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詩、散文

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短歌を中心に、詩や散文を挙げています。
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記事一覧

第二十四候 麦秋至(むぎのときいたる)

真鴨は春に北へ帰る。 遠く姿を遥(はる)かせる。 どこへ帰るか。 どこに帰り、どこに居る…

初夏の風物を詠んだ詩、2首。

ふと見(まみ)ゆ夏の翠(みどり)に掬われる木苺のようにあなたを見る 詞書:初夏の緑の色は…

春を契機に浮かんだ詩3首

ふと見ゆるひとのやさしさ明日葉のごと 詞書:ふと出逢う、ひとのやさしさに救われる。そんな…

春彼岸、花蕾

淡色 蕾をほどく桜の樹 蜜を啄ばむ雀の群れ 雀を見やり、流れる川 川のせせらぎを聴きながら …

自選3首:ことば

できるなら揺蕩うように文学したい何も損なうこともなく   いつも言いたいことは一言で言え…

自選5首:過ごすこと

あの日見た翠で今を生きている補給はどこですればいいのか   なんだってひとつに決めること…

自選3首:うつくしさ

紫のアサガオ絞るはじめての意識はいつもそこから始まる    透かし見るペットボトルの透明さだって奇跡だ惰性を見つめよ   わたしはあなたの代わりに生きていて、あなたはわたしの代わりに生きている  

自選3首:水と風

逃げてきてTシャツ孕んだ夏風はいつかのような敵じゃなかった    つらければつらいほどま…

自選3首:祈り

  祈りとは存在のくすみの緩和薬あらいやすりに抗するやすり   浮かび出る灯と花と共、盃…

自選5首:思索

わけもなく眠れない日を重ねてはストレートな表現が嫌いになった    まだわたしは何者でも…

自選5首:生活

うつくしかった涙によりていきてゐる    ひつじぐも見上げて発するその動き、季節に住んで…

自選5首:自然

だんだんと紅くなるいろ太陽のひかりをこころに吸い込んでいる    オレンジの葉が陽に照ら…