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適材適所

「人って産まれた瞬間から役割が決まってたら面白くない?赤ちゃんは、産まれた時から死ぬまで赤ちゃん、老人は死ぬまで老人。」

「何言ってんの。気味悪いから辞めてよ。」と、当時付き合っていた恋人に呆れられた顔で流された。
この理論が通れば、どの時代でも「最近の若者は、、、」と言われる筋が通る。我ながら名案だと思ったのに。

ここまではさすがに冗談だが、私は人生全体において、同じ理論を受け入れていた。
「派手な見た目してるから、きっと訳あり家庭なんだろうな。」「強そうだから、一生独身そう。」世の中は、偏見で溢れている。

しかし、その偏見通りの道を歩んでいる人も少なくない。

私は、母子家庭かつ、今流行りの”毒親”育ちだ。両親に恵まれず、すさんだ家庭環境に産まれた私は、死ぬまで「不幸の役割」を全うするものだと思っていた。

絵本の中のような家庭ではなかった自分は、結婚をしてはいけない。与えられなかった愛を、自分のことを雑に扱う人間で満たされ、承認欲求を歪んだ形で満たしてゆく。

「人って生まれた瞬間から役割が決まってたら面白くない?」

全然面白くない。

不幸な役割から、シンデレラストーリーを歩む役割になりたいと心から願う日々。

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