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第四十九候 鴻雁来 (こうがんきたる)

雁(かり)が飛ぶ。この地に風を連れてくる。

鳥は風に乗り、風を運ぶ。私たちもまた、眼を向け、手を伸ばし、足を持ち上げ、風を纏い、風を運ぶ。

私たちが日常、居間を歩く、和室に座る、布団に寝転ぶ。その全てに物理的、精神的な動きが伴う。動きは風を纏う。私たちは風を導く。そうすることで、風がこの家を、私たち自身をも爽やいでいく。

秋の空に背を押され、わたしは心を景色に向ける。秋の色を見、ほころび、逍遥(しょうよう)する。

わたしが歩く。親愛なる場所へ。風を纏い、風を運んでいく。




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第四十九候 鴻雁来 (こうがんきたる)
10月8日〜10月12日頃

雁が飛来する時期
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参考文献・資料:
「風を吹かせて」never young beach, https://youtu.be/KouNGHhybbI?si=FhqP6hJHvqi-kcOV
山下 景子, 『二十四節気と七十二候の季節手帖』, 成美堂出版, 2013年. https://www.seibidoshuppan.co.jp/product/9784415314846

(晩秋、寒露・初候、第四十九候 鴻雁来 (こうがんきたる))

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