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パキスタンの国歌

パキスタンの国歌は、ウルドゥー語で「コーミ・タラーナ」または「パーク・サルザミン」と呼ばれています。

有名なウルドゥー語詩人であるハフィズ・ジャランダリが作詞し、有名な音楽家であるアフマド・G・チャグラが作曲しました。そして、1954年8月、パキスタン政府により公式国歌として採用されました。

(左)ハフィズ・ジャランダリ(右)アフマド・G・チャグラ

正式に採用されるまでは長い道のりがありました。1948年、パキスタン政府は、独立したパキスタン国家のための公式国歌を作るため、作詞家と作曲家にそれぞれ5000ルピーの賞金を提示し、新聞広告を通じて募集しました。

パキスタン国歌委員会はいくつかの異なる曲を検討し、最終的にアフマド・G・チャグラの曲を選択しました。1950年8月21日、パキスタン政府はチャグラの曲を国歌として採用しました。

まだ歌詞の決まっていない国歌は、1950年3月1日、イラン国王がパキスタンに国賓訪問した際、カラチでパキスタン海軍楽隊によって外国国家元首に対して初めて演奏されました。歌詞が決まったのは後のことで、1954年8月13日、ハフィズ・ジャランダリが作詞した国歌が、ラジオ・パキスタンで初めて公に放送され、1954年8月16日、パキスタン情報放送省によって正式に発表されました。

2021年、当時の内務大臣は、パキスタン国歌をより良い品質で再録音すると発表し、2022年8月14日、155人の歌手、48人のミュージシャン、6人のバンドマスターが再録音に参加し公式にリリースされました。

パキスタン国歌は、東洋音楽に基づいた3節で構成されていますが、通常、公式の場で歌われるのは最初の節のみです。歌詞は、国の進歩と成功に不可欠な要素として、団結、信仰、規律の重要性が強調されています。

pāk sarzamīn šād bād     神聖なる大地に祝福あれ
kišwar-ē ḥasīn šād bād   肥沃な領土に幸あれ
tū nišān-ē ʿazm-ē ʿālī šān  堅き意思のつどう土地よ
arⱬ-ē Pākistān!      我がパキスタン
markaz-ē yaqīn šād bād  信仰の堅き砦に祝福あれ

パキスタンの国歌は、国家アイデンティティにおいて重要な役割を果たしており、国旗掲揚式、国民の祝日、政府や軍事のイベント、スポーツ大会など、さまざまな機会に演奏されます。

ウルドゥー語で書かれたこの国歌は、その簡潔さにもかかわらず、パキスタンの真髄、イスラムの基盤、イデオロギー、精神、願望、そしてその本質的な強さを叙情的に称賛するものであり、独特の詩的作品となっています。