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よくよく考えると怖い映画 「1秒先の彼」

原作台湾、清原果耶主演とこの前見た青春18×2と同じような組み合わせだけど、こちらはクドカン脚本、山下敦弘監督作とこれまたありそうでなかった組み合
わせ。

全体の感想

ジャンル分けに意味はないと思うけど、この作品はあくまでもコメディ。まずはいつでも1秒早い彼の日常を見せる。1秒早いというのもあるけど、全体的にせっかち。こんなやつ、いる?というレベルなのですが、コメディなのでご愛嬌。
途中で1秒遅い彼女の視点に切り替わるのだけど、ここで、前半の物語で彼女からみた世界はこうだったというのを見せるのが上手い。同じシーンを違うところから見ると、それぞれの行為に違う意味があるという、ある意味で当然のことを描けるのが映画のいいところ。

京都至上主義?

それと本作は京都至上主義が冒頭から出てくる。例えば中山道歩くと、昔はここまでが江戸、ここからは武蔵国みたいな区切りがあるのですが、京都も当然区切りがあり、どこからどこまでをいうかという説明が最初にあるのですよね。これが物語の最後に効いてくるのだけど、京都至上主義感満載。物語の大事な場所である天橋立とか、京都に興味がない人間からしたらどこだよ、って思うかも。

観終わった後に思ったこと(ネタバレあり)

終始コミカル、途中でファンタジーもありで一応のハッピーエンドで終わります。が、1秒後の彼女の彼への想いは下手したら呪いレベルで重いし、実は彼女はもう死んでしまっていて、最後に出てきたのは亡霊ではないかとも見えてしまいます。もっとも、現物の手紙を受け取っていたので、実際には生きているでしょうが。
台湾のオリジナル版を観ようかどうかは悩ましいところ。男女がひっくり返っていて、消えた日もバレンタインデーのようですが。

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