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【Footballの話】FIFAワールドカップQATAR大会雑感(その1 歴史編)

 4年に一度のフットボールの祭典!
自分自身は競技経験がないので頭でっかちですが、いろいろ思うところがあるので、書き連ねてみようと思います。


ドーハの悲劇

 アメリカ大会予選の「ドーハの悲劇」は、筆者はテレビ観戦はしておらず、翌日のニュースで見たと記憶しています。
 その試合の直前、競馬欄を見るためにスポーツ新聞をめくっていると、アジア予選の最終イラク戦に日本代表が勝利すればアメリカ大会に出場できることが書いてありました。
 そもそもFIFAワールドカップに興味を持ったのはそのときです。

 それから29年で日本代表チームは着実に進化して、今回は予選ではなく本大会出場国としてドーハに乗り込みます。

 しかし、その間我が国の経済成長は止まったまま。それに対して、経済成長を果たしたカタールは全然別の国になっている。
 もし筆者が今カタールで現地観戦するとしたら、まずその残酷な現実を見せつけれられて、むなしさを感じるだろうと思いますね。

この記事の見出しについて

 個人的に、「サッカー」ワールドカップと呼ぶのは好きではありません。

 ドーハの悲劇と同じ時期、1993年春にJリーグが開幕しました。
 子供の頃にプロ野球観戦が好きだった筆者が「推し変」したのはそのときです。
 当時アメリカと日本などの数か国にしかプロリーグのない「ベースボール」よりも、世界中でプレーされている「フットボール」の方が視野が広がると思ったのです。

 そして、視野が広がった筆者はやがて違和感を覚えることになります。
 「サッカーをサッカーと呼ぶ国」は、筆者が知る限りですが、アメリカ、日本、オーストラリアの三か国くらいだと気づいたのです。

 そのほかは、Footballフットボールのように「足と球」が語源の単語だらけです。
 ドイツ語のFuβballフスバルやスペイン語のFútbolフトボルなどはそのままだし、中国語の足球ズーチョウなども。
 イタリア語のCalcioカルチョや韓国語の蹴球チュクなども「蹴る」ですし。

 アメリカではフットボールと言えばアメリカン・フットボールのことで、オーストラリアにも同じく別のフットボールがある。それは仕方がない。
 日本にはフットボールと呼べない理由があるようには思えないのですが、なぜかサッカーと呼ぶ。

 日本の常識は世界の非常識。少なくとも筆者は見出しに「サッカー」とついた記事にはしたくなかったので、「FIFAワールドカップ」としました。

E組初戦ドイツ戦について

 森保一監督の采配については、識者の方々がいろいろに語られている通りだと思いますのであえて語りません。
 個人的に選んだMVPについてのみ、これも個人的な感想を添えて書いてみます。

 総力戦で勝利したので、実はMVPを選ぶのは難しい。解説者が5人いれば5人違う名前が出るのではないかと思います。

 筆者は最初はGK権田かなと思いました。特に0-1の時間帯で好セーブを連発して追加点を許しませんでした。それがチームを鼓舞したことは間違いありません。
 しかし、前半の失点をきっかけに大量失点でギブアップの可能性もあったのだから、結果オーライだった感が否めない。

 次に考えたのはDF板倉で、決勝点につながるロングパスで攻撃にも貢献した形になりました。
 しかし、FW浅野を狙ったのは確かなのでしょうが、自分には「守備陣に疲れがたまっていて、時間稼ぎのつもりで大きく前に蹴った。雑なロングボールだったが、ドイツの守備陣はもっと疲れていて結果オーライになった」ように見えました。

 最終的に達した結論はMF遠藤です。90分間ハードワークして、自分がすべき仕事をこなし、ミスらしいミスもない。

 あのジョゼ・モウリーニョが日本に来ていて、「日本人選手で欲しいのは鎌田だ」と言ったらしいですが、本音では遠藤や守田なのではないかと思います。特に守田は、ポルトガルでプレーする攻守にバランスのとれたボランチという点で、FCポルト時代のデコとイメージが重なります。

世界のTOMIYASU

 森保監督にマイナス点をつけるなら、昨年の東京五輪のときにも思ったことですが、DF富安健洋を雑に扱いすぎではないかという点です。

 昨年の五輪前に職場の同僚でリモート飲み会をしたときのこと。当時ブームを巻き起こしていたMLB大谷翔平選手が話題になりましたが、筆者は「いや、サッカー界にも富安がいますよ!」と力説しました。

 しかし東京五輪では体調不十分な状態で起用されて、中途半端なパフォーマンスに終わりました。今回も黄色信号が灯っているように思います。

 くれぐれも、「富安が大谷翔平になれずに(テニスの)錦織圭になってしまった」ということのないように祈ります。
 (テニス好きの方ごめんなさい。ケガが多くて高いパフォーマンスを持続できないという意味です。)

マイアミの奇跡

 4年前のロシア大会のベルギー戦後に、当時の西野朗監督が「何が足りないんでしょうね」と報道陣に問いかけました。
 それが「強豪国に勝つには」であれば、今回で答えが出たと思います。ただし「ベスト8に行くには」であれば、まだ答えは出ていません。

 ワールドカップではないですが、1996年のアトランタ五輪でブラジルを破るという、今回のドイツ戦とは比べ物にならない本物の奇跡を、筆者はテレビで見ていました。

 そのときは次戦でナイジェリアに負けます。ハンガリーには勝って2勝1敗という好成績でしたが、3チームが勝ち点6で並び、得失点差で日本はグループリーグを敗退することになりました。

 今回、仮にドイツがチームを立て直してスペインとコスタリカに勝つとします。その場合には日本がコスタリカに勝っても、スペインに負けたらやはり2勝1敗の勝ち点6で3チームが並ぶことになります。
 やはり、グループリーグを確実に、しかも勢いのある状態で突破したい。スペインからも勝ち点を奪うことが「ベスト8に行くには」の答えになると思いますが、どうでしょうか。

(その2 監督編)へ続く

貴重なお時間を使ってお読みいただき、ありがとうございました。有意義な時間と感じて頂けたら嬉しいです。また別の記事を用意してお待ちしたいと思います。