パキスタンのチャイ
チャイは「茶」と語源が同じで、パキスタンを含む南アジアで広く飲用される甘く煮出したミルクティーです。茶葉にハーブや香辛料を加えたマサーラー・チャイも多く飲まれています。
パキスタンではチャイは庶民的な飲み物で、一般的に鍋を使い少量の水で茶葉を煮出し、牛乳を足して更に煮出し、最後に砂糖で味付けします。この飲み方は、英領統治下のインドで作られた紅茶のうち、良質の茶葉は全てイギリスに送られ、商品にならない細かい茶葉は庶民に流通したという背景があります。チャイは、ダストティーと呼ばれる細かい茶葉を美味しく飲む方法として作られました。
紅茶はイギリス人によってインドに紹介されました。もともとアッサム地方では古代から茶の木が自生していましたが、地元民は茶を娯楽飲料としてではなく漢方薬としてみなしていました。1870年にはイギリスで消費される茶の90%以上が中国産でしたが、1900年までに中国産は10%に減少し、インド産(50%)とセイロン産(33%)に取って代わりました。
日本ではお茶を水分補給として水の代用品として飲みますが、パキスタンではデザートのような感覚でチャイを楽しみます。チャイは、1杯のティーカップに対してティースプーン3杯以上の砂糖を入れるのが一般的です。チャイは非常に甘く作られるので、通常は小さなティーカップで飲まれます。
チャイの作り方を紹介します。
水を沸騰させ茶葉を入れます。5分ほど茶葉を煮て、火を弱めてから牛乳を入れ、再沸騰したら火を止めます。ここで砂糖を加えても、もしくは後でお好みで加えても良いです。鍋に蓋をして少し蒸らしてから、茶漉しを通して容器に注ぎます。
マサーラー・チャイの場合は、生姜の他、カルダモン、シナモン、胡椒、クローブなどを一緒に煮ます。これらの香辛料は茶葉と同じタイミングで十分に煮出す必要があります。