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ありのままの難しさ

子供たちの学校での話で、なかなか難しいなぁと思った出来事。誰かと関わるということは、大人も子供も自分に正直にだけではうまくいかないんだよなぁと、なんとなく生きにくさを感じたこと。

ことの発端はAちゃんがBちゃんに急に「嫌い」と言い出したことから。AちゃんとBちゃんは仲良しで学校の行き帰りも一緒でクラスも一緒だった。Bちゃんは突然のことでショックで、一緒に帰らないと言われたことが受け入れられず、勇気を出して帰り際に再度一緒に帰ろうと誘ったものの嫌だと言ったのにと、Aちゃんは先生にBちゃんがひつこくて困ると言いつけたことでBちゃんがわがままだと怒られるということに。

先生というのは最初に苦情をあげてきた方を割と正として聞く傾向があることが多く、Bちゃんとしては納得がいかなかったため、とりあえず次の日に話し合うことになったそう。

で、その話し合いでは、お互いに相手に直して欲しいところを言い合って、その日は一緒に帰ってきました。しかし、次の日から二人は行きも帰りも一緒ではなくなりました。

さて、どうしてでしょうか??


なぞなぞみたいな話です。

最初はBちゃん側から聞いた話だったので、仲直りしたのにどうしてなんだろうと不思議に思っていました。Bちゃんは一緒に帰りたいのは変わらない。クラスではたまにAちゃんに話しかけられるから無視されているわけじゃない。複雑な気持ちながらも、よくわからない状況に戸惑っている様子。

そこで、クラスは違うけれどもどちらとも仲が良いウサツキの娘に謎を解くための偵察を頼んでみると、Bちゃんはやはりわからないの一点張り。ただ、嫌いって言われることに慣れているからもういいんだと。そんなことに慣れるって、切なすぎる。他からも言われているということは何かあるのだろうか。でもとても大人しく真面目な子なため考えにくい。

Aちゃんには、最近Bちゃんと一緒に帰ってないけどどうしたの?とそれとなく聞くと、お互い嫌い同士だから、と。お互い??あれ?となって、BちゃんはAちゃんのこと嫌いじゃないと思うよって言うと、いや、お互いに嫌なところを言い合ったから確かだと。

言い合った??

え!?まさか、先生の話し合いが裏目に出てるパターン!?どんな話し合いだったのさ!先生、手応えあったんじゃないの!?

娘はいろいろBちゃんのフォローをしてみたものの、Aちゃんはあとひと月で転校が決まっていて、今まで我慢してきたんだから残り少ない日数は好きにさせてほしいと言われたそう…。

つまりは、Aちゃんはお互いに直してほしいとこを言い合って、あ、なんだ、そっちも私のこと嫌いだったんだ!そりゃちょうどいい!となっている様子。そりゃ、絶対みんなと仲良く!なんて無理だし、合う合わないは当然あるけど、よくある友情ものの物語なんかは、喧嘩のあとには絆が深まるのが定番なのに、まさかの溝が深まるパターン…。

Aちゃんの言うことにゃ、他にもいろいろ気に食わないことがあるらしく、そもそも行きは一人でゆっくり行きたかったのを近くの子たちと一緒に行きなさいと親から言われていやいやつきあっていたと。うーん。

おそらくその都度解決していれば問題なかったことが、気を遣って我慢してきたことで不満をどんどん膨らますことになり、転校が決まったことでいろんなことがどうでもよくなったんだろう。「嫌い」という言葉を他でも簡単に口にするようにもなっている様子。

もうこうなるとどうしようもない。仲直りする気がそもそもないのだわ。もう最初の段階から一緒に行くということに不満を抱えながらだったら、そりゃ一緒の時間が長いと嫌なことも増えてくるだろう。たまたまとはいえ、転校というスーパーカードを手に入れたAちゃんは、実は今一番小学生らしいありのままの生活を送っているんじゃないのかな。そしてBちゃんは仲直りできないこの状況に諦めを覚え、人との関わりが苦手になり、ありのままなどからは遥か遠い道を歩いているのだろう。

ありのままに過ごすことを応援したいけれども、みんながありのままだと傷つく人も出てくる。だけど、優しさから我慢ばかりも辛くなる。

何が正解とかがないだけに人間関係って難しいなぁ。頭の中はミスチルの「名もなき詩」がガンガン流れる。



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