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コインランドリー物語


愛用しているランドリーには、洗濯から乾燥まで、まるっと一台でしてくれるオールインワンのスーパーマシンは大小一つずつの2台しかない。

ランドリーの中に入ると、一台はすでに使われていて、もう一台は使われてなかったが、僕のほんの5.6歩先に入店された、少しだけ気難しそうな、歳の頃は70頃だろうか、ご婦人が使用するマシンを選んでいた。
オールインワンマシン選ばんかったらいいなぁ(;д;)と思いながら、そのマシンの前を過ぎて隣のマシンへ移られたので、一応、
「これ僕使っていいですか?」と声をかけたら、どうぞどうぞ、との事だったので、洗濯物を中に入れ始めたところ、
「ここ、よく使われてるんですか?」と聞かれたので、
「あ、はい、結構使ってます」
「私、はじめてでよく、わからないのよ」との事で、それならばとマシンの説明をタイプ毎に一通り説明させてもらって再度
「あ、これ、僕が使ってもいいですか?」と伺うと、
「できれば、使わせて欲しいです」と。ちょっと驚いたけど、素直で嫌いじゃない。笑 なので、ほりこんだやつを取り出して、ドラム缶洗浄をしながら、再び解説をしたりして。
「毛布が一枚なの、大丈夫ですかねー?」と。
「僕もそれは洗った事ないんで、絶対大丈夫という自信はないですが、壁に書いてるかんじやと大丈夫そうですよー。」
コース選択を2人で決めました。
意外と俺詳しいやん。等と自分で思いながら。画面に残り時間が56分とでたので、
「そしたらあと、56分後に取りに来ていただいたら、それで大丈夫ですよー」と、もはやランドリー社員きどりである。笑
「あ、そうなんですね、色々とありがとうございました^ ^」と、ご婦人は去っていかれました。
 
僕は洗濯だけ、とりあえずできるドラム缶に洗濯物を放り込み、お気に入りの蕎麦屋へ向かった。  
全メニュー食べたいと思わせてくれる蕎麦屋さんだが、LIVEのない日に食べようと決めていた、カレー蕎麦をチョイス。美味かった。しかし、ここのとろろの美味しさの衝撃には、少し及ばないかな、などと思いながら。出汁を全て飲み干して、再びランドリーへ。

巨大な乾燥機だったので、だいたいいつも乾燥は30分のところを20分で、様子見る事に。 その後、100均やコンビニに寄って再び戻ると、先程のご婦人が。

すると丁度ぼくのも、ご婦人のも表示が cd となっていた。そう、クールダウンの表示。
ご婦人が
「これ表示がクールダウンになっているけど、待っていたらいいの?」と。
ぼくはなにより、クールダウンと読めていることがなによりもびびった。最初僕が見た時は、なんやこれ?CD?とかおもいながらすぐに、グーグル先生に聞いたのに。

「もう開けても大丈夫ですよ^ ^いま、これ熱くなりすぎた洗濯物を常温に戻すために冷やしてるだけなんです。」と、またもや社員気取りである。
「あら、そう?このあと乾燥機にかけるつもりなの」
「あけてみないとわからないですが、たぶん乾いてると思いますよー」
「じゃあ少しまっていようかしら」

1分後

「やっぱりもういいかな」と。
少し開けて欲しそうな気配を感じたので、
「よかったら僕あけましょうか?」
「あ、じゃあお願いしてもいい?」
てなわけで、ガチャっとあけると、
「あぁ、あくのね。」
「触ってもいいですか?」とお聞きして、布団を触ると、十分乾いていたので、
「たぶんもう大丈夫ですよー^ ^」
「あら、ほんとね。」

そんな感じで洗濯物を畳みながら、天気や気温の話を交わしたりしつつ。袋に詰め終わる、少し前にご婦人が、布団を袋に入れ終えて、帰り際に
「今日は何から何までありがとうございました」
とおっしゃって、自動扉の開閉ボタンを押し振り返って、
「外の方が涼しいわー^ ^」とすこし名残惜しいと思ってくれたのかな、と勝手に感じ取り、なんだかとてもあったかい気持ちになった。

また会えるかな。
どちらにしても元気でいてほしいな。

外に出ると、じめっとしてなくて、風があって気持ちよかった。


2023.8.10

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