『言語化力』という本に泣かされた
先週、1冊の本を読み終えた。
三浦崇宏さんの『言語化力』という本だ。
読み終えた瞬間に、
「......感想を誰かに伝えたい」
そう思った。
読書感想文を書くことが苦手な私にとって
こんな感情を持つのは初めてで、ちょっと興奮した。
どうしてこう思ったのだろう?
それはおそらく、
本書を読んでいる途中で泣きそうになったからだと思う。
今まで、小説以外の本で泣くことなんてなかったのに。
三浦さんの言葉の力に引き込まれ、のめり込んで、涙腺がぐおーーっと刺激された。
印象に残っている箇所を振り返って、ここに記録しようと思う。
「本当だよ」で近づく三浦さんとの距離
本書では言語化力を高める方法について、
とても分かりやすく読みやすく紹介されている。
序盤からたくさんのTipsが書かれているのだが、
私が私の感情ごと引き込まれたのは、206ページのある言葉(記述)からだ。
その部分を引用するので読んでほしい。
言葉というのは危険なものである。言葉の威力に怯えなくてはいけない。ぼくたちは全員ナイフを持って、振り回しながら生きている。それくらいのイメージでいたほうがいい。言葉によって人は死ぬ。言葉によって人が生かされるということもある。本当だよ。だから疎かにしない。気を抜いた、考えていない言葉なんて吐けるわけがない。
とても大切なことが書かれている。
SNS等での誹謗中傷が問題となっている今、
誰もが心に留めておかなければならないことだ。
ここの内容はもちろん大事なのだが、
私はこの文中に出てくる「本当だよ」という一言にギュンときた。
このフレーズにより、著者である三浦さんが、
まるで自分の目の前で自分に向かって語りかけているような、そんな気持ちになったのだ。
本書は「だ・である調」で書かれており、
簡潔でリズムよく読めると同時に、少し距離があるというか、教授が大勢に向かって講義してるような、言葉にするのが難しいが(ニュアンス伝われ)そんな感じを受けていた。
でも、この「本当だよ」は暖かかった。
「ちゃんと自分事として読んでる?これほんとに、本当に大事なことだからね。よく心に刻んでおいてね。」
そう、優しく、語りかけるような口調で、
三浦さんに言われているような気がしたのだ。
ここを読んで、三浦さんとの距離がぐんと近づいた。
マンツーマンレッスンを受けているような、大袈裟だけどそんな感じすらした。
だから、このあとからより言葉が響いて、泣きそうになった。
これは意図的なのだろうか、それともただの偶然か...
なんにせよ、
この部分でこの記述をすることは私にとってとてもとても効果的だった。
同感の人いるかな~いたら教えてください。笑
人生の指針になる言葉を持て
この見出しは、
本書の第4章に書かれている言葉をそっくりそのまま引用したものだ。
人生の指針になる言葉
座右の銘のような、自分を支えてくれる言葉
私は本書で、三浦さんの言葉のなかに、それを見つけた。
批判ではなく賛同、あるいは創造によって、世の中を前に進めていきたい。
この言葉だ。
正確に言えば、指針というよりも、大事にしたい価値観に近いかもしれない。
私は受容性が高いほうの人間だと思う。
誠実であることを前提に、多様性が認められる世の中が好きだし、そうなってほしいと思っている。
それゆえ人を批判することが苦手だし、自分が批判されるのも怖い。
でも自分が出した価値観に、
これでいいのか?これは平和主義のあまちゃんの考えじゃないか?
そう悩むこともあった。
そんなときに出会ったのが、前述した三浦さんの言葉だ。
この言葉の前に書かれている文章も引用するのでぜひ読んでほしい。
「攻撃する対象を見つける人生」は、しんどい。世の中の空気を変えたいのであれば、けなして変えるよりもほめて変えていきたい。「こういう広告はダメだ」と指摘するのではなく、「こういう広告は素敵だね」と言えるようないい広告を見つけたい。もっと言えば、いい広告を作っていきたい。批判ではなく賛同、あるいは創造によって、世の中を前に進めていきたい。
モヤっとしていた心が、すうっと晴れていくような、そんな気分だった。
自分の考えが肯定されたような気もして、嬉しかった。
この価値観を大切にしたいし、何ならまだ自分には足りないところだってある。
この言葉を自信を持って自分の指針だと言えるように、
素直に誠実に心に刻んで行動したい。
おわりに
三浦さんの『言語化力』という本は、
この本を以てその力を体現しているような本だと思った。
読めば三浦さんの言語化力のすごさを実感させられる。と思う。
ここまで言葉を操れる、上手に使えるようになったら、
プライベートも仕事も何があっても乗り越えられるんじゃないか...
純粋にかっこいいなぁと思った。
テクニックが書かれているところは一読しただけじゃ全て覚えられないし身につかないので、
また何度も読み返そうと思う。
好きな本でした!
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