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老化を制御できるワクチンが登場? 人生120年時代へ

2021年末に東京大学が老化細胞を除去し、人間の限界年齢まで生きることができる可能性があるというGLS1阻害剤が開発された。マウスレベルではすでに実現済みで、現在は臨床試験に進んでいる。これから10年以内に実用化されると言われているわけだが、同様にワクチンの開発も進んでいると言うのだ。いま若年層から中年までの年代であれば人生120年時代を体験できるのかもしれない。

老化細胞を除去ワクチン

順天堂大学の南野徹教授らが進めている老化細胞除去ワクチン研究だが、研究はどんどん進んでいるようだ。細胞分裂回数には「ヘイフリックの限界」と呼ばれる法則があり、一定の回数を超えると分裂できなくなる。ヒトの場合の限界値はおよそ50回とされ、細胞分裂できなくなった状態が、細胞にとっての老化を指すが、同チームはこれらの老化を防ぐためのワクチンや老化治療薬を開発している。

DNAの損傷とテロメア

ヘイフリックの限界を決める要因は何かと言えばテロメアが短くなることと、DNAが損傷することによるもの。細胞にはDNAダメージが蓄積すると細胞を老化させる機能が備わっている。またテロメアとは染色体の末端にあるキャップのようなもので、細胞分裂時のDNAの損傷を防ぐためにある。しかしテロメアは細胞分裂のたびに少しずつ短くなっていき細胞分裂できなくなってしまう。つまり何らかの処置がなければ老化細胞が溜まり、細胞分裂は止まり、本来人間の生きられる120年に届くことなく、死んでいく。

細胞老化を止めず、老化細胞を取り除く

細胞分裂を止めず、老化細胞を取り除くというのが研究チームの狙い。南野教授のチームは、マウスからヒトへのステップアップを視野に入れて老化細胞除去ワクチンの開発に取り組んでいる。南野教授は、5年後ぐらいでの臨床応用・社会実装を視野に入れて研究開発の構想を練っていると言う。ちょうど、上記で挙げたようなGLS1阻害剤も2030年あたりの時期を目途に実用化を目指している。

アメリカでも進む老化研究

アメリカではおそらく日本よりも研究は進んでいる。NMNはまだ実用化できていないままでサプリで終わる可能性もあるが、2013年にGoogleとアッヴィの巨額投資で設立させた「Calico」では非公開の研究を現在進行形で行っている。Calicoは薬品や生物工学の製品をまだ製造していないが突然、衝撃的なニュースを発信するかもしれない。人間が不死になることは不可能だが、不老になることは可能と言われておりそんな時代が迫ってきている。






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