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【ゲームの話】【#思い出のボードゲーム】ワールドタンクディビジョン

 ひさしぶりに、ボードゲームのデータベース「ボドゲーマ」にゲームレビューを投稿しました。

 レビュー対象のワールドタンクディビジョン(以下WTD)は、2003年に発売されたようです。

 最近古いUSBメモリの中を整理して、筆者が2004年にこのゲームについて書いたメモを見つけました。
 それをもとに簡単な紹介記事を書いたのが、上記のボドゲーマの記事です。

 ボドゲーマは、当然ボードゲームの基礎知識がある人が見る前提です。noteのこの記事で、若干の補足を加えてみたいと思います。

レビュー

 マップが数キロメートルの範囲を表すようなので、スケール的には作戦級に分類されるものだと思います。

 実際に、作戦級ゲームのルールにつきものの、移動力・戦闘結果表(CRT)・スタックの要素があります。

 ただしマップはヘクスではなくてエリア方式なのでより抽象度が高く、戦略級を目指しているようにも見えます。
 タイトルの「ディビジョン」は師団という意味なので、仮に1コマが師団単位だとすれば、やはり戦略級です。

 そして、戦車1台づつを指揮するテイストも加味していて、それは戦術級の守備範囲とも言える。

 つまり、ウォー・シミュレーションゲームのいろいろな要素のいいとこどりを狙っているように見えます。

 その狙いが当たったかどうかは、戦車ファンをボードゲームにどれくらい引き込めたかでしょう。

 続編「ワールドタンクディビジョンII」があるので、ある程度成功したと思いたいですね。

 ただし、本作のタイトルの略称が"WTD I"となっているということは、最初から続編を出す予定だったのかもしれませんが。。。

ワールドタンクディビジョンのレビュー by ぬまっち(nmachida)|ボードゲーム情報 (hoobby.net)

移動力

 移動力とは、一手で動けるマス数をコマの種類ごとに設定したルールです。
 へクスマップだと、例えば「速い戦車が、一手で10へクス動いて敵の背後に回る」ような作戦が有効ですが、WTDではエリアマップなのでそういうルールにはできませんね。
 だとすると、「遅い戦車が、移動しにくい地形に妨害されて動きが止まる」ような現象を表現しているのか。ルールの詳細が不明なので想像するしかありません。

戦闘結果表

 戦闘結果表(CRT:Combat Result Table)は、コマどうしの個々の勝敗の判定に乱数(偶然性)を導入するルールです。

 将棋やチェスでは、自分のコマが相手のいるマス目に入れば相手のコマを取れます。
 将棋を知っている方は、「飛車は強くて歩は弱い」と理解されていると思いますが、実は飛車と歩兵の違いは移動力だけで、戦闘力は同じと言えるのです。
 つまり、「駒の種類に関わらず、そのマスに後から入った側(=攻撃側)が、前からいる側(=防御側)に100%勝利する」ルールです。

 本当に「飛車は強くて歩は弱いゲーム」があるとしたら、飛車のいるマスに歩が入ってきた場合に、「サイコロの目が6のときだけ歩が勝って、その他の1から5では飛車が勝つ」というルールにするはず。

 将棋であれば駒が10種類(玉将、竜王、竜馬、飛車、角行、金将、銀将、桂馬、香車、歩兵。成金は金将と同じ。)なので、10種類×10種類の相性を全て定義することも可能です。
 しかし、一般的にはもっとコマの種類が多いので、歩兵=1、金将=3、飛車=5などのように戦闘力を設定しておく。
 その数値の比率や差を一方の軸にして、サイコロで作成した乱数をもう一方の軸にした早見表が、戦闘結果表です。

CRTの例。『ウォーゲームハンドブック2015』付属ゲーム「ワーテルローの戦い」

 WTDでも、戦車の種類ごとに戦闘力が違い、例えば「フランスのルノー戦車でドイツの四号戦車を撃破した!ブラボー!!」という状況を作りたいのだと思います。

スタック

 スタックとは、同じマスに複数のコマが入って戦闘力を合計すること。
もともとは積み重ねるという意味で、マスが小さいゲームでは、本当に積み重ねます。
 そうすると下のコマが見えないので、確認する場合はピンセットでつまんでスタックをバラすという、信じられないような手間をかけます。

 このスタックを、「1マスに2コマまで」とか「10戦力まで」とかに制限するルールをつけることがあります。
 例えば「100平方メートルのマスに戦車100台を集めて重要拠点を死守する」ような非現実的な作戦を禁止するわけです。

 WTDでは、1エリアの広さと1コマがそれぞれ何を表現しているのか不明なので、何とも言えません。

あとがき

 元記事にも書いたように、現在現物が手元になく、当時のメモをもとに書き起こしています。記憶違いがあればご容赦下さい。

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