青空文庫新着分より橘外男「蒲団」読了
蒲団といえば田山花袋のクンカクンカ版が有名だが、こちらの蒲団は全く毛色が異なる。
言うなれば血染めの蒲団。
古着屋の父親が破格の安値で仕入れた縮緬の蒲団。
それを境に凋落の一途を辿る一家の運命やいかに……。
文明開化の花咲く明治の終わりに、冷水を浴びせるような悪夢塗れの怪奇譚。
橘外男作品を読むのは『陰獣トリステサ』「仁王門」に続いて3作目だが、どれも作風が全然違う。
なんとも底知れない作家だ。
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