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適応障害とわたし@2020/7/3

下半身の異様な不快感とともに目が覚めた。毛布をめくってみると、足の付け根から足先にかけてびっしょり寝汗をかいていた。あぁもう…なんで出社日に限って朝っぱらから体の不調に悩まされなきゃいけないんだ。
昨晩、久しぶりに毛布を涙で濡らしながら眠りについた。真っ暗な自室で押し入れの引き戸に思いっきり拳を殴りつけたあと、冷えた麦茶で睡眠薬を流しこんでからベッドに横になった。すると突然、目から涙が流れてきた。ああもう…耳に涙が入って気持ち悪いから、寝る前は泣きたくないのに。そう思っても、一度流れはじめた涙は止まる気配はなくて。仕方がないから顔を毛布で覆い、壁と向かい合わせの形で睡魔が襲ってくるのを待った。

それもこれも、すべて昨日の上司の言葉のせいだ。遠回しに開発能力の低いわたしを「無能」扱いした上、何のつもりか慈悲や情けをかけた謎の謝罪をしてきた。
確かに、わたしは開発能力が社内の中でいちばん低い。それはわたし自身がいちばん自負してる。だって適応障害でわたしが休職している最中に中途で入った新人(開発未経験)のほうが、今ではわたしより開発能力が上なんだもの。
別に後輩に憎しみや妬みの感情はない。ただ、わたしが開発のことで分からないことを相談した時に平気でタメ口で話しかけてくるのには、さすがにちょっとイラッとする。
決して故意ではないと分かってる。だけど、ふとした後輩のタメ口に、嫌でも自分の能力の低さを見せられつけられてる気がしてならない。「わたしは後輩にとって下位の存在でしか見られてないんだな」と思ってしまうのだ。

ただ、そこで自分の開発能力の低さに僻んだって、今のわたしの苦しみは昇華されることはない。
今のわたしには開発能力こそ低いけれど、ケアストレスカウンセラーの知識量だけは社内の誰もわたしに叶わないと思ってる。
満足に開発ができないからって、別の分野でマウントを取りたいわけじゃない。わたしの居場所はここじゃないってことを言いたいだけ。
だから、昨日の上司の言葉で心に傷を負わされたとしても、出社拒否という白旗をあげたくない。
絶対に今のあなた達より100倍、いやそれ以上にしあわせな未来を築きあげてやる。
そう心のなかで改めて決意し、今朝はいつもより2倍の量のプロテインをガブガブ飲み干した。

仕事に行く時間までケアストレスの学習を進める。復帰して間もない2020年の1月。秋の情報処理技術者の試験に合格して会社に貢献してほしいと言われた。
だが、今のわたしはそんな資格を取得するつもりは毛頭ない。だって、今のわたしにとって魅力も必要性も感じられないんだもん。
それにわたし、誰かに言われて好きでもないことするほどお人好しじゃないし、何より虫唾が走るくらい大っ嫌いなのよ。会社貢献?ホント反吐が出る。人の幸せを勝手に決めつけんなよ。
ごめんなさいね〜?腹が立つなら今すぐわたしの首、切ってもいいのよ?ただし、その場合はこちら側もそれ相応の対応をさせてもらうから。
適応障害で復帰訓練中のわたしをクビできるならやってみな?自分の日記にはめんどくさくて書かないけど、労働基準法やら何やらが複雑に絡みあって絶対にできないはずだから。というか、無理無理!
わたしが退職願と退職届を出すまで、おとなしく首洗って待ってな。

10時30分に出社。
大会議室で今年の新人たちがマナー研修を受けていた。お茶出しや電話対応の練習。
今年は新人の人数が多い。わたしが入社した時はわたし含めて3人しかいなかった。
しかも今年はコロナの影響で、新人たちは4月から6月末までテレワークで外部の技術研修を受けていた。その新人たちが7月からは本社にてOJT研修を進めていたという。大変だったろうに…
例にもれず、わたしも入社してからの3か月間は、外部でJavaやらHTMLやらSQLやら開発に不可欠な技術を片っ端から叩き込まれた。そのうえJavaの末端の末端の資格を強制的に取らされた。自分で言うのもなんだが、よく短期間のうちに合格できたと思う。
(この辺の話は、機会があればポガティブらじおで詳しく話そうと思う)

自席について、社用PCの準備を整える。
チャットに「今日の業務を開始します」と宣言する。
あー…今日は何をやらされるんだろうと構えていたら、真っ先にPCの棚卸し作業を依頼された。要するに、雑用。
そりゃそうだ。開発もロクにできない、直近の資料作りもない。完全にその日暮らし状態となったわたしができるのは雑用くらいしかない。郵便物を受けとったり、倉庫にあるPCの整理や端末修理の申し込みなどで午前中の作業は終了した。

お昼休み。小さなおかずのみで構成されたお弁当を食べ、残った時間で「アドラー心理学入門」を堂々と読んだ。わたしなりの会社への小さな抵抗のつもりだった。
「嫌われる勇気」や「幸せになる勇気」と同様、作者の岸見一郎先生は専門用語を多用せず、読者にとって分かりやすい言葉を選んでいる。
それに、今回の本はアドラーの生涯はもちろん、アドラー自身がどのようにして心理学を確立させていったか詳細に語られていた。アドラーが、実は病弱だったこと。優秀な兄に劣等感を覚えていたこと。娘の1人が政治的な嫌疑を受けて失踪してしまったこと。
今でこそ「アドラー心理学から学ぶ〇〇!」と銘打ったタイトルの本で溢れかえっている。だが、そういった本を読んでいる人の何割がアドラーの紆余曲折だらけの生涯について興味を示しているのだろうか?
アドラー心理学とは、アドラー自身の壮絶な生涯から生まれたものだとわたしは思う。
人はみな、アドラーの心理学に惹かれて本を読む。だが、読み終えた人々は「理論は正しい。でも実践が難しい」と口々に言う。そういった人たちは、ぜひともアドラーの生涯に触れてから読み直してほしいと心から思う。かならず、世界の見方が変わるはずだから。

…と、昼休みに読んでいた本の感想をメールの下書きに書いていたら、上司から新人の作った設計書のレビューに参加しない?と誘われた。
まぁ、レビューくらいなら何かわたしも力添えできるかしら?現場で設計書のレビュー地獄を死ぬほど味わってきたし。それに、何よりわたしの二の舞を踏んでほしくない。そう思いながら、わたしは快く上司に参加すると伝えた。
そして始まったレビュー。新人たちは、やや緊張した面持ちで作成した設計書の説明を始めた。
うん、はじめてのレビューってやっぱりド緊張するよね。わたしも初めて現場の人に説明するとき、頭の中が真っ白になって何から話せばいいか分からなくなっちゃってフリーズしちゃったもん。
ところが、レビュー中に事件が発生した。システムに関する理解が不足していたせいか、新人の何人かで認識のズレがあったらしい。
そのため、レビューは一進一退を繰り返したり、どこが間違ってるか他人は分かってるのに本人がどう間違ってるか理解できない点が続出した。まずい、これではプロジェクトの輪が乱れるし、指摘をお願いしても間違った修正が反映されて手戻りが発生してしまう。

新人たちがあーだこーだピーチクパーチク議論を繰り広げてる中、上司は眉をハの字にして困り果てていた。あー…今メチャメチャ頭の中が混乱してるんだろうなー… 心中お察しします。
これでは、いつまで経ってもレビューが終わらないし、わたしの終業時間も過ぎてしまう。
そこで、わたしは即席のレビュー記録表を作成し、すぐに新人OJT用のグループチャットに投げつけた。
同時に、新人たちの間でこれ以上システムの認識ズレを発生させてはならないことと、修正の手戻りが発生しないようレビュー記録表にメモってもらった方がいい。そう上司に進言した。
そこでハッと我に返って、なに偉そうなこと言ってんだ?と自問自答した。やばい、上司に文句言われる。
…かと思いきや、上司はこの提案を二つ返事で受け入れた。そして「今すぐ新人たちに共有して」と言われ、急いで新人たちに記入の仕方や使い方を教えた。

ただ、新人からしたら「今まで黙ってたのに、いきなり何だよコイツ?」と思われただろうなぁ。だいぶドライな態度で説明もしちゃったし…
でも、せっかく3ヶ月の研修を乗り越えてきた新人たちが、いざ現場で働くことになった時、わたしのような苦しい思いを味わってほしくない。
誰かが言った言ってないで上司同士が揉めあって、その結果「知識の浅かったmarina*さんが悪い」と言われたのは記憶に新しい。犯人探しがそんなに重要なことなのかよ。
心と体をボロボロになるまで傷つけ、自信をズタズタに踏みにじり、生きる目的すら奪っていくような人達がこの世にはたくさんいる。そういった人の心を傷つけることでしか虚勢をはれない人たちの餌食になってほしくない。
それだけは伝わってほしいなぁ。
レビュー終了後。上司からは「ありがとう。さすが現場に出てただけあるね」と言われた。
当たり前だろうが、と言い返してやろうかと思ったけどやめた。あれは全部わたしが勝手にやったことだし。とりあえず、愛想笑いだけ返しておいた。

終業時間を迎え、新人や上司に挨拶を告げて逃げるようにエレベーターに乗る。
今日は本当に雑用ばっかりだったな。だけど、少しだけ新人とレビュー中に交流ができたのはよかったな。
初めて見る顔ばかりで、最初はわたしの方が緊張しっぱなしだった。うまく話せるかどうか心配だった。
だけど、そんな心配は無用だった。自分の言いたいこと全部言えたし、何より昨日の上司からの「無能」発言を撤回できた気がしてスッキリした。

会社からの帰り道。なんとなく自室に飾る花束が欲しくなったので、かわいいブーケ型の花束を買った。

わぁ、色鮮やか。そして、めちゃんこかわいい。
帰り道の途中、雨が降っていて少し憂鬱だった。だけど、買った花束に目をやると、すぐに気持ちが晴れやかになった。あぁ…植物好きで本当によかった。

家に到着し、さっそく花びんに花を生ける。
殺風景だった窓辺が、一気に色鮮やかな雰囲気に包まれた。

どうしよう、いつまでも見ていられるなぁ…
汗でベタベタした肌なんか気にせず、しばらくいろんな角度から花を眺めた。
よし、もっと窓辺に植物を増やそう。ハーブティー好きだし、ミントとか育ててみようかな?
いつか、大好きな花や植物に囲まれた空間で、いろんな人の感情に触れあう仕事がしたいなぁ…
忘れずに「人生でやりたいことリスト100」に書いておかなくちゃ!

明日はネイルサロンの日。前回はアラビアン風のデザインにしてもらった。

明日はシンプルだけど、涼しげな感じのデザインにしてもらおうかな?

あ、そういえばラジオのコーナー用のキャプチャー作るの忘れてた!
リスナーさんに思いっきり楽しんでもらえるように、わたしも全力で盛り上げていかなくちゃ!

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