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育休後からはじまった

子どもたちを、歩けるようになる前から保育園に通わせた。だからと言って二人とも親から離れることに慣れているわけではなく、寂しい思いもたくさんさせている。小学校に上がると、保育園にはなかった長期休みが近づくにつれ、自分さえ働いていなければ色々な場所に連れて行って休みを満喫させてあげられるのにと思う。しかし、「自分のせいでお母さんが仕事を辞めた」と思わせたくないから、必死に両立する十数年だった。長年の習慣は価値観になり、今後も私の働き方に作用していくだろう。

7月になるといつも思い出すのが、娘の慣らし保育だ。卒乳していない0才児を預けてまで働く自分の選択に、100%の自信を持てなかった。1才児で年度初めから入園した息子よりも険しい道のりを歩ませる罪悪感があった。
そんなとき、育休後コンサルタントの山口さんにお会いしたい一心で、慣らし保育から戻った娘を連れてイベントに参加した。

当時書いた文章

異業種ママ交流会とでも言うべきか。
普段、保育園や近所のママ友とはどうしても子どもの話が中心になるけど、この場では母として働く自分に焦点を当てられたのが新鮮でした。

東京の保育園事情は横浜より厳しそうでした。
私と同じ正社員でも、認可園に入園できないのは当たり前で、住まいによっては認証・無認可も見つからないという。
非正規雇用に至っては、箸にも棒にも引っかからないんじゃなかろうか。

中には、生後4ヶ月で認証保育園に入れることができたものの、良い仕事がなくて、アルバイトでつないでいるというフリーランスの人もいました。
「枠を確保したはいいけど、年額80万円だから、お金との勝負」って…
本人は働く意欲満々なのに、です。

「無報酬のボランティアでも安時給のアルバイトでも、家事・育児以外のことを続けていることが必ずキャリアアップになって評価される」というアドバイスには、私も心を打たれました。

他のみなさんは初めての育休中で不安なところ、私は唯一2回目の育休。
かつ、時期の目処が立っていない人もいる中、今月に復職するという恵まれた存在でした。
危うく、「みんな不安かもしれないけどさぁ、復職してみれば何とかなるよー!」と先輩風を吹かせそうになりました。

そんな私でも、最初の育休から、息子の発達の遅れや病気のこと、子どもたちがバラバラの園であること、夫が月に数回出張する仕事になったことなど、不安材料が増えてしまいました。
だから、参加して、頭を整理できて、ためになりました。

独り身のときは、頑張っただけ評価してもらえました。
今は、頑張っても報われないことがほんと多いです。
仕方ないです、評価の軸が違うんだから。

最初の復職時にも思っていたことですが、そのときできることをするしかないですね。働きたいけど諦めた世の中のたくさんのママの分まで、あがいてみたいと思っています。

あと半月かぁ。


「子どもを産み育てながら働く」という、人の生き方において当たり前なことが、育児を誰がするかという役割の話になったときに女性にしわ寄せが行くこと。産休・育休があり週5日働ける正社員でも保育園を確保できない状況では、不安定な労働条件の人はより不利になってしまうこと。
10数年経って制度が改善されたり自治体独自の工夫も共有されてきたけれど、働く女性は増え続けていて、出生数は減り続けていても保育園に通う子どもは増加している。ということは、悔しい思いをしている人、悔しくなる前に諦めた人は、ここかしこにいるのではないか。

これは働きたいけど諦めた人の分

仕事を続けることでチャンスに恵まれることがわかった。新たな人間関係を築いて、新しい技術や概念を学んで、日々刺激を受けながら過ごせる。自分のスキルと意欲が職場で歓迎されていると実感できるとき、仕事は日々の活力の源となるのだった。

就労支援の現場で同僚と話すと、それぞれに仕事が好きだ。ワーカーに対しても、「働ける自分を好きになって、自信を持って幸せになってほしい」という思いがある。そのためにメンタルや体力がついて行かないとか環境面での配慮が必要なときに一緒に解決策を考えるのだ。

私も環境さえあれば働けると、周りからもらった勇気を持ってあがいた人だった。

「家事・育児以外のことを続けていることが必ずキャリアアップになって評価される」
山口さんからもらった言葉は働くママだけに留まらないから、ブランクが長いワーカーにも性別や家族構成に拘わらず伝えている。

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