脱・責任感宣言

去年、私は己の責任感と完璧主義に殺されかけていた。
これは決して比喩ではない。

自分に対して「～してはいけない」「～すべき」とルールで縛りまくって疲弊していた。
ルールが守れない自分を減点していって立ち直れないぐらい落ち込んでいた。
その時に書いていた文章を持ってきた。
幸か不幸か、コロナ禍によってやりたかったけど苦しかった仕事は吹っ飛んでしまった。
だから、ここに書いているのは過去の話だ。
気合と根性と世間体で生きていくことに限界を感じた当時28歳が書いたリアル。
今はこんなに落ち込んでいないけど、そのうちまた落ち込むときも来るだろうと思ったのでここに残しておく。

何を隠そう元来私はさほど責任感があるタイプの人間ではない。
「適当」に「要領良く」が信条であり、優柔不断でグズで底辺レベルのコミュニケーション能力しか持ち合わせていない人間だ。
勘違いしないでほしい、これは卑下ではない。
「髪切った？」って聞かれるのが嫌で美容院に行った翌日は登校拒否になる。
回転寿司で注文できず泣く。そんな子供だった。
何に向いているか、何が好きかもよくわからず、物事を自分で決めることもできず、
夢も無く、受験も就活も乗り遅れ、流されるままに漠然と生きてきて今に至る。

本当は頼られて嬉しいと感じるタイプでもない。
勿論、人間なので多少は嬉しいけど、それをモチベーションにして生きていける程には嬉しくはない。
行動原理は「怒られたくない」と「馬鹿にされたくない」。
「仕事ができると思われたい」というよりは「仕事ができないと思われたくない」という強迫観念で生きている。

生粋のゆとり世代の一人っ子。
責任感を持つような器でもなければ、キャラでもない。
適当に脊髄反射でボケ倒して縛られることなく生きていたいのだ。

しかし「オシゴト」となるとそうも言ってられない。
自分に厳しくなるのと同時に周りの人に向ける視線も厳しくなる。
思ってること全てを言うと円滑な社会生活が送れないことを今までの人生で学習してきたので、言いたいけど言えないことをめちゃくちゃ抱え込んで、ふとした瞬間に溢れそうになるのをこらえている。
そしてたまに溢れさせては自己嫌悪に陥り、もう二度と誰とも喋るもんかと誓う。

何故やらない？何故できない？
できるようにするにはどうすればいい？
レベル高いこと求めすぎてる？
壁にぶつかる度に自分なりに勉強しては解決方を探してきた。
それでもうまく行かないとイライラする。

めんどくさい意識の高さ×自己評価の低さ。
自分にも他人にも厳しく、不勉強と効率の悪さが許せない「正論モンスター」が爆誕してしまったのだ。

「正論モンスター」である一方で対人コミュニケーションに関しては豆腐メンタルのままだ。
一度のちょっとした失敗で「はいもう嫌われましたー。人間関係おしまいー」となってしまう。
相手がどう思っているかはさておき、私の中で既に破綻していることになっている人間関係は滅茶苦茶多い。
勝手に他人の気持ちを決めつけて、勝手に人間関係を破綻させている。
減点方式なので一度破綻すると永遠に加点されず復活はしない。

私の中では「調整する」=「迷惑をかける」なので、調整をしなければいけない内容や相手が増えるたびに途方もないストレスがかかる。
人に嫌われるために仕事をしているのかと思うレベル。
日に日に敵が増えていき、一層「非難されたくない」という思いが強くなり、自分を縛るルールが増えて、息苦しさが増す。
破綻した人間関係の中で生きているので誰の事も頼れないし、信用できない。
ずぶずぶの泥沼。
他人が助けてくれることすら馬鹿にされ非難を受けているように感じた。
自分がやらかしたら死んで詫びるレベルの失敗をやらかして上司に尻拭いさせても、けろっとしている人を見ると、もはや畏怖の念すら抱く。
その精神力を分けてほしい。

冷静に考えればビジネスなんだから迷惑もクソもない。
お互いにメリットがあるから一緒に仕事をする。
持ちつ持たれつ。お互い様。
そこに個人的な好き嫌いなんて本当はどうでもよかった。
自意識過剰も大概だ。
嫌われたら傷つくから予防線を張っていただけ。
他人に期待しすぎの子供っぽい発想だ。

大人たちと渡り合わなきゃいけないと必死に肩ひじ張って頑張ってきたけど、そもそもまともな大人は私なんぞにそこまで期待を寄せていない。。
費用に見合うレベルのパフォーマンスが求められているのであり、そんな生きるか死ぬかの悲壮な覚悟なんて求められちゃいない。
別に失敗したって取られるものなんかないし、ちょっとやそっとの失敗で積み重ねてきた信用が急にゼロになることもない。
「ごめんね、テヘペロ！次頑張るわ！」で万事OKなのだ。

理屈で考えればわかる。
だけど、無意識にネガティブな思考が働いてしまう、それが問題なのだ。

他人の感情と自分の感情が入り混じり線引きがわからなくなって手一杯になってしまう。
だから誰とも話なんかしたくないし、会話が耳に入ってくるのすらシャットアウトしたい。
そんなに追い詰めないでくれ。
思えば、自分が何を考えているのかあまり他人に言ってこなかったかもしれない。
今まで社会人として周りの人と話してきたのは「一般論」であり、世間的に何が正しくて何が間違っているかということについてばっかりだ。
残念ながら本来の私はそんなに良識的な人間ではない。
そういう役割なんだと割り切ってきただけなのである。

一つ言えるのは、仕事や会社が嫌なわけじゃない。
ただ私の向き合い方が下手くそすぎて八方塞がりなのだ。
これはあくまでも私の問題であり、どうにかこうにか現状を打破したいと思っている。
できれば早急に。
具体的な解決策はまだ見つかっていない。
誰かのアドバイスを素直に受け入れられる土台もまだできていない。
とにかく私は負のスパイラルから抜け出したいのだ