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新任教員のありがちなミス 5選

まだ私が大学を卒業し、教員になりたての頃にメモ帳にためていた失敗や改善点をまとめていたものが出てきました。

改めて見ると小っ恥ずかしいのですが、せっかく見つけたので新任教員のありがちなミスとしてまとめなおしてみます。私の経験談にはなりますが、もしこれから教員になられる方の失敗を予防できれば幸いです。

1.最初の一コマ目をどの様に使うか

初めて教壇に立った日のことでした。
初回から授業をするつもりはなく、自己紹介やクラスの雰囲気を知る時間に当てようと思っていました。

塾での経験もありそれなりに生徒とのコミュニケーションには慣れていたため「新任の若い先生なら生徒も興味を持って接してくれるだろう」特に用意することもないだろうと意気揚々と教室に入っていきました。

それが間違いであったということは直ぐに気づかされました。
初めこそ簡単な自己紹介をし、生徒の質問に任せていたので、ネタはすぐに尽き、そこからは生徒が自由に喋り出し、かといってこちらも話すことがないためまとまりのない感じに終わってしまいました。

もし最初の一コマを授業をせずに生徒とのコミュニケーション費やすのであれば、少なくとも一コマ喋れるだけの、しかも生徒が興味を持って聞けるようなネタを仕込んでおくべきでしょう。

子どもたちは別に教師の話に興味があって聞いているわけではないので、話を聞いてもらうにはこちらもしっかり準備しておかなければなりません。

2.「楽しいだけ」の授業ではなく「楽しい」授業を

授業が始まり慣れない頃は生徒の反応が怖いものです。
つまらなさそうに聞いている子に居眠りしてしまっている子、別の作業をしていたりなかなか静かにならなかったり。

人間不安に駆られるとどうしても相手の機嫌をうかがってしまいます。
そこで生徒が喜びそうなゲームを盛り込んだり、興味を引きそうな雑談でごまかそうとしてしまいます。

私の場合は授業内容に関連した動画を盛り込んだり、雑談を挟んだりしていました。というか、今もしています。

雑談やゲームをすることは何も悪くありませんが、問題はそれ自体が目的化してしまうことです。
ゲームや視聴覚コンテンツはあくまでも内容理解や興味を持ってもらうための手段であり、大切なのは生徒たちに何を学んでもらうかです。

当初私は動画などから英語に興味を持ってもらい、積極的に学んで欲しいと思っていました。
しかしそれが授業の中での学びに紐づけられていなければ、ただ動画を見た、ゲームをして楽しかったという記憶になってしまいます。
これでは「楽しいだけ」の授業です。

なので生徒を楽しませる内容を盛り込むと同時に、それを授業の中の学びにしっかり紐づけて「楽しい学び」に昇華していかなければなりません。

そのためにも多少生徒が退屈そうにしていても、その科目を理解させることの方が重要だと思います。
その上で学びの方法を工夫して「楽しい」授業を作りあげていかなければなりません。

(一年たった今でもちょくちょくスタイルを変えながらあーでもないこーでもないと取捨選択に迫られています。これといったスタイルが決まるまではもう少しかかりそうです)

3.生徒のレベルをしっかり把握する

「教師(自分)のわかること」と「生徒(相手)のわかること」の違いをきちんと認識するということです。

特に新任の先生は、新しい学校・生徒とのコミュニケーションから相手がどれぐらいのレベルなのかを読み取らなければなりません。

生徒が授業を面白くないと感じるのは教師の話が「わからない」からだと思います。人間成長すると過去を美化してしまいがちです。

「中学生の時ならこれぐらいわかっただろう」「中学生ならこれぐらい知っているだろう」という前提に基づいて話してしまうと、「これぐらい」がわからない生徒にとっては、先生の話はちんぷんかんぷんになってしまいます。

なので先ずは授業で使う言葉選びや、前提知識を確認してから始めるということが大切にだと思います。
子どもたちに何を理解しなければ次に進めないかということを明確に示し、また同じ目線に立った言葉選びをしてあげるように心がけています。

ただしあまり簡単にしすぎると新しい言葉や知識を知る機会を奪うことになるため、その塩梅が難しいところではあります。

また私の場合は引き継ぎでクラスを受け持っているため、前任の先生から何をどのように学んでいたかをリサーチし、前年度との連続性を意識するようにしました。

4.教師の仕事は「伝える」ではなく「教える」

私も見失ってしまいがちなのがこの違いです。
教師は授業で新しい知識を「伝え」なければならないのですが、一方でしっかりと「教え」なければなりません。

教壇に立って新しい知識を話すのは手段であり、教育の目的は生徒に理解させ自分で使えるようにしてあげることだと思います。

大人でも一度話を聞いただけでは自分のものにすることはできません。
ましてや半強制で受けさせられている子どもたちには何度も挑戦させてあげる必要があります。

私はこれに気づかずただただ中間テストの範囲を終わらせることを目的に、生徒のペースを無視して進めてしまっていました。

言い訳とばかりに演習を何度か行いましたが、根本的に理解していない生徒たちに演習を行ったところで、一度「わからない」と思ってしまった子どもたちの関心を再び向けさせるのは至難の業です。

今では少し時間がかかってもいいので、ちょっとでもわかったと思ってもらえるように説明と演習を繰り返し、なるべく失敗してもらうようにしています。

5.ちゃんと叱ってやる

当たり前のことなんですが、これが中々難しい。
一年たった今でも苦手です。

特に新任の若い先生は舐められやすいです。
教育実習の時は生徒も気を遣って授業を手助けしてくれるのですが、教員になると話は別です。やんちゃな子たちも中にはいます。話をきちんと聞いてくれる子ばかりではありません。(むしろそっちの方が多いかも……)

しかしそこでクラスの空気に圧倒されてしまうと「ここまでしても先生は怒らない」という意識が、余計にその空気を助長してしまいます。
はじめは慣れないかもしれませんが、少し時間をとって話したり、呼び出してちゃんと叱ってやることが大切です。

当たり前ですが、一度や二度言った程度で聞くのなら初めから聞いています。
何度も何度も繰り返すことになるので嫌になってきますが、そこは挫けず頑張ってください。

私は最初中々それができていなかったため、今になってツケが回ってきています。
授業中も控えめに言って騒がしいです。なるべく感情的にならないようにはしていますが、少々声を荒らげてしまう時もあります。

「何故いけないのか」「何がいけないのか」をちゃんと説明してあげて、「怒る」のではなく「叱る」ように意識しなければなりません。

ただただ声を荒らげて怒鳴りつけてしまっては、直情的でダメな上司の典型になってしまいますからね。

以上が私の考える新任教員がしがちな失敗5選でした。
そんなこと言われなくても大丈夫!という人もいるでしょうし、自分がちゃんとできるか不安だ……という人もいると思います。

結局は現場で学んでいくことですのであまり気を張らず、しかし緩めすぎず生徒と接していけば大丈夫だと思います。しかしもしそれが防げる失敗なのであればと思いまとめましたので、一助になれば幸いです。

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