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今のアメリカそのままだろ、 映画「Civil War」

映画『CIVIL WAR』|10月4日(金)公開 (happinet-phantom.com)

前jから観たかったCivil War。ちょっと前から台湾で劇場でやっているので、朝イチの回で観てまいりました。一言で言うと、これはフィクションのはずなのに、いつアメリカで起きてもおかしくないアメリカの現実そのものだろと言う感想です。

映画のあらすじ

Civil War』(シビル・ウォー)は、アレックス・ガーランド脚本・監督による2024年公開のアメリカ合衆国・イギリスのスリラー映画です[1][1]。この映画は、19の州が合衆国から離脱し、テキサス州とカリフォルニア州からなる「西部勢力」と連邦政府による内戦が勃発した近未来のアメリカ合衆国を舞台に、ニューヨークから首都ワシントンD.C.へと向かう4人のジャーナリストを描いています[1][1]。ダンスト演じるジャーナリストたちは、東部戦線を経てバージニア州のシャーロッツビルから首都ワシントンを目指します2。この作品は、A24による製作のもと、DNAフィルムズなどによって制作された英米の合作であり、2024年サウス・バイ・サウスウェストにて初公開され、米国ではA24、英国・アイルランドではエンターテイメント・フィルム・ディストリビューターズによる配給で公開されました[1][1]。日本ではハピネットファントム・スタジオによる配給で10月4日に公開される予定です[1][1]。345

Bingより

内戦というリアルな現実

冒頭、大統領の演説の中で19州を鎮圧すると国民向けの声明を述べるのですが、いかにも弱々しく、説得力がない。かつての大統領の威厳はどこに行ったのか。これはまさに今のアメリカ政治家そのもので、勇ましいことを口ではいうものの、内容が軽かったり空虚だったりと、この演説を聴いて感じたのは、発言の内容は置いていても言ったことはやるトランプが必要とされる理由も分かってしまう。
アメリカでの内戦なので人種だったりで誰と誰が戦っているのかは最初のうちは分かりにくいのですが、徐々に西部連合軍が優勢で最終的にワシントンDCを陥落させていくというのが分かってきます。

政治的にニュートラルな描き方

主人公である戦場フォトジャーナリストのリーは政治的にどうかはそれほど見せず、むしろ、内戦をカメラに納めるということに徹底しています。ところどころ、この内戦での出来ごとがフラッシュバックするのですが、いずれも、目を背けたい事実に向き合ってきたということを見せています。
ところが、そんな彼女ですら、とある出来事をきっかけに抜け殻みたいになってしまうのですが、そこに出てくる白人至上主義者がリアル。この白人至上主義者ってのは昔からいることにはいたのですが、この本音をむき出しにしてしまったのが、2010年代なのだとしみじみと感じます。
が、この映画は特に政治性がなくて、それぞれの主張を主人公と同じような視点でただ描写します。

納まりのいい展開と上映時間

ニューヨークからワシントンDCまでたどり着いた主人公たちはついにホワイトハウスが陥落するところに立ち会います。が、このシーン自体は2021年に起きた現実のホワイトハウスでの暴動を知っている現在の我々にとっては荒唐無稽ではなく、むしろ、こういう手段を使わなくても、ホワイトハウスは占拠されてしまうということを知っているため、ここ自体は見せ場になりにくいのですが、さすがの展開なのは、追い詰められた大統領のセリフは是非とも聞き逃してはいけないポイント。これは政治的にニヒルになるしかないですわね。
なお、上映時間は110分弱。やたらに長い映画が量産される中で、この上映時間はさすがA24。映画を観る人たちの会社が作った映画だなあと感じます。

日本公開時期はなぜ10月?

ということで、あくまでもアメリカの現状をやや大袈裟に描いたようにしか感じられない、これはこれで十分観る価値のある映画というところですが、アメリカでの公開が4月、他の国もだいたいそこから遅れずに公開。
ところが、日本公開はなぜか10月。大統領選に合わせてかは知りませんが、是非是非劇場へ。


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