HORIZON (韓国webtoon)
Ji-Hoon Jung(チョン・ジフン) 氏の HORIZON という作品をご存知でしょうか?
残念ながら日本国内でのローカライズが無いため知っている方は少ないのでは無いでしょうか?
ただ、私はこの作品を非常に優れた作品だと考えており、多くの人に知ってもらいたくnoteの記事にしました。(英語版とフランス語版が読めます)
作品情報
タイトル:HORIZON
作者:Ji-Hoon Jung(チョン・ジフン)
発表年:2016年
話数:21話
評価:★★★★★☆
難易度:★★☆☆☆☆
補足:3話まで無料で読むことができます
内容紹介
無料で読める3話分のあらすじをまとめました
1話:「少年と少女1」
紛争と病気により崩壊した世界
自身の母親を目の前で失った『少年』
あてもなくさまよい歩く
ある日、打ち捨てられた廃バスにて一夜を明かす
目を覚ますとそこには一人の『少女』が身を潜めていた
お互い行くあてのない二人
二人はお互い支え合いながらただひたすら目の前の【地平線(HORIZON)】の【道】を進むことを決めるのであった
2話:「奇妙な男1」
道を歩き続ける『少年』と『少女』
ある日、奇妙な『男』と出会う
『少年』はこの『男』に恐怖を覚えたが、『少女』は優しく手を振り返してしまう
この『男性』は何も喋らず、二人の後をついてきてしまう、この『男』もこの世界で狂ってしまったのだろう
『少年』が自分で確保していたペッドボトルの水を飲みだすと『男』はその水を奪い取り飲み干してしまう、この【道】ではおそらく貴重であろう水を
その夜、二人はこの『男性』を寝ている間に置き去りにすることを考え、移動を開始する・・・
しかし、『男』に気付かれてしまい追いつかれてしまう
あわや襲われると思った瞬間、『男』は
子供のように『少女』にすがるのだった・・・
そして『少年』『少女』の『男』につきまとわれる旅が再開される
3話:「奇妙な男2」
『男』から逃げることに失敗した『少年』は次のタイミングを見計らうことになるが、「飲食をどうするか?」が問題となった
『男』の前で食料を出すと奪われしまう危険があるのだ
『少年』は『少女』がフラフラしていることに気が付き、自ら『男』の気を引く行動をし、『少女』が水を飲むスキを作る
しかし『少女』飲むフリだけで済ませてしまう
そして「ありがとう」「どういたしまして」の会話
その夜、再度逃げ出そうと起き上がる『少年』
しかし、先日のトラウマか一睡もせずに二人を監視する『男』
このままでは逃げられないと悟る『少年』、それと共に『少女』を彼から守ることを心に誓うのだった
しばらく歩くと川を見つけ、走り出す3人
しかし『少女』は倒れてしまう、今までの無理が祟ってしまったのだ
倒れた『少女』のために必死に水を運ぶ『少年』
意識を取り戻す『少女』
そして本当の意味での「ありがとう」「どういたしまして」
直近の危機が去った二人と一人だったが、夜には一睡もせずに二人を見張る『男』とその『男』を見張る『少年』の静かな闘いが行われていた
『少女』を守る『少年』の目にも狂気が宿り始める
そんな闘いの中、日中『男』は倒れてしまう
無視して進もうと話す『少年』に対して、『少女』は「せめて川のそばまで連れて行ってあげられないか?」と提案する、『少年』は「だめだ」と反対する
『少女』の優しさが垣間見える
この作品の魅力
Ji-Hoon Jung氏の絵作り
海外マンガとは言えWebtoon作品であるため、日本のマンガと非常に親和性が高い作画となっています。日本のマンガが好きであれば違和感読めると思います。
毛先の一本一本がキレイに描かれて非常に魅力的です
日本人は英国人とは異なり【目】で感情を表現すると言われていますが、この作品は【瞳(瞳孔)】で感情を表現しているシーンが多いと感じます
1話だけでもこの量です
『少年』『少女』の二人の目線で描かれる物語
物語は『少年』『少女』の目線でのみ描かれるため、なぜこのような世界になってしまったのか?など世界設定にかかわる事柄に関しては最後まで明かされません。
あくまで彼らの目の届く範囲で起きた出来事に対して二人はどのように判断し行動するのか?に明確にスポットをあてられて描かれます。
本作を読み進める前に、細かい内容は(結果的に明かされないので)無視して『少年』『少女』の目線に立って物語を読み進めるようにしてみてください。
数多くの理不尽が彼らを襲うことになりますが、二人の判断を見守ってください
完成されたストーリーと彼らの【人生】
全21話でWebtoon形式なので単純に比較は出来ませんが単行本3巻ほどのボリュームです
短編作品ではあるのですが、前述の目線のとおり『少年』『少女』を描き切っており非常に凝縮された物語です、一歩づつ二人の関係性が進展していきお互いがお互いを思い合い、時には残酷な判断も迫られます
二人が進んでいく【道】の先にはどんな結末が待っているのか?が気になってくるはずです。
こんな人に読んで欲しい
この作品は元々 韓国語から英語/フランス語に翻訳された作品です
もともと文字で読み進める系の作品ではなく【観る】作品だと考えます、ぶっちゃけ文字を読まなくても十分に作品の良さが伝わります。
特に後半は【言語の壁】も重要な要素となってきます。
海外マンガを読んでみたいけど、どんな作品から読んだら良いのかわからない・・・方に海外マンガの魅力を知ってもらうのに十分な作品だと私は考えます。
ただ・・・グロ要素や読者の精神的負荷をかける作品なので、ご注意ください。
それを耐える価値がある作品です
関連作品
同作者さんの別作品「Ce que j'ai à te dire」が日本のアマゾンで購入することが出来ます。本HORIZONの前作ではあるのですが、根本的な部分は通じる部分があります
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