第二十九候 菖蒲華(あやめはなさく)
最近、増し土をした若木の枝先から新芽が出てきた。植え替えや増し土、なんとか夏に間に合ってよかった。暖かくなって、光が出て、植物たちは嬉しそうにしている。人間たちは、夏越の祓え(なごしのはらえ)やらなにやら、これから来る夏を乗り越えようと準備している。とはいえ、その前にこの梅雨を乗り越えなければならない。湿度が高いのも、濡れるのもあんまり好きではない。けれど、植物たちが元気なのはいいなと思う。人の憂いと関わらず、葉は萌芽してくれる。黄色いお腹を膨らませて黄鶲(きびたき)は鳴く。