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文章を書く練習

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適材適所

「人って産まれた瞬間から役割が決まってたら面白くない?赤ちゃんは、産まれた時から死ぬまで赤ちゃん、老人は死ぬまで老人。」 「何言ってんの。気味悪いから辞めてよ。」と、当時付き合っていた恋人に呆れられた顔で流された。 この理論が通れば、どの時代でも「最近の若者は、、、」と言われる筋が通る。我ながら名案だと思ったのに。 ここまではさすがに冗談だが、私は人生全体において、同じ理論を受け入れていた。 「派手な見た目してるから、きっと訳あり家庭なんだろうな。」「強そうだから、一生独

    • 「特別な日」

      「日常が恋しい」 1月2日電車に揺られながらため息をついた。 年越しを一緒に過ごした恋人は、急遽親戚の集いに向かったため、私も実家に帰らざる負えなくなった。 「特別な日」は「特別な誰か」と過ごさなくてはいけないというミッションが全国民に課せられる。特に年末年始は、「クリスマス」を「恋人」と過ごし、「正月」を「家族」と過ごす。 例えば「クリスマス」。「恋人」がいなければ、可哀想なやつ認定。いたところで、SNSでの第三者の承認欲求に煽られ、相手への理不尽な期待が高まり、裏切

      • 美しいとは

         人間誰しも、幼少期の自分は無敵であったと思う。自己肯定力に満ち溢れ、自分は唯一無二の存在であると信じてやまない。私も例に漏れずこの考えを持ち合わせており、「自分は可愛いのだ。」と当たり前の事実として捉えていた。  しかし、ある人にこの思考を真ん中から切り崩され、大きな穴をあけられた。 ”ある人”とは、実の母である。 私は顔が父親によく似ていた。そんな私の存在も父親もその当時の母からしたら疎ましくて仕方がなかったのだろう。物心をついたときには「父親によく似た腫れぼったい目

        • スタート

           私は、自分の考えを表現し、人に伝えることが好きだ。しかし、その表現方法は限られていて、その中でも「文字」が一番落ち着いて自分の感情を外に出すことが出来る。  ここに自分の感情を出そうと思ったきっかけは、先輩のストーリーに載っていた1人のライターの文章だった。その人とは「絶対終電を逃さない女」。男に惑わされない強い女が好きな私は、その名前に一瞬で興味が湧いた。  よく見てみると、雑誌のコラムのようだった。GINZAの「シティーガール未満 vol.11 日暮里」。そこには、コ

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