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instagram以降のインテリア

こんにちは。namanieといいます。
前記事よりnoteを書き始めました。これからも主にインテリアについて自分が得てきた知見を、一般的な言説とは違う、少し捻くれたアプローチで解説していく、というのをやっていこうかと思います。いずれ普通の日記っぽいエントリも書きたいです。文字書くのおもすれ〜。

「インテリアのTipsをドヤ顔で説明してるけど、そもそもお前はどこの馬の骨や」という話ですが、しがないインテリアショップの一販売員、と言えるでしょうか。本当に末端の末端、ここで書く内容で仕事中に身に付いたといえるものは一切無く、殆ど自身の趣味の延長として得たものです。
インテリアコーディネーターの資格を持っていますが、これも会社から取得を促された訳ではなく、自主的に自身のお金で通信教育を受講し、取得したという形です。まあ、インテリアコーディネーターの資格を持っている人や、一度でも試験内容の勉強をした人なら共感してもらえるかと思いますが、インテリアコーディネーターの資格を取得した所でインテリアコーディネートの技術は殆ど身に付かないので、ここの資格の有無によって説得力が増す、みたいなことは無いです。


今回はinstagram以降のインテリアのレイアウトについて。SNS登場以降のインテリアの変遷…なんてのは、2023年にもなってその主題で語るには違和感があるし、そもそも自分はその黎明期に立ち会っていないので語る資格自体ないのですが、各SNSの中で特にinstagramに限定した"どういうインテリアのレイアウトにすれば良く見えるか"というのを考えていきます。要は、いかにお金を使わずに満足いくインテリアを構築するか、というものです。これは前回の記事の内容とも通ずるテーマです。
インテリアは…例えばアパレルなんかと比べれば、金に物言わせれば誰でも簡単にオシャレにできてしまう分野です。ブランドの立った家具を並べ、"箱"自体もクッションフロアではない無垢材のフローリングの床であったり、壁もビニールクロスではないコンクリート打ちっ放しなんかであれば容易にクオリティを上げる事ができます。SNSによってそういったものが一種ロールモデルとして急速に流布している状況に、少なくとも自分はロマンを感じません。どの所得層の人であっても「インテリアおもすれ〜」と感じれる状況こそ、豊かさの証左となります。

①:アスペクト比からなる家具配置の必然性

…で、主題に戻るのですが、まずinstagramの画像表示の形は現状、サムネイルが正方形、タイムラインや投稿の詳細画面は画像の元のアスペクト比(3:2、4:3など)で表示されます。一方、インテリアに特化したSNSのRoomClipでは、まず投稿時に画像を正方形にトリミングする必要があり、当然サムネ・詳細共に正方形(1:1)で表示されます。また、YouTubeもインテリアコンテンツの発信源として大きな存在ですが、こちらは言うまでもなく横長の長方形(16:9)です。ちなみに雑誌でいうと、トリミングで載っている場合が多いですが、A4サイズの比率で言えば1:√2(≒2:3)の縦長の長方形です。

こういう図をサクッと作れる能力欲しい(2時間かかった)

何が言いたいかというと、以前まで重要なインプット源であった雑誌などの本媒体のものは縦長の画が多いのに対し、現在のインプット源の主流であるinstagramやYouTubeでは横長の画が多く、必然的に横長の配置を意識したレイアウトを組む傾向が強くなったのではないか、と推察されます。今、自分の部屋の写真を撮ろうとするのならば、大抵の人が無意識にスマートフォンを横向きに構えて撮ろうとするかと思います。それは、今構築してるインテリアが横長の配置だからカメラを横で構えるという順序ではなく、カメラは横で構えるものだからその画角に収まるようインテリアを配置する、と逆転の順序で構築する事がもはや現代人にとって血肉化しているのだと思います(まあ、インテリアを発信する・したいといった人に限った話ですが)。

具体的に縦から横の画角に変わってどう画が変わるのかという点ですが、(被写体を画角中央で収めるよう)縦で撮られたものだと大抵、天井と床が写ります。これは前記事でも書いたアイレベルによって必然的な現象で、被写体がアイレベルとおおよそ近い高さに位置するのであればよっぽど写り込むかと思います。対して、横で撮った場合、天井・床のどちらか、もしくはどちらも写らないという変化が生じます(両方写るにしても前者より画を占める割合は大きく減る)。写らないという事は、とりあえず画像の上ではクオリティを左右する要素ではないと判断ができます。

・iPhoneの画角の広さについて

上で書いた内容は被写体への距離を書いていないので、なかなかに強引な論説ですが、例えばiPhoneの場合。
iPhoneに搭載されたカメラ(メイン)は、35mm判換算で26mmのレンズが搭載されています。例えば、被写体(正対)が1.5m先の距離にある場合は、水平範囲で2m、垂直範囲で1.4mほど写ります(多分)。
例として被写体をソファとし、垂直方向に1.5m下がった距離からカメラを向けた場合、画角の下に収めようとすればソファとその奥の壁、上に収めるならソファと手前の床、という感じの画になるかと思います。前者の画をもっとよくしたいと思うなら壁にポスターを設置したり、後者ならラグを敷いたり…と、ぼんやりとした目的や固定概念にとらわれず、適切なアイテムに適切なお金をかけられるようになります。

画角の"下側"にソファを収めた場合のイメージ
画角の"上側"にソファを収めた場合のイメージ

②:画角に入る"壁の枚数"による画のパターンと、飾る必要のないスペースの把握

インターネット上に投稿されている素敵な部屋の写真に対し、写っている壁の枚数を数えたことはありますか。自分はありません。が、今回の記事を書くにあたってふと意識してみると、ある程度パターン化して言える事があるなと気づきました。
大抵の部屋は、それが賃貸や戸建て然り、4つの壁から成る四角形の形をしています。また、その部屋の入り口の対角線上のいずれかの壁には窓があるかと思います。そして(めちゃ当たり前ですが)基本的なレンズで写真に収めようとすれば、写る壁の枚数は最大でも3つであり、おおよそそこで選ばれる壁は窓のある壁(逆光)と、その左右にある壁(サイド光)になります。

逆光やサイド光に対する説明はググればいくらでも論拠となるものが見つかるので、ここでは省きます。で、壁は画角によって1つしか映らない場合と、2つ、3つの場合とあります。以下、それぞれのパターンの写真を載せています。アイレベルはそれぞれ違いますが、カメラを向ける上下の角度に関しては、どれもほぼ垂直の位置で撮っています(ちなみにレンズは35mm判換算16mmの広角レンズを使用)。

まず、壁1つの場合。この場合は被写体に対し正対する形となりますが、他のパターンと比較して精錬さを感じれるかな、という印象を浮かべます。見た時にグッと引き込む力は強いけど、最も"騙し"が効かない画でもあります。

続いて壁2つの場合。インテリアの画としては最もポピュラーな画角かと思います。被写体(この場合はベッドにあるクッション)を中央に置き、グルグルと色んな角度や位置でカメラを向ければ、全然違った画が生まれたりするのが面白く、"騙し"も効きやすいです。

最後に壁3つの場合。何か1つ被写体を据えるというより、全体を俯瞰して撮影する、という場合にこの形となります。この画もinstagramでよく見るなという印象です。"騙し"は効きづらいですがその分、壁2つの場合よりウケが良いな、というのは個人の肌感覚としてあります。見る側として考えてもやっぱり情報量も多いし、見てて面白いと感じる画だと思います。

部屋を整えたい、オシャレにしたいと考える時、その"箱全体"という単位で考えてしまいがちですが、写真に収めてインターネット上に投稿したい、というような動機であれば、"壁"という単位で考えた方が、結果的にクオリティの高い空間を作ることができるかと思います。そして、写真に写りこまない入り口側の壁はどう使えど"見えない"ので、部屋干しの洗濯物をかけっ放しにしようが、乱雑な収納スペースにしようがクオリティを左右することはありません。実際に自分も上に貼った最後の写真なんかは、ソファより右手前側に衣類をかけるハンガーラックが置いてあるのですが、上手いこと映らないようにして生活感を隠しています。


3522文字。まだちょっと楽しいよりも苦しさの方が勝ってしまう。書きたいテーマはいくつか浮かんでいるので、とりあえず10記事くらいを目標にしてやっていきたい。…

冒頭に書いたインテリアショップで働いているという話ですが、同僚でインテリアについて話す人は誰一人いません。最も身近な話題であるにも関わらず、話す内容は身近の人のゴシップだったり、好きなアイドルグループの話などが殆どです。そこに対する違和感は初めから持っていた訳では無く、ここ数年で自分自身の中でインテリアというものの比重が大きくなっていくのと並行し、強く感じるようになりました。

別にそれは間違いではないし、そこを強要するならスラムダンクよろしく「お前とバスケやるの息苦しいよ」状態になってしまうのですが、一インテリアオタクとしては、こういった内情に憤りや空虚さを感じざるを得ません。instagramやnoteといった場が"水"となるかはさておき、今自分が実行できる一つの抵抗として、やらざるを得ないという状況にあります。なんの話?

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