第二十六候 腐草為螢(くされたるくさほたるとなる)
演奏表現とはいったいなんだろうかと、大学の頃からずっと思う。いま、入梅となり、夏の香がする。今度ある演奏で久石譲さんのsummerを弾くとき、どうすれば夏の香を、夏のひかりを込められるだろうか。
思いを演奏に反映させる、ということが、具体的にどういうことなのか、どういう作用機序なのかは、まだほとんど分からない。でも、どうすれば感情を演奏にたくさん載せることができるのかは、経験則として少しわかる。表現したい感情をよく見つめ、その質を掘り下げて理解することは、必要な要素のひとつ