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真鴨は春に北へ帰る。 遠く姿を遥(はる)かせる。 どこへ帰るか。 どこに帰り、どこに居る…
ふと見(まみ)ゆ夏の翠(みどり)に掬われる木苺のようにあなたを見る 詞書:初夏の緑の色は…
ふと見ゆるひとのやさしさ明日葉のごと 詞書:ふと出逢う、ひとのやさしさに救われる。そんな…
淡色 蕾をほどく桜の樹 蜜を啄ばむ雀の群れ 雀を見やり、流れる川 川のせせらぎを聴きながら …
できるなら揺蕩うように文学したい何も損なうこともなく いつも言いたいことは一言で言え…
あの日見た翠で今を生きている補給はどこですればいいのか なんだってひとつに決めること…
紫のアサガオ絞るはじめての意識はいつもそこから始まる 透かし見るペットボトルの透明さだって奇跡だ惰性を見つめよ わたしはあなたの代わりに生きていて、あなたはわたしの代わりに生きている
逃げてきてTシャツ孕んだ夏風はいつかのような敵じゃなかった つらければつらいほどま…
祈りとは存在のくすみの緩和薬あらいやすりに抗するやすり 浮かび出る灯と花と共、盃…
わけもなく眠れない日を重ねてはストレートな表現が嫌いになった まだわたしは何者でも…
うつくしかった涙によりていきてゐる ひつじぐも見上げて発するその動き、季節に住んで…
だんだんと紅くなるいろ太陽のひかりをこころに吸い込んでいる オレンジの葉が陽に照ら…