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最後に見る桜は

3月終わりごろの話。

日本航空のBoeing(ボーイング)777-200ERという機材が全機退役しました。

通称トリプルセブンと言われているこの機材、
ファンも多くいて、私もその1人です。

約25年間日本の空を飛びまわり、
海外も飛びまわっていた
JALさんの主力機材でした。

福岡空港にもコロナ以前は毎日来て
主に羽田空港に飛んで行ってました。

その機材が今年3月をもって国内線から退役してしまいました。

退役理由としては様々で、
大量輸送時代ではなくなったことや、
コロナ禍となり維持費がかかること、
そしてその中で発生した他社でのエンジン問題
などなど、様々な要因が絡み合い
退役に至ったと言われています。


10数年前、父親と出かけた姉が帰ってくると
家に残っていた私と母に

「二階建ての飛行機があってね!!」
「タイヤ6つ着いてる飛行機が
トリプルセブンでね!」

と力説を始めました。

JALさんの航空教室に参加した姉は
ルンルンでその後教えてもらった折り紙ヒコーキを折り始めました。


トリプルセブン。



その響きがなんだか好きで
タイヤ6つとかは忘れてた覚えた名前。


そして後日、家族で空港に行く機会があり
車で向かっていると、ビュンッと着陸前の飛行機が通った瞬間、

「タイヤ6つ!!トリプルセブン!!」

姉が隣で言い当てました。


トリプルセブン…タイヤ6つ…大きな飛行機…

幼稚園生だったけど飛行機に特徴がある事に
気がついた衝撃は覚えてます。

その後デッキに着くと、他の機種も
姉は大喜びで私にも教えてくれました。

トリプルセブンより小さくてタイヤが片方に二つ付いているのが767。
ウイングレットが先に着いてるのが737。

教えてもらうと飛行機はそれぞれ特徴があって
見るのがとてもワクワクし始めました。

飛んできた飛行機を見てあれがなんの機種か
当て始める小学生(女子)と幼稚園生(女児)って
きっとマニアックな女の子たちに見えたんだろうなと今思いつつ。

初めて覚えた飛行機。教えてもらった飛行機。
私の飛行機好きの始まりは

「タイヤ6つトリプルセブン」

からでした。

その後もディズニーランドに行く時にも
お世話になったトリプルセブン。

嵐ジェットや怪物くんジェット
あの時も塗装された機体は
トリプルセブンでした。

たくさんお世話になった機材でした。

まだ使えるのに。
大好きな人達いっぱいいるのに。
どうして置き換えられてしまうのか。


ふと思ったのが、
10数年前、ジャンボことB747の退役が
決まった時もジャンボを愛したファンは
今私と同じような思いだったのかなと。

ジャンボの退役後その後を継いだのは
トリプルセブンでした。

きっとジャンボが大好きだった方々の中には
トリプルセブンが跡を継ぐことに、
嫌悪感を持った方もいるのではないかと思います。

そして今トリプルセブンの後継機はA350。

A350もでかいじゃん!!
トリプルセブンでいいじゃん!!

と思うのがオタク正直なところですが、
燃費やCO2排出量など、
航空会社の今後の社会的責任を踏まえると
悩ましいところです。(A350の方がCO2排出量は少ないのです……)

彼らの今後はどうなるのか分かりません。

アメリカの砂漠で次のご主人を待つのか、
解体されてそれぞれ誰かの一部となるのか。


退役間近の中、桜は満開になりました。

今年は少し早めの満開。

満開の桜の上を飛ぶことができてよかった。

彼らが桜を見ることはもう出来ないから。

最後に見た桜はどうでしたか?

会社の危機も間近で見てきたあなたたち。
約25年間日本を繋いでくれてありがとう。

またね。鶴丸B777-200ER











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