大企業病のコストとは
はじめに
人材開発/組織開発界隈では、随分前から「大企業病」がバズワードになっている。これは、日本企業がパフォーマンスを出せていない原因が「大企業病」に形容される組織体質(組織文化がより正確な語)にある、という理論に一定の説得力があることを意味する(例えば、こちらのサイボウズさんの記事)。
それでは、大企業病は一体どのようにパフォーマンスを阻害するのだろうか。
本稿では、上記の問いに対してヒントを提供すべく、HBRの記事「Assessment: Do You Know How Bureaucratic Your Organization Is?」をもとに、官僚主義の7つのコストについてまとめる。
大企業病とは
大企業病とは、主に大企業で見られる非効率的な企業体質のことである。” 組織が大きくなることにより経営者と従業員の意思疎通が不十分となり、結果として、組織内部に官僚主義、セクショナリズム、事なかれ主義、縦割り主義などが蔓延し、組織の非活性をもたらす。(Wikiより)"
官僚主義の7つのコストとは
Gary HamelとMichele Zaniniによると、官僚主義の組織文化が組織に与えるコストは以下の7つのカテゴリーに分類される。
1. 膨張:管理者、管理者、管理レイヤーが多すぎる
2. 摩擦:タスクが多く、意思決定が遅れる
3. 隔離:社内の問題に費やす時間が長すぎる
4. ディスエンパワメント:自律に対する制約が多すぎる
5. リスク回避:リスクテイクに対する障壁が多すぎる
6. 慣性:積極的な変更には障害が多すぎる
7. 政治:権力と影響力を得ることに費やされるエネルギーが多すぎる
あなたの組織に当てはまるものはありますか?
私の知る限り、日系の多くの企業において、どのコストも顕著に現れているケースが多いように思う。
官僚主義が全くダメだと言っている訳ではない。外部環境の変化が少ない(競合も顧客の要求も変化が少ない)時代においては、官僚主義の採用によってもたらされる一定の"安定性"が恩恵を与え、経済的合理性を有していた側面はあったのだろう。
しかし、外部環境の変化が大きくなり、持続的な成長のためにより市場や顧客など社外の声を聴くことを求められるようになった昨今、官僚主義がもたらすコストはバカにできないものになってきているのではないだろうか。
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