シャーラマール庭園
ラホールの中心部に位置するシャーラマール庭園（Shalimar Gardens）は、ムガル帝国時代に建設されたペルシャ式泉水庭園です。1981年にユネスコの世界遺産に登録されたこの庭園は、パキスタンで最も有名な観光地のひとつでもあり、世界中からの訪問者を魅了し続けています。
シャーラマール庭園は、1641年にムガル帝国第５代君主シャー・ジャハーン皇帝によって建設さました。この庭園は皇帝自らの委託で、ラホールの灼熱の夏から逃れられるよう設計されました。王室の避暑地であると同時に、調和のとれた対称的な景観を作り出すムガル帝国の象徴でもありました。
シャーラマール庭園は、複雑な透かし彫りで豪華に装飾された高いレンガの壁で囲まれています。この庭園は南北軸に沿って並んだ長方形の形で配置されており、８０エーカー（東京ドーム７個分くらい）の面積を誇る庭園は、高さの異なる３段階のテラスで構成されています。
シャーラマール庭園には、ムガル建築の最も洗練された水道設備があります。庭園にはなんと 410 個の噴水と5つの滝があります。高度な水力工学を利用しており、庭園に水を供給するラヴィ川の水圧を利用して、驚くべき高さまで水を噴射する噴水が作られています。
低層階のテラスには153 個の噴水、中層階のテラスには152 個の噴水、上層階のテラスには105 個の噴水があります。庭園には水路が規則正しく整備されており、よく手入れされた花壇、芝生、噴水、パビリオンが配置されています。
観光するのに最適な季節は、庭園が見事な花で満開になり、鮮やかな花々と香りが広がる春です。庭園には多種多様な木々や花が植えられていて、青く輝く水路と調和の取れたデザインになっています。
シャーラマール庭園は、壮大なムガル美術、驚くべき水力工学をもって訪問者を魅了し続けています。この庭園を訪れると、パキスタンの歴史、文化、建築の豊かさに浸ることができます。