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諸星大二郎『六福神 稗田礼二郎のフィールド・ノートより』

所収の六編のうち、稗田氏が出てくるのは奇しくも京極夏彦『鵼の碑』発売日に読んだ冒頭の「産女の来る夜」とラストの河童譚「淵の女」のみ。

後はいずれも霊媒体質の渚ちゃんと実は稗田氏よりも頼りになる? ナイスガイ大島くんの大島渚コンビによる粟木町シリーズ。

近辺図を見ると日本海側っぽい。

モデルは島根辺り?

漂着神エビスにまつわる「海より来るもの」。

鏡写しの二島が舞台の「鏡島」。

一人足りない宝船が不気味すぎる「六福神」。

補陀落渡海がモチーフの「帰還」。

最後のオチも含めて、やはり表題作が出色の出来。



読んでいる途中で気づいたが、「六福神」だけは既読だった。

他の単行本に収録されていたのか、はたまた掲載誌のウルトラジャンプを読んだのか。

異様に頭が長いジュロウジン、その頭をちぎって喰うダイコク、テレビゲームに耽りっぱなしのホテイ、暇さえあれば媾ってばかりのビシャモンとベンザイ。

大喜利のお題〈こんな七福神はイヤだ〉で出てきそうなヤバい面々。

未登場のエビスをしっかり前々話と絡めてくるのもお見事。

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