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「この世界の片隅に」を観ようとする話。

綺麗な絵してるだろ。ウソみたいだろ。戦争映画なんだぜ、それで…
優しそうな顔してるだろ。ウソみたいだろ。BLACK LAGOONの監督なんだぜ、それで…
たいした金も払わずに、ただちょっとAmazonプライム会員になるだけで…すぐに観れるんだぜ。
な。ウソみたいだろ。
などと僕の中の上杉達也が囁くのですが、私、そもそもBlu-ray持ってたりしますからね。そんなAmazonプライムの誘惑になんて乗らないんだからね…!!
でも、ちょっとだけなら観て差し上げても良いことよ。
などと私の中のツンデレお嬢様の浮気心が疼き出すのです。
でも、ダメよ。私にはNetflixさんがいるの…そりゃあ、Amazonくんもいつだって私の側にいて、いつだって私の欲しい物を提供してくるけど…
でも、お金を払うのはいつだって私!!
Amazonくんじゃないじゃない!!
Amazonくんはいつだって私の欲しい物をピシャリと言い当てるだけ…
いつだって正論しか言わないのよ…
違うの!!私は答えなんて欲しくない!!
私が欲しいのはポイントだけ。
いえ、嘘をついたわ。
えぇ、そうよ、私はクーポンも欲しいのよ!!
どうせ、どこで買えばいいか一番お得になるかどんな時だって考えてしまうような計算高い女よ。
さぁ、どうぞ嗤って頂戴。
え、Amazonくん…これ、無料なの…?
ダメよ、そうやって…ホント、貴方って狡い人ね…
負けたわ。観るわよ、観てあげるわよ。
でも、Netflixさんには内緒よ。
え…どうしてここにNetflixさんがいるの!?
ここはAmazon Fire TV Stick の領域内、神聖かつ不可侵な筈。
まさか、貴方、Amazonくんと提携契約でも結んでいたって言うの!?貴方たち二人ともグルだったの!?
なんてこと…Amazonくんに私のNetflixの履歴がダダ漏れじゃない!!
どういうこと!?
ねぇ!!教えて頂戴!!
貴方たちは、私の何が欲しいの!?
なんですって?個人情報…?
そんな…私の財産でもこの美貌でもなく、私の個人情報、ただのデータが欲しかったと言うの…
私のことはいつだってそうやって1/0で見ていたのね…
そうやって優しいフリをして、そうやって私の欲しい物を見つけたフリをして、そんなデジタルな関係だったなんて…
こんな…こんなことって…
こうして彼女はいわゆるサードインパクトを引き起こしたんだ。
俺はここで水を撒くことしかできない。
だが、君には君にしかできない、君にならできることがあるはずだ。
誰も君に強要はしない。自分で考え、自分で決めろ。まぁ、後悔のないようにな。
なぁ、ディズニーデラックスくん。
君は彼女の心を解放してあげられるのかい?
(続かない)


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