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適応障害とわたし@2020/6/9

夜中に突然、自宅の玄関のカギが「ガチャンッ!」と鳴った音にハッとして目が覚めた。誰?今夜は誰も出かける予定なんかなかったはず。
もしかして泥棒?空き巣?いろんな不安や恐怖が襲ってきた。おそらく起きているのは今のわたしだけ。
それなら、わたしが責任もって確かめにいかないと。そう思ってベッドから急いで起き上がり、素足でひたひたと音を立てないように階段を降りる。
途中まで降りたところで足を止めて、玄関のカギを遠くから目視で確認する。玄関のカギは緑色に光っている。つまり、カギは開けられていない。ついでに言うと、人の気配はわたし以外に感じられなかった。

とりあえず何も無くてよかった。
…と、ホッとして眠れればよかったけれど、そうは問屋が下ろさない。重大なことに気づく。これはいつもの中途覚醒。しかも幻聴というおまけつきの。あまりにも心臓に悪すぎる。
5月の時点では、症状はまだ軽いものだった。1週間に2、3回あるかないかの頻度で夜中に突然パチっと目が覚めるくらいだった。
それを心療内科で相談したら、違う睡眠薬を試してみるか?と問われた。けれど、以前に少し強めの睡眠薬を試したところ、日中に強い眠気とふらつきに襲われた。それが怖くてしかたなかったので、とりあえず精神安定剤の量を増やすことで様子をみることにした。

けれど、症状は軽くなる気配はまったくなかった。それどころか日を追うごとに目が覚める頻度が増えていく。同時に寝つきも悪くなっていく。
なんで?どうして?薬を飲めば治るものじゃないの?
単純に薬が自分に合ってないだけ?それとも無意識のうちにストレスが溜まっている?なにも分からない。考えれば考えるほど、眠れなくなる。怖い夢をみる。最近は眠ること自体が怖く感じられてきた。
「わたしが一体何をしたって言うの?」
「わたしは死ぬまで中途覚醒に襲われながら毎晩眠りにつかなきゃいけないの?」
「神さま、これは何かの罰ですか?」
そう思いながら朝がくるのを待ち続けた。

まぶしい太陽の光と寝苦しさで目を覚ます。気がついたら眠っていたらしい。だが、寝覚めは最悪。変な緊張感と気だるさ、その他よく分からない不快感が体中を駆けめぐる。起き上がりたいのに起き上がれない。
ベッドに仰向けになって白い天井を眺めながら思った。これじゃ自分で起き上がれない要介護者と同じじゃないか。起き上がれる状態になるまで、そう自分のことを嘲ることしかできなかった。

それでも、今日は月一の通院日だから起きなくちゃいけない。とにかく睡眠薬の相談をしなきゃ。その強い思いが体にも伝わったのか、なんとか這い上がるようにしてベッドから体を起こすことができた。
どんなに寝覚めが悪くても、朝のルーティーンは絶対に途中でやめちゃだめだ。そう言い聞かせながら、いつものようにストレッチをした後にプロテインとサプリメントを腹に流し込む。これでまた体重が減っちゃってたらどうしよう。また上司に「痩せられていいなぁ」とか言われるかもしれない。まったく嬉しくないし、それ以上に虫唾が走る。
父も母も妹も会社のだぁれも、この辛さと苦しさなんて分からないんだろうなぁ。「わたしより何倍も気楽に生きられて、さぞかし幸せでしょうね?」そう言い返せたらいいのに。自室の窓辺で太陽の光を浴びながら、身内や主治医にも吐露できない思いや悩みを抱える自分に嫌気がさした。

出かけるまで時間があったので、ケアストレスカウンセラーの勉強を進めた。今日は第2章。今朝はストレス疾患の種類の睡眠のメカニズムを学んだ。中途覚醒に悩んでる身としては無視できない内容ばかり。試験日までに少しでも良くなってることを願いながら用語と疾患別の特徴を頭にたたき込む。
もう中途覚醒への怨恨が半端ないので、帰ったらポップアートでも作ろうと決心した。

心療内科へ行ったら、先月より混雑していた。座る場所を見つけるのがやっとな状態。3密MAX。人混みが苦手な自分には過度なストレス。ストレス値の計測機がその場にあったら、多分わたしの値は最大値を振り切って機械を故障させるだろう。
予約した時間の20分後にわたしの番が回ってきた。
まずは仕事のことを話した。近所のサラリーマンや他の部署の人が電車で出社するようになったけど、自分は依然として在宅ワークであること。それにホッとしてること。主治医からは、その調子で自分の体調やペースに目を向けながら、周囲に左右されず仕事ができる心境づくりを目指していきましょうと言ってもらえた。

そして、問題は中途覚醒の相談。ちょっとだけ話すのが怖かったけれど、思い切って昨夜の幻聴や寝付けなかったことを話した。話し終えた後、気持ちがすこし晴れた安心感からか、涙がこぼれた。マスクしててよかった。あの時のわたしは涙と鼻水でクシャクシャだったと思うから。
主治医からは、やはり悪化してるので薬の組み合わせを変えるべきだとお達しを受けた。とりあえず、今服用している薬と合わせて、効き目が長く持続する薬を追加してもらった。
日中の眠気とふらつきが強く出た以前の薬より、純粋に眠りに特化した薬のようなので、その点にも安心感を得られた。
その一方で、なんか薬の量ばっかり増えるばかりで本当に寛解できるのか?という不安が強まった。帰ってきて改めて薬の量を確認するけど。これはさすがに増えすぎ。もう病院通いばっかりしてる老人と一緒じゃないかというレベル。

これで少しはよくなればいいのだけれど。なんか赤いパッケージの薬、見た目の印象が怖い。ホントに飲んで大丈夫なやつ?って思えてくる。いや、それを言ったら朝のイフェクサーも見た目ピンクでちょっとドラッグみたいな見た目で怖いんだけど。
あーあ、薬漬けの生活からはやく脱したい。

自宅に帰る途中、セブンイレブンで昼食を買ってきた。前回食べたサラダチキンが美味しかったのでまた買ってきた。
さすがにサラダチキンだけだとカロリーが足りないので、今回はエッグポットも一緒に買った。こうなったらちゃんと体重増やして中途覚醒と戦わないと。

…ダイエット中のOL?それとも鍛錬中のボディビルダー…?いや、単純にブロッコリーとゆで卵が好きだから買ってきたんだけど。これで少しでも脂肪やら筋肉やらが増えてくれたらいいなぁ。
今日の心療内科でも、前回の採血結果を見せながら「中性脂肪がちょっとだけ低いですね」と言われた。その後に「まぁ、そこまで気にするほどの値じゃないので大丈夫です」と言われた。先生、最低値より10も低いのが個人的にすごく気になるんですが。中性脂肪の欄だけグレーになってる部分をガン見しながら、余計に自分の体型へのコンプレックスが強まった。

食事中、どうしたら「わがままボディ」を手に入れられるか真剣に考えた。ダイエットしてるわけじゃないのに、なぜか胸やあばら部分から脂肪や肉が落ちていく。最近は骨盤まわりも骨の形が見て分かるほど痩せてきた。もうこんな貧相な体を毎日風呂場の鏡で見たくない。満島ひかりちゃんみたいな健康的でキレイな体型を手に入れたい。それにはまず、標準体重まで体重を増やさないと。
だからと言って、無理に暴飲暴食してホルモンバランスを崩したり肌荒れを起こしたくない。こっちを立てればあっちが引っ込む。もう!どうなってるんだわたしの体は!去年のわたしは握りこぶし大のおにぎりと、おかずのたくさん詰まったお弁当をペロリと食べていたのに。当時のわたしが今の自分を見たら、おそらく異常なくらい心配するんだろうなぁ。

昼食を済ませた後、今朝、中途半端に進めていたケアストレスカウンセラーの勉強を再開した。
WHOによると「真の健康」とは、身体的・心理的・社会的の3つの柱がバランスよく保たれている状態と定義している。今のわたし全部ダメじゃん。テキストとマーカーを片手に机に項垂れた。いや、そもそも適応障害の時点で健康じゃないけどさ…。
だが、この真の健康の定義について1つの疑問が浮かんだ。日本には真に健康的な人の割合はどれほどなのだろうか?
年間で高齢や病気で亡くなる割合より、いじめやうつ病など心への過度なストレスや過労が原因で自殺してしまう人の割合が高い国、それが日本。それを加味して考えた場合、日本には真に健康的な人の割合は低いのでは?と思えてきた。やはりこの国は昔からストレスケアへの関心が低いんだなぁと呆れながら学習を進めた。

今日の分の勉強を終えた後、そういえば中途覚醒のポップを作ろうと決めてたことを思い出した。
なので、テキストを早々に片付けておもむろにPCを開いた。
おのれ中途覚醒。許さんぞ中途覚醒。姿形の見えない何かへの怨恨をぶつけるように、画面の向こうのキャンパスに恨み辛みを思いきり表現した。
そして出来上がったポップが、こちら。

…いや、怖すぎ。病みすぎにも程がある。小さい子が見たら夜ひとりでトイレに行けないレベル。
いや、作ってる途中になんか毒々しい背景ができたなと思ったけど、その時はそこまで気にならなかった。だけど、完成後になってから作ってた時の己の心理状態が心配になってきた。もう出来上がっちゃったから心配しても遅いけど。
その一方で、今まで中途覚醒に抱いていたモヤモヤ感や不安や恐怖が少しだけ軽くなった気がした。おそらくポップ作りというアウトプットを通して、抱えていたストレスの発散ができたんだと思う。
そう考えたら、このポップ作りもなかなか有意義な時間だなと思えてきた。

それはそうと、あんたペンタブのイラストを取り入れたポップも作りなさいよ。というか、はやくデジタル画も描きなさいよ。もうひとりの自分がチクチクと痛いところを突いてくる。
いやいや、分かってますよ自分。わたしもそろそろデジタル画を真面目に進めようと思ってますよ。でも、まだ人物画とか服のシワとかをアナログで練習する時間が欲しいんです。
だから昨日メルカリでルーミス の「やさしい人物画」を買いましたよ。あの「全くやさしくない!」という口コミで有名なイラスト練習本。同時に「やさしい人物画」の効果的な使い方のサイトも見つけた。
これで人物画の練習は整った。あとは描いて描いて描きまくるのみ。
大丈夫。6月用の日記をまとめたマガジンの表紙はちゃんとペンタブでイラスト描くから。だって自分が毎日書いた日記をまとめたものだから、表紙も自分で描きたい。

6月はもうちょっと良いことが増えるといいなぁ。
そうしたら、明るくてかわいいイラストが描けると思うから。

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