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夏の闇

こんにちは。
ずいぶん久しぶりの投稿になってしましました。

今回は開高健(かいこうたけし)さんの夏の闇を読みました。
その感想を僕なりにまとめてみたいと思います。

ヴェトナム戦争で信ずべき自己を見失った主人公は、ただひたすら眠り、貪欲に食い、繰返し性に溺れる嫌悪の日々をおくる……が、ある朝、女と別れ、ヴェトナムの戦場に回帰する。"徒労、倦怠、焦燥と殺戮"という暗く抜け道のない現代にあって、精神的混迷に灯を探し求め、絶望の淵にあえぐ現代人の《魂の地獄と救済》を描き、著者自らが第二の処女作とする純文学長編。

とても難しい本でした。僕が過去に読んできた本の中でもトップクラスに難しい本だと思いました。

この本は上記のあらすじの通り、主人公の男はひたすら眠り、飯を食い、パートナーである女と共に性に溺れる生活を繰り返します。そのテイストは物語の後半まで続き中々発展が見られません。
しかし、一見怠惰な生活をしているように見える男ですが終盤は少しずつ行動を起こしていきます。

男は小説家で、ヴェトナム戦争の従軍記者として戦争体験をしています。生きて帰ってきましたがその後はずっと無気力、無関心の生活を繰り返しています。

この本はその無気力、無関心からいかにして回復していくかということがテーマとして描かれていると私は感じました。

私たちの生活に置き換えてもこのようなことは多々ありますよね。部活をやっていてどれだけ努力しても仲間に追いつけない、もしくは何か目標を達成してしまって燃え尽きてしまったときとか。

このように心が沈んでしまったときに私たちはどのようにまた活力を取り戻していけば良いでしょうか。

新しい目標を設定したりとか、何かモチベーション動画を見るとか色々あるかも知れませんね。

でもそれすら出来なくなってしまったときはどうすれば?

こういうときは発想の転換でしばらく何もやらなくていいかも知れませんね。きっと時間が解決してくれるでしょう。どん底から少しずつ回復してきたら今度は友人や彼女に頼って復帰するチャンスをもらえるでしょう。

このように何もする必要のない期間を海外ではギャップイヤーと呼び、高校卒業後や大学卒業後に1年くらい期間を設けている文化もあるそうです。この期間中は在学中では恐らく出来ないであろうことに挑戦したり、海外旅行とか何にも縛られることなく自分の好きな時間が過ごせます。

文中でも男のパートナーである女はこのように男と接しています。何もしなくていいよと、休んでていいよと。そうしたら男は少しずつ色々なきっかけが重なって活力を取り戻していきます。

このように本当に追い込まれて活力がなくなってしまったのなら、もう何もしない、そして少しずつ回復してきたら周りの人に助けてもらうということが頭の片隅にあってもいいのかも知れませんね。日本の文化では認めてもらうのが難しいところもあるでしょうが…。

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今回はこれで終わりです。
最後までご覧頂きありがとうございました。
またお目にかかりましょう。



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