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ストレイト・アップ 〜ドライベルモット〜

 ソーダ割りやオンザロックにせず、ストレートで注文するときに「Straight up」と言います。一方、「正直な」という意味ももっています。店主が、ストレートで飲んで欲しいお酒を「正直な」気持でオススメします。

リキュールは脇役?

 ストレートというとウィスキーやブランデーのような強いお酒を想像するのではないでしょうか?しかし、この連載でオススメするのはリキュールです。

 「リキュール?カクテル用の材料でしょ?」

 「割って飲まないと美味しくないじゃん」

 そんな悲しいことを言わないでください。きっとリキュールもいじけて…

 「どうせ勇者とか戦士とかのオマケで、僧侶みたいな存在でしょ…」

 なんてことをボソッと呟いていることでしょう。

 そこはバーテンダーとして言いたい、 

「いやいや、君の魔法は万人を癒す力を持っているんだよ!」

ドライベルモット、それはマジックポーション

 第一弾はドライベルモットです。

 ベルモットと言われてもピンと来ない方も多いでしょう。しかし、マティーニなら聞き覚えがあるかもしれません。三角のグラスに楊枝に刺さったオリーブ入っているアレです。マティーニには欠かせないリキュールとしての方が有名かもしれませんね。

 その正体はというと主に白ワインです。白ワインに強いお酒を加えて18度くらいまでアルコール度数を調整し、薬草を漬け込んで作られたお酒です。

 なんだか「ポーション」、「エーテル」っぽくないですか。薬草を入れる目的は、保存性を高める意味と飲みづらさを軽減する他に、リラックスや滋養強壮といった回復効果も求められたのでしょう。

 ちなみにベルモットではないのですが、ヨーロッパですとリキュールやビールを教会で作っているものなんかもあって、雰囲気がありますよね。


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意外とタフな存在

 お酒を買った後の不安として開栓後の管理です。ベルモットを含むリキュールは、開栓後に常温保存でも劣化は気にしなくても大丈夫です。

 気分に合わせて、グラスに半分だけの日があっても、2杯飲んじゃう日があっても、しばらく飲まない日があってもOK。焦らず自分のペースで飲めます。

グラスで封印を解いて

 折角、楽しむのであればグラスにもこだわってみましょう。ゴブレット(脚付きのグラス)を使っていただくと良いでしょう。

 お酒をたしなむ上で重要な要素である色を楽しんで欲しいのです。グラスの中でキラキラと光る姿はまるで、瓶の封印が解けて飛び出してきた妖精の微笑みのよう。ブランデーや赤ワインともまた違う軽やかな振る舞いと表情を見せてくれるはずです。

 実際の種類やグラスの選び方については、また今度お話しします。

 最初に買うならコチラ

 店主の一押しはドランです。

 グリーンのボトルとモノトーンのエチケットがおしゃれです。ほんのり甘めの白ワインといった印象なので、「甘すぎるのはちょっと苦手だけど、お酒が強いのも心配」という方でも楽しんでいただけるはず。

 冷やした状態でも瑞々しいフルーティーさがあり、ハーブの苦味と香りが全体を引き締めて、甘ったるさを感じさせません。一口飲んで目をつぶれば、朝露に濡れた森でリンゴをかじりながら進むような爽やかさな気持ちになれます。少し甘めがお好みの方は常温で、少しキリッとさせたい方は冷蔵庫保管にて。 

 ドライベルモットの中にも甘口から辛口まであります。この記事を読んでいただいて、「もっと甘くて美味しいのが知りたい」などご要望がありましたらお気軽にコメントください。

素敵なイラストの作家さん

 PHIさん

 大阪出身コリアン3世イラストレーター兼アーティスト、言葉や文章から大きくイメージを膨らませて描く事を得意とする

2020年3月 108にて初個展<PHEWTURE>を開催
2021年4月には大阪のギャラリーopaltimesにて、話題の作家30名による作品を用いたパズルの展示販売会PIECE ALLへ参加予定 同期間Webでの展示販売も行われる

Twitter : https://mobile.twitter.com/kim_yangphi
Tumblr: https://kim-yangphi.tumblr.com

 


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