を行って7個以下に絞り込む)

多いと思いますか?
でもこれは安定したシステム・工程を実現するには必要な実験です。
誤差因子を考慮した実験を行わなければ、誤差因子に強いパラメータ設定はできません。
もし制御因子だけを組合せた実験でパラメータ設定を行ってしまい、品質不具合が出たときの費用や苦労に比べたら、これくらいの実験はやる価値があります。

ちなみに制御因子(3水準)7個、信号因子(3水準)1個、誤差因子(2水準)1個で「全組み合わせ実験」をやると
3の8乗×2の1乗 =13,122回
なので動特性のパラメータ設計による108回というのは実はそんなに多い数でもありません。

むしろ制御因子の組合せに直交表を使っているのでとても効率的なんです。
デメリットといったのは、あくまでも誤差因子や信号因子を考慮しない実験計画法(制御因子7個で36回)と比較した時の話です。
元々、実験計画法を使えない人からしたら、むしろメリットだけになります。

とは言っても「自分の業務が動特性に当てはまるかわかんないよ」って人。
安心してください。実はどんな特性でも”動特性っぽく実験&解析する裏ワザ”があります。

これも本書内で詳しく解説します。

”動特性のパラメータ設計”を実践することで、製品品質のばらつきが改善され、業務の負荷が格段に下がりますよ。


●購入していただいたお客様の声


「ばらつきに強いロバスト設計法」で無理やり動特性っぽく実験&解析が参考になりました。

Twitterより

タグチメソッドは理論のみで今まで使ったことが無かったですが、これなら使えそうです!

Twitterより

「理論のみで今まで使ったことがなかったが、これなら使えそう!」というとても嬉しいお言葉を頂きました。

本書は無料の統計解析ソフトを使った実践手順を56枚の画像で1ステップごとに丁寧に解説しています。
初心者の方でも簡単に実践できる内容となっていますので、ぜひこの機会に実践して、仕事を楽にしてみませんか?

なお本書の内容を再編し、電子書籍にしたKindle版もございます。
(※タイトルは違いますが中身は同じです)
お好きなプラットフォームをご利用ください。

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なおKindle版は以下の特徴があります。
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