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Jリーグはスタジアム頼りで成長できるのか?

日本で人気のプロスポーツといえば、まずは野球、次にサッカー、その後は見方によりますが、ゴルフ、テニス、バスケットボール、バレーボールあたりが順不同で並ぶ形ですが、実はBリーグが2016年から足掛け8年でB1チームの営業収益が400億円を超えており、プロスポーツ第三の地位を作った上にJリーグの地位も狙えそうな位置が見えてきています。

Jリーグの最近の状況

一方のJリーグはといえば、J1チームの営業収益が863億円とコロナ禍を乗り越えてここから成長と行きたいところですが、リーグができてから30年を超えて次なる一手が気になるところではあります。
そこで、最近のチェアマンのインタビューを読んだのですが、次なる一手で具体的なものはといえば、なんとスタジアム頼りという、いつの時代のチェアマンなのかとびっくりしてしまうのです。インタビュー記事の要約を以下に記載します。

野村チェアマンのインタビュー記事要約

Jリーグの成長と選手待遇
Jリーグの立ち位置は30年間で大きく変わり、現在はJ1~J3で1700~1800人のJリーガーが活躍している。野々村氏は選手たちの年俸や待遇について、過去と現在の変遷を踏まえ、Jリーガーの水準や世界市場の影響を考察している。

Jリーグの経営規模と世界市場
Jリーグクラブの経営規模が世界トップクラブとの差が議論されるなか、浦和レッドダイヤモンズの売上高の例を挙げつつ、Jリーグが世界市場で競争力を持つためにはどのような戦略が必要かを考察している。

Jリーグクラブの成長と課題
Jリーグクラブの経営目標として、売上高200億円を目指す課題について論じており、観客数の増加や新たな本拠地の必要性、インフラやハードの改善が重要であり、世界市場との競争に向けた取り組みが求められている。

evernoteのAI編集

ソフト面の大きい問題

そもそもの問題点として、今のJリーグはたまにしか見ない人たちに対するハードルが高すぎる。例えば、DAZN独占放送。サッカーが好きな人間ですら月に数千円も払ってまでJリーグを観たいかという問題があるのに、ソフト層は無理。まだDAZN独占配信契約は残っているのでしょうが、少なくとも、地域の放映枠は格安にする契約なんかを各クラブと締結するか、映像制作委託兼放映編集権みたいなものを付与して、地域の人たちが触れる機会を増やさないことには全体のファンが増えない。
そこで、捕まえたファンたちをスタジアムにきてもらうのが次のステップ。ここもかなりの問題がある。ここ最近言われているのはスタジアムの閉塞感。もはや熱心なファンしかスタジアムにはおらず、一見さんお断りの雰囲気ができているという問題。とはいえ、殺伐とした雰囲気というのもサッカースタジアムの楽しみではあるので、ゾーニングというのが1つの解決策か。NPBでいえばテラス席とか、テーブル席みたいなもので家族やカップルで楽しんでねというゾーンを作るというのはあり。
これらはソフト面の問題で、これはリーグ全体で変えられるし、そもそも、ハードみたいに計画から完成まで数年かかるものではない。

ハードも大問題

魅力的なスタジアムを作ればそれでみんなJリーグを観にいくのか。NPBでは球界再編以降、ボールパーク化を進め、野球を見なくても楽しめるという環境づくりに成功しました。サッカーでも同じことは可能かというと、スタジアムの魅力と観客動員は連動しないと思います。例えば、NPBの場合、直近だと日ハムが札幌ドームからエスコンへ本拠地を移転したというのがありましたが、契約関係がこじれたというのが原因。エスコン自体が世界有数の魅力的な球場でありますが、札幌ドームに残ったままでもある程度の集客は維持できています。その前だと、カープが新しい球場に移転しましたが、それも広島市民球場の老朽化問題によるもの。つまり、NPBでの成功事例をみても、新しいスタジアムありきではないのです。
が、野村チェアマンの認識は私とは一致していないようで、プレミアリーグのクラブの移転を例にとり、各チームが新スタジアムへの投資を進めるべきと言っています。

トッテナム・ホットスパーやウェストハム・ユナイテッドFCなどプレミアリーグのクラブは、この10年間で新しい本拠地に移転しているところが複数あります。クラブの成長を考えたら、そこに投資するのは当たり前。

インタビュー記事より

そもそも、サッカーは週に2回しか試合ができず、多くても年間40試合。プレミアリーグは女子リーグも併設、アンダーのカテゴリーも整備され、欧州人にとっては数少ない娯楽施設の1つで地元の人の馴染みある場所にあるという点で日本でサッカー専用競技場を作る時とは前提が違います。
さらに、Jリーグには厳格なスタジアムの規定があり、その規定に引っかかるので、どんなに地元で盛り上がっても、Jリーグの試合ができない地方がいくつかあります。例えば青森はそもそも規格が充しておらず、秋田もJ2には上がれない状態です。

結論

上記の他にも、Jリーグの監督にはライセンスが必要とか、すぐにでも改善できそうな問題が山ほどあるのに、論理的にも間違ってるスタジアムありきでは売上高200億円は到底無理だと思います。ここ数年の動向を見守りたいと思います¥。

元のインタビュー記事

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