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空白の時間を埋めてくれたもの

写真展『エンドロール』を終えて

11月26日と27日の2日間で写真展を開催していました。

「終末世界」をコンセプトにした高校の同級生との2人展。

写真展の開催が決まったのは約1ヶ月前。

将来のことを漠然と考える中で、今までの自分についてよく振り返るようになりました。

振り返るたびに思い出すのは、

自分を形造っていたものが失われた時間。
それによって、進んでいる人達がいる中立ち止まることしかできない自分に対する
恐怖、無気力、もどかしさ、遣る瀬なさ

そんな記憶と感情たちでした。


2020年から、1年を終える度
「なんだかんだ楽しかった1年だったかな」
と思えていたけれど、ある程度自由に動けるようになってきた今思うことは
やっぱりあの2年間は”空白の時間”だったんじゃないかということ。

空っぽな時間を、何か形にできたら少しは報われるだろうか。

そんな想いから友人に声をかけました。

ドキドキしながら声をかけた日。


今回の展示のコンセプトである「終末世界」
毎日を必死に繋げていたあの頃の私たちがよく電話をしていた時に友人が溢した言葉。 


「これってわたしたちの世界が終わったようなものだよね」


この言葉が今回の展示の原点です。

一度、全てがリセットされた私たちだからこそ
今残しておきたいこと、誰かに伝えたいことが
「終末世界」を軸に写真と文章で表現できるのではないかと思いました。

“もしも明日世界が終わるとしたら私たちはどんな1日を過ごすだろうか“

「きっと早朝から遊ぶよね」 
「喫茶店と公園はマスト」
「お昼はラーメン!」
「大事な人に手紙を書くだろうな」
「最後は海で夕陽を見たいね」

こんな風に
やりたいことを全部詰めた最期の1日を
1本のフィルムで撮り残す。  

だから『エンドロール』

DM用に何度も書き直したエンドロールの文字


展示の開催が勢いで決まったこともあり、短時間でやらなきゃならない事が山積みの中、

26、27日しか実現できそうにない状態で取ることのできたギャラリーの予約。
その日しか予定の合わなかった撮影日は見事な快晴。

そんな奇跡の連続で展示を実現することができました。

撮影日の早朝。

展示1日目の朝。
実際に壁に貼ってみると、用意していた写真が思っていたよりも小さいというハプニング。

そのため、追加で写真を印刷しに友人が駆け巡ってくれて、30分遅れのスタートとなりました。(次に展示をする時はもっと大きなサイズにしなきゃね)

大切な写真たちで埋まった壁

お客さんは来てくれるだろうか。
そんな不安な気持ちいっぱいで始まった展示でしたが、2日間で沢山の方が足を運んでくれました。

1日目に頂いた差し入れ
2日目にも、感動しました。

事前に「行くよ」と声をかけてくれていた友人や家族だけでなく、
サプライズで来てくれた友人。
Instagramを見て来てくれた方。
ふらっと立ち寄ってくれた方。
覚王山アパート内の作家さん。

様々な人との出逢いがありました。

覚王山、素敵な街。

展示中は、見に来てくれた方一人一人に展示の概要や想いについて話をさせて頂きました。
つい長くなってしまう話を、皆さん頷きながら聞いてくれて、沢山のあたたかい言葉をくれました。
それがすごく嬉しかったな。

お話し中。
photo by @_shota.photos


「きっと幸せな1日だったんだね」
「つい流れていってしまう日々だけど、1日ってこんなに素敵なものなんだなと思いました」
「この写真と文章がすごく好き」

と写真に対して様々な感想をくれたり、

「私の娘も同じような環境で」
「私もなかなか外出できなくなって」

と私達の想いに共感してくれる方がいたり、

「感動しました」
「来て良かったです」
「良いものが見れました」

なんて嬉しい言葉をくれる方がいたり、

写真を通じて沢山の方と繋がることができました。
一つ一つの言葉が宝物です。

あと、フィルム世代の方々とフィルムカメラについて話ができたことも嬉しかったな。

写真も購入してもらえて嬉しかったな

初めての展示で不安なことばかりだったけど、
今、実現することができて
本当に良かったです。

あの空白の時間があったからこそ、今この幸せな時間があるのだと思うと、少し救われた気がします。


“一度世界が終わったとしても、新たに始まった世界を生きている今が、私たちはとても愛しい。”

展示で表現したかったことです。

それを、展示を終えて改めて感じることができました。

足を運んでくれた方、行きたかったと連絡をくれた方、本当にありがとうございました。

そしてなっつん、
私と一緒にやってくれてありがとう。

いい写真すぎる。

終わったばかりだけど、実はまだまだやりたいことが頭に浮かんでいます。
今回の反省も活かして、
また何かの機会にできたら良いな。

次開催する時には、何を撮りたいと思っているだろうか。

もっと成長した姿でさらに良い展示を作ることができたらいいなと思っています。


その時は、是非見に来てくれたら嬉しいです。

展示した中で1番のお気に入り。
Instagram↓
写真展『エンドロール』
http://Instagram.com/endroll_exhibition
Nanami http://Instagram.com/nm_73n

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