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『身体はトラウマを記録する』 - ベッセル・ヴァン・デア・コーク
名著だった。紛れもなく自分の人生の中でも最も重要な本だったと言える。長かったが(kindleで位置No.が10845まである)半年かけて読んだ。
第1章の最初のエピグラフを引用しておく。
私が現在の私になったのは、一二歳だった一九七五年の、どんより曇ったひどく寒い冬の日のことだった。……ずいぶん昔の話だが、過去について世間で言われていることは間違っている。……今振り返ればわかるのだが、私はこの二六年間というもの、あの人気のない路地をずっと覗き込んできたのだ。
人生が一つの物語さながら滑らかに展開するように見える人がいるけれど、私の人生は進んでは止まり、止まっては進むの繰り返しだった。トラウマを抱えていると、そうなるものだ。トラウマは筋の展開を妨げる。……降って湧いたように起こり、それからまた人生は続いていく。それに対する備え方など、誰も教えてはくれない。
トラウマを負うと人生が前に進まなくなる。過去の一点に縛りつけられ、新しい体験ができなくなり、身体は脅威を警戒し続ける。
しかし治療は可能だ、回復は可能だという力強いメッセージがある。心当たりのある人は読んでみてほしい。
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